ヒトサラ シェフズ・テーブル ダイジェスト vol.19 - ゲスト・依田 誠志シェフ 第1話 『狩りに出るシェフが語るジビエ』
プロとして料理をこよなく愛する人々“Dish Artist”をゲストに、食のネクスト・トレンドを語るトーク番組『ヒトサラ シェフズ・テーブル』。Vol.19~20のゲストは、【ラ・シャッス】の依田誠志シェフです。
【LA CHASSE(ラ シャッス)】とはフランス語で「狩り」を指す言葉。
シェフみずから狩りに出て、仕留めたジビエを提供するという新スタイルのレストランを営む依田誠志シェフ。狩りと料理を別の物とは考えず、長年自然のなかに身を投じてきた彼が、ジビエがまだ浸透していない日本ならではの問題とこれからの発展についてを語ってくれた。
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“ハンター”として、“料理人”として獲物と向き合う
ジビエを取り巻く厳しい環境
“ハンター”として、“料理人”として獲物と向き合う
――やはり獲物によって処理の仕方は違うわけですか。
依田:違いますね。個体でも違うし、時期でも違う。野生鳥獣には規格がないですから。でも、仕留めてしまったら、それは食材にしてあげたいし、当然いい状態でお客様に提供したいという気持ちがあります。それを見極めること。これは料理人の域なんですよね。でもそれ以前はハンターの域。だから、仕留めたときの状況と、この肉ならこのぐらい寝かせればベストな状況になるだろうという両方を加味することが一番大事なんです。
ジビエを取り巻く厳しい環境
――ジビエはここ何年かで人気になりましたが、衛生面で問題になっていると聞きます。気をつけなくてはいけないことをいくつか教えてください。
依田:飲食店やジビエを扱っているところに平成26年に制定されたガイドラインがきちんと配布されているかといえば、情報が行き渡っていないという状況です。いまどきの料理人が地方を訪れて、地元の人たちに鹿刺しを勧められて食べてみて、お店で出していいと勘違いし、そのまま店で出してしまう。自己責任で食べるのと、お客様の命を預かる仕事をしているのとは大きく違いますから。
――そのあたりの意識は、もっと向上させていかないと。
依田:そうしないとジビエが食文化にならないです。
ゲストプロフィール
依田 誠志 氏
1965年、千葉県生まれ。フランスのドルドーニュにある一つ星店【L'Esplanade(ル・エスペラナード)】にて研鑽を積む。帰国後、数店のシェフを歴任したのち独立、横浜にて【DOMME】をオープンさせる。10年にわたって営業した後、六本木に店舗を移し、店名も【LA CHASSE(ラ シャッス)】に改めた。シェフみずから鉄砲を持って山に行き、狩りで仕留めたジビエを提供するレストランとして高い評価を得ている。
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