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2016.06.10食トレンド

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夏の最前線、クラフトビールを美味しく堪能。“味わうビール”へのシフトチェンジ

若年層のビール回帰が目立ち、価格や銘柄よりも「うまみ」「味わい」などおいしさを重視しているとの調査結果が出ています。“喉を潤すビール”ではなく、クラフトビールを中心とした“味わうビール”がトレンドです。

 クラフトビールの品揃えと、“東京一、アサヒスーパードライが美味しく飲めるお店”という評価から、連日盛況の【ビール専門 宮澤商店】。店主の宮澤善之さんからクラフトビールの魅力とおいしいビールの注ぎ方を聞きました。

    宮澤さんおすすめの国産クラフトビール3銘柄。(左から)志賀高原ビール『IPA』、千葉県・舞浜のハーヴェスト・ムーン『シュバルツ』、南信州ビール『アップルホップ』

ブルワーによって解釈が違うので個性豊かな味のビールが生まれる

 「本当はビールが好きだけれど、乾杯後に二杯目、三杯目は頼みづらいという女性の方は少なくありません。その点、当店はビール専門店ですのでそういったお客様でも安心してオーダーできるわけです」と話すのは店主の宮澤善之さん。
 店で取り扱う国産クラフトビールは、宮澤さんの生まれた信州の醸造所を中心に、日本各地から集めた銘柄を日替わりで8種ほど。国内のブルワー(醸造所)を発掘していく過程で、あらためて個性の違いを再認識したそうです。
 「エール(上面発酵)とラガー(下面発酵)ほか、様々なスタイルがありますが、同じスタイルを標榜していてもブルワーによって面白いくらい解釈が違う。この味わいの違いこそ、楽しんでほしい点。そしてこの違いを引き出せれば、自ずとお店に個性が出せますよね」と宮澤さんは話します。

美味しいビールを提供するには極力ストレスを与えないこと

 美味しいビールを提供するにはどうすれば良いか。宮澤さんはその方法のひとつとして「ストレスを与えないこと」を挙げます。ドイツには「ビールは醸造所の煙突の見える範囲で飲め」という言葉がありますが、宮澤さんが目指すのも同様に“出来立ての味”とのこと。保管から注ぎ方、提供方法に至るまで、出来立ての味を壊さぬよう細心の注意を払っているのだとか。一方で鮮度を保てないという理由から、現在は海外の有名ブランドなどを排しているそうです。

ビールにストレスを与えない、おいしいビールの注ぎ方

 グラスにクスミや汚れなどの凹凸があると、それをきっかけに炭酸ガスが発生し、旨味や香りがみるみる気化してしまうため。「洗浄に特別な洗剤や器具が必要なわけではありません。グラスと会話するように、万遍なく丁寧に洗うことを心がけてみてください」(宮澤さん)

 濡れた状態のほうが良い理由は「注いだ時の衝撃や摩擦を軽減し気泡が発生するのを防ぐため」。なお「あくまで自然に注ぐ。必要なもの以外は無理に泡を発生させません」とのこと。グラスのなかでビールの渦が左回転していれば自然に注げたサイン。

 テーブルに置いた衝撃でグラス内に気泡が発生しないよう「ソーサーとグラスの間に薬指を挟んで、静かに指を引いてソーサーの上に置く」のが宮澤流。以上3点いずれの方法もビールへの衝撃やストレスを避けて、極力注ぎたての状態でお客様にサーブするのがポイントとなります。

 もともと【キールズ・バーハウス・アオバダイ (KEEL’S BAR HOUSE AOBADAI)】に勤務していたという宮澤さん。【ビール専門 宮澤商店】でもウリとなっている“アサヒスーパードライを極限まで美味しい状態でサービングする”技術について伺うと「なにか特別な技と勘違いされる方もいらっしゃいますが、国産クラフトビールも同様に、それぞれのビールについて特長などをしっかりと理解し、それにあった保管、注ぎ方をするだけですよ」と笑います。一方で、「おいしいワインや日本酒、あるいは料理を提供するにはどうすれば良いかを考えてみてください。それと同様にビールを大事にしていただければ」と提案してくれました。

この記事を作った人

撮影/鈴木信吾 取材・文/ヒトサラ編集部