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更新日:2017.06.19グルメラボ 連載

京都、洋食の底力 from「ヒトサラSpecial」

その時期にもっとも旬なグルメをお届けする「ヒトサラ Special」。今回は紅葉の季節に訪れたい、京都の実力派洋食店をご紹介します。

京都の次世代を担う注目点が勢揃い

イタリア料理店として、日本の食の奥深さを発信【cenci】

    天井が高いレンガ造りの店内。ヨーロッパの雰囲気を醸し出しつつも、地域伝統の工法を使うなど、京都ならではのイタリアンであることを意識している

 2014年12月にオープンしてすぐ、感度の高い層から火が付き、既に京都のトップレストランの仲間入りを果たした【チェンチ】。それもこれも坂本シェフのなせる業というのが、地元の食通からのもっぱらの評判だ。

「レストランで働く者の役割は、"素材"にひと手間加えることにより、その良さを最大限に引き出し、生産者の想いとともに食べ手に届けることだと思っています」と坂本シェフは自身のテーマを語る。こだわっているのは食べるものだけではない。器やカトラリー、内装など、店内は国内産のもので溢れている。
 
「これだけいいものが日本にあるのだから、わざわざ海外のものを使う必要は感じません。むしろ、その日本の良さをメッセージとして発信していきたい」
 
 26席のレストランでも、昼夜合わせて年間にすれば延べ1万人近くの方が訪れる。料理に加えて、その食材、器やカトラリーなどを実際に口にし、手に取り、その良さを体験すれば、メッセージはそれだけの人数に強く伝わる。レストランがとても大きな発信の場であるということを、坂本シェフや【チェンチ】という店の隅々から感じ取ることができる。

  • 噛みしめると滋味深い味が並ぶ。素材本来の味に、これほどバリエーションがあるのかと驚く客も多いという

  • 『岐阜産の生ハムと香川さんのモッツアレラ』は国産食材でイタリアの味を表現。驚きに満ちた一皿です

  • 龍泉刃物の特注ステーキナイフなど、良質なメイド・イン・ジャパンが店内に溢れている

  • お客様に勧めたいワインを選ぶと、おのずと自然派が多くなってしまうというラインナップも魅力だ

抜群のセンスで脚光を浴びるモダンスパニッシュの新鋭【aca1°】

    スペインで食べた『イワシのパエリア』をシェフなりに解釈した『蟹のパエリア』。「一般的なミックスパエリアのごった煮感もいいのですが、具をシンプルにしたほうがストレートな美味しさになるはず」と生まれたスペシャリテだ

 関西圏でスパニッシュをベースとするガストロノミーで評価を得ている神戸の【カ・セント】。そして、その次に多くの食通から名前が上がるのが、京都・烏丸三条のこの【アカ】。
 
 オーナーの東シェフは、高校卒業後、英語を習得したいとアメリカやカナダに留学。帰国後、セールスマンとして就職するが、モノづくりに興味を持ち、ふと思い立ち25歳のときにスペイン料理店に転職する。そこで、眠っていた料理センスが開眼。そして研修などで訪れた現地スペインで星付きのレストランなどを食べ歩いたときに、コンテンポラリーなスペイン料理に出会う。
 
 このお店の真骨頂は、東シェフの持つこんなストーリーとはさほど関係ないかもしれない。抜群の塩梅による味付け、丁寧な作業による完璧な火入れと、基礎力が高いことは同業のシェフも認めるところ。それに加え、スペイン料理の基本をリスペクトした上での食材の置き換え、かたちや盛り付けの転換など、自由な発想、応用力がこの上ない。
 
 たとえ有名店でのキャリアがなかったとしても、天賦のセンスと旺盛な探求心があった。それらによって、名店は生まれるという好例だろう。

  • 「大したキャリアはないですから」と謙遜するが、だからこそ、自由な探求心と丁寧な仕事に繋がったようだ

  • カイ・フランクの一点物の器や特注のペルスヴァルのナイフなど。設えやカトラリーへのこだわり、センスも光る

  • 洗練された佇まいの伝統料理『イカのクロケッタ』。あくまでスペイン料理を原点としながら独自の表現に

  • スペインワインにおいて、「仏や伊にも劣らない良質な醸造家がいることを伝えるのも使命」と東シェフ

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