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更新日:2017.06.09健康美食

スーパーホルモンの源「副腎」を元気にする食事術 vol.1:グルテンフリー、カゼインフリーで腸内環境を整える

50種類以上のホルモンを生産・分泌し、健康の要となる「副腎」。近年の研究で、様々な疾患の治療はまず副腎をケアすることから始めることが効果的だと判明しています。日本での第一人者でもある本間良子先生に、この副腎を元気にする食事法について教えてもらいました。

スーパーホルモンの源「副腎」を元気にする食事術 vol.1:グルテンフリー、カゼインフリーで腸内環境を整える

多くの身体の不調・疾患に、副腎で作られるホルモンが関わっていることが判明

うつ・生活習慣病・アレルギーも副腎疲労が原因だった!

 体のさまざまな不調の多くが、実はホルモンが原因で起こっていることを知っていますか。
 体のホルモンの生産地として土台となる器官が、〝ストレスの腺〟といわれる「副腎」。副腎は腎臓の上にある小さな臓器で、50種類以上のホルモンを生産・分泌しています。
 近年の研究では、高血圧、慢性疲労、うつ症状、糖尿病、アレルギー、花粉症、動脈硬化、性欲低下、不眠、認知障害…など、実に多くの不調・疾患に副腎で作られるホルモンが関わっていることが判明しました。
 医療先進国アメリカの「抗加齢医学会」では、副腎をまずケアしてから、それぞれの疾患を治療することが常識となっているのです。

 副腎ホルモンの中でも、コルチゾールはストレスに対処し、生命維持に欠かせない「スーパーホルモン」。
 副腎がしっかり機能していればホルモンがきちんと分泌されますが、ストレスで副腎疲労に陥るとホルモン・バランスが崩れ、心身にさまざまな不調が現れるのです。
 副腎の疲れは日常の食生活を改善することで、必ず治すことができます。
 健康の要となる副腎を元気にして、ストレスに負けない体にしましょう。

テニスのTOPプレイヤー、ジョコビッチ選手は、グルテンフリー・カイゼンフリーの食事法が躍進の源

 “You are what you eat.”――「あなたは、あなたが食べたものからできている」。副腎で生産される重要なホルモンの元になっているのも「食べ物」です。
 副腎がストレスにさらされ疲弊していると、細胞は体に貯蔵された栄養素を使い果たしてしまい、常に新たな栄養素を必要としています。
 副腎がホルモンを生産し、機能するためには、まず食べたものがきちんと腸で消化され、栄養が吸収され、不要なものはスムーズに排泄されるようにしなければなりません。
 そのためには腸内細菌のバランスを整え、腸の粘膜を丈夫にして、細胞を活性化するのが大切です。
 腸は免疫機能をつかさどる器官としても重要で、体の免疫機能の約70%は腸内環境が整っているかどうかで決まるともいわれています。

 腸が荒れて炎症が起こると、副腎はコルチゾールをどんどん分泌して炎症を食い止めようとします。
 その結果、副腎が疲弊し、上手く機能しなくなります。副腎疲労を患っている人に共通なのが、この腸の炎症なのです。
 そして、炎症やアレルギーを惹き起こす元凶が、小麦に含まれるグルテンと乳製品に含まれるカゼインという物質です。
 世界最強のテニスプレイヤー、ジョコビッチ選手は著書の中で、自分の躍進がグルテンとカゼインを除去した食事術「GF(グルテン・フリー)、CF(カゼイン・フリー)」のおかげと語っているほどです。

    炭水化物を摂取する際、「色つきの食べ物」が目安になります

    炭水化物を摂取する際、「色つきの食べ物」が目安になります

 小麦粉を使った食材や乳製品をできるだけ減らすことで、副腎疲労を改善することができます。炭水化物はパンやうどんなどの「白い食べ物」ではなく、十割そば、玄米、などの「色つきの食べ物」がおすすめです。
 「白い食べ物」は急激に血糖値を上げ、その調整のためにコルチゾールを過剰に使い続けるので、白いご飯を食べるときは雑穀を混ぜていただくとよいでしょう。
 また、腸内環境を整えるために、ヨーグルトなどの乳製品ではなく、味噌、納豆、漬物などの伝統的な発酵食品から植物性の乳酸菌を摂るようにしましょう。

    日本の伝統食が見直されたマクロビオティックなども、副腎をいたわる食事法のひとつです

    日本の伝統食が見直されたマクロビオティックなども、副腎をいたわる食事法のひとつです

この連載の講師:本間良子(ほんま りょうこ)先生

    スクエアクリニック院長。<br />
 聖マリアンナ医科大学医学部卒。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者、ジェームズ・L・ウィルソン博士に師事。副腎疲労の夫をサポートした経験から、副院長の夫・本間龍介氏(写真右)と共に日本初の副腎疲労外来を設置。家庭医として従事する一方、抗加齢医学外来、副腎疲労外来で治療効果を上げている。近年はホルモン補充療法、ブレインマネージメントまで診療の幅を広げる。現在、南フロリダ大学大学院にて医療栄養学を専攻。二児の母親でもある。<br />
 著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。<br />
 日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。<br />

    スクエアクリニック院長。
     聖マリアンナ医科大学医学部卒。アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)の提唱者、ジェームズ・L・ウィルソン博士に師事。副腎疲労の夫をサポートした経験から、副院長の夫・本間龍介氏(写真右)と共に日本初の副腎疲労外来を設置。家庭医として従事する一方、抗加齢医学外来、副腎疲労外来で治療効果を上げている。近年はホルモン補充療法、ブレインマネージメントまで診療の幅を広げる。現在、南フロリダ大学大学院にて医療栄養学を専攻。二児の母親でもある。
     著書『しつこい疲れは副腎疲労が原因だった』(本間龍介監修、祥伝社黄金文庫)がロングセラーに。最新刊の『心と脳の不調は副腎ケアで整える』(本間龍介との共著、祥伝社黄金文庫)では、「うつ」「認知症状」「発達障害」に効く副腎ホルモンのパワーを紹介。
     日本抗加齢医学会専門医、米国抗加齢医学会フェロー、日本医師会認定産業医、日本内科学会会員。

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この記事を作った人

構成・文:種田桂子(イシス)

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