更新日:2017.02.27食トレンド
外国人観光客にも人気。SNSを中心に人気拡散中の和風バル
食事やお酒を楽しむコミュニケーションの場として人気のバル。イタリアやスペイン系バルはよく目にしますが、2016年4月、大阪・肥後橋に新感覚の和風バルが誕生しました。外国人観光客も多く訪れるという、和風バルの魅力とは?
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ほどよいユーズド感で、居心地の良い空間をつくる
意外なカタチに驚く、噂の看板メニュー
おいしい料理と素敵な出会いに「ありがとう」
誰もが心地よく感じられる空間づくりへのこだわり
真っ赤な外観が印象的。1Fはカウンター席、2階はのれんで仕切られたテーブル席
人気レストランやカフェがひしめき合う、大阪随一のグルメ激戦区・靭公園周辺。ここに、和風バルという新たな業態で勝負をかけたのが【UTOGARIA(ウトガリア)】の代表・吉田紘規さん。
ファッション業界で企画やマーケティングに携わっていた経験を生かし、エリアの特性やニーズなどを細かくリサーチ。年代や性別、国籍、食の嗜好など異なる人たちが集い、交流が生まれる「カオスっぽい空間」をめざし、店のコンセプトから内装、メニューづくりと細部にまでこだわっています。
たとえば、カウンターの形。角をたくさん設けることで、来店客同士やスタッフの顔が見えるようデザイン。また、柱のサビはそのまま残し、壁の漆喰も自分たちで塗りデコボコに仕上げるといった工夫も。
「大阪の人は真新しいもの、きれい過ぎるものをあまり好みません。いい意味でユーズド感を出すことで、居心地の良い空間が生まれたと思います」と吉田さんは話します。
店内にずらりと並ぶユニークなデザインの提灯。ファッション業界で培ったセンスが光る
居酒屋定番から創作料理まで豊富なメニュー
思わず写真に撮りたくなる『たい焼きだし茶漬け』。具は鯛・梅・すじこんの3種類からチョイス
幅広い年齢層を意識して、メニューのバリエーションも豊か。『肉じゃが』や『唐揚げ』、『お刺身盛り合わせ』といった定番から、女性が好きな創作料理や玄米を使ったヘルシー系までいろいろ揃っています。
なかでも、ほぼ全員がオーダーするという看板メニューが『たい焼きだし茶漬け』。おなじみのたい焼き機でパリッと焼き上げたご飯の中には、お楽しみの具材がたっぷり。さくさく感ともっちり感が絶妙にマッチし、〆にもぴったりです。
新作メニューも随時登場予定で、この夏のイチオシは『冷やしおでん』。トマトやオクラなどの夏野菜を冷たいだしでいただく、清涼感あふれるひと品です。
『冷やしおでん』のだし汁に浮かぶのは、だしでつくった氷
食を通して会話がはずみ、笑顔が広がる
これら料理を生み出すのは、国内をはじめカナダでも調理の腕を磨いてきた国際色豊かな渡辺シェフ。【UTOGARIA】オープン直前には、吉田さんが懇意にしている佐賀県の居酒屋で短期修行。長年地元で愛されているお店の味付け、だしづくりなどを新たに学んだことで、【UTOGARIA】の料理のベースが固まったと言います。
店名の【UTOGARIA】とは、「ありがとう」を逆さ読みしたもの。若者、おじさん、女性のひとり客、外国人観光客……。この時間、この場所に偶然居合わせた人たちの間で自然と会話が始まり、笑顔がどんどん広がっていく。そんな光景が当たり前に感じられるこの空間に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。おいしい料理、お酒、そして楽しい仲間との出会いに、「ありがとう」の思いがあふれてきますよ。
「オープンキッチンなので、お客様との会話も楽しめます」と渡辺シェフ(右)
蛭田麗子