ヒトサラ シェフズ・テーブル ダイジェスト vol.12 - ゲスト・杉本 敬三シェフ第4話 『独学のススメ~シュートを打つために』
プロとして料理をこよなく愛する人々“Dish Artist”をゲストに、食のネクスト・トレンドを語るトーク番組『ヒトサラ シェフズ・テーブル』。Vol.9~12のゲストは、【ラ・フィネス】の杉本敬三シェフです。
新橋の雑踏を抜けた場所にある、フランス料理店【ラ・フィネス】。フランスから帰国した杉本シェフが開店したお店のコンセプトは、「AUTODIDACTE(オトディダクト)=独学者」だ。しかし、開店1年でおよそ80ものメディアから取材を受けるも、集客にはつながらず、思い悩んだ時期もあった。そんな苦しい状況を切り抜けるために、杉本シェフが取った行動とは。そして【ラ・フィネス】で提供される料理に賭けるシェフの思いとは。飽くなき探求心を持ち、前に進み続ける杉本シェフの心の内を聴く。
杉本敬三シェフ 第4話:独学のススメ~シュートを打つために-
「職人」としてのシェフを全うする
同じコースでも、ほとんどのテーブルで出す料理が違う」
若き料理人に向けてのメッセージ
「職人」としてのシェフを全うする
――【ラ・フィネス】は素敵なレストランですよね。このお店は、どんなコンセプトなんですか。
杉本:杉本敬三の料理を食べに来ると言う感じで、やはり僕自身はできるだけ職人の部分を推したいんです。いま、日本にもフランス料理店はたくさんありますが、「指揮者」になられるシェフも多いですよね。大きなハコで20、30人の料理人がいる場合、自分で料理をつくっていると指示が出せなくなるので、指示だけに徹する。そうすると、もうその人の料理じゃなくなっている。お寿司屋さんでも、やはり大将が握ってくれたものが美味しいから、僕はそういうお店にしたかったんです。
――だから食材選びからお客様に提供するところまでを、一貫して杉本さんがなさっているんですね。
同じコースでも、ほとんどのテーブルで出す料理が違う
杉本:小さな店ですから、いかに小回りができるかということを考えています。コースは2種類しかありませんが、1万5000円の料理だとしてもほとんどのテーブルで出るものが違います。
――それがすごいですよね。
杉本:それと、僕のお店は初めてのお客様と、5回目の方、20回目の方では、やはりそれなりに常連さんがお得になるような形で料理を出しています。例えば浅草にすごく好きなお寿司屋さんがあります。僕は煮ダコが食べたくて毎回足を運ぶんですけれど、頭は2日に1回くる常連さんのためのものなんです。“バチコ”というナマコの卵巣を乾燥させた高級食材があって、軽く炙ると酒に最高に合うのですが、それも分厚い部分があっちにいったら、「あの人は常連だな」って(笑)。
若き料理人に向けてのメッセージ
頂点を目指すなら、店で仕事をしているだけでは、絶対に頂点にはいけません。学校に行っているだけでは東大には入れないと思うんですね。東大に行きたいのだったら、学校の授業だけではダメで、みんな家でも勉強しますよね。料理人も同じです。何が必要かというと、やはり自主トレです。これは必ずしてほしいと思います。それに尽きますね。
ゲストプロフィール
杉本 敬三 氏
1979年、京都府福知山市生まれ。料理が好きで、小学校3年生、8歳で料理人になることを決意し包丁と砥石を買ってもらう。19歳で渡仏。ロワールやシュノンソーやリモージュといった地方都市をあえて選び働きながら滞在し、ホテルレストラン【ボンラブルール】などのシェフを務める。フランスでの12年間に及ぶ修業を終えて帰国し、2012年、東京・新橋に「AUTODIDACTE」(独学者)をコンセプトに【レストラン ラ・フィネス】を開店する。2013年日本最大級の料理人コンペティション”RED”のU-35初代チャンピオンとなる。
次回vol.13~16のゲストは、【銀座 鮨青木】の青木利勝さんです。お楽しみに!
この記事を作った人
ヒトサラ編集部
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