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更新日:2018.12.30食トレンド 旅グルメ

新発見! 沖縄は“冬が美味しい”  竹富島で冬が旬の食材をいただく「島テロワール」|【星のや竹富島】

“冬の沖縄料理”と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか? 夏のイメージが強い沖縄ですが、実は冬に旬を迎える食材があり、冬だからこそ楽しめる料理があるのです。そんな冬の美味しさに出会うため、沖縄・竹富島にある【星のや竹富島】を訪ねてみると、ハイシーズンの賑やかさとは異なるゆったりとした時の流れと、新たな美味に出会うことができました。

琉球瓦の屋根、白砂の道。沖縄の原風景が広がる「竹富島」

 石垣港から高速船でわずか10分ほどとアクセス良好な「竹富島」。八重山諸島に属し、コバルトブルーの海と赤瓦の屋根、白砂の道の街並みがかつての沖縄の面影を色濃く残す人気のリゾート地です。

    真っ青な空と白い砂道のコントラストに、瓦やハイビスカスの赤色が映える。これぞ竹富島といった景色

 竹富島は年間平均気温が24℃と一年を通して温暖。訪れたのは11月の中頃でしたが、半袖でも過ごせるほど暖かな気候なので、海で泳いでいる方も見受けられました。

    白い砂と透明度の高いエメラルドグリーンの「コンドイビーチ」。島の西エリアに位置し、遠浅で波が立たず、海水浴に最適です

温暖な気候から、冬に旬を迎える竹富の食材たち

 冬でも暖かいため、竹富島には本州とは異なるサイクルで旬を迎える食材があります。例えば、秋に種をまき冬に収穫する“竹富芋”と呼ばれる島に伝わる芋や、お盆が旬のイメージが強い「車海老」も、実は12〜1月の今が一番美味しい時期なのです。【星のや竹富島】では、そんな島特有の食材を使ったコース料理が楽しめます。その前に、まずは竹富の食材をご紹介しましょう。

「竹富芋」(通称)

    珊瑚が隆起してできた竹富島は農作物が育ちにくく、そんな島の生活を支えてきたのがこの芋。秋に植え冬に収穫する芋が一番美味しいと言われ、採れるのは白、橙、紫の3種

「長命草」

  • やや苦味のある味わい。風邪や咳止めに利用されているほか、魚介類の食中毒防止に刺身のツマとして利用される万能野菜です

「島ニンニク」

  • 水に浮かべると沈むほど身が詰まっており、臭みもなく胸焼けしないのが特徴。タコとニンニクの漬物などとして食べられています

「車海老」

  • 養殖の車海老。竹富島には川がないため生活排水の影響を受けず、さらに人工物のない暗闇で育つため、車海老にとってストレスのない環境が整っています

 島の文化継承に尽力する“前本おじい”から種をもらい受け継いだ芋は、水が少ない土地でつくられたため、味が凝縮し、フルーティな香り。また、車海老はサイズも大きく、味に透明感と甘みがあり、身のなめらな弾力も魅力です。

島の食文化を食べて体感。冬に旬を迎える食材を活かした「島テロワール」

「冬の竹富島だからこそ表現できる料理を提供したい」と、【星のや竹富島】では2018年より、12~3月限定の料理コンセプト「島テロワール」の提供をスタート。まずは、夕暮れに島風を感じながら食前酒を楽しむ「島風(しまかじ)アペロ」から始まり、車海老や島に伝わる“竹富芋”などを使ったメニュー全10皿が堪能できます。

『島風アペロ』

    この日は、『海老とパルメザンチーズのチュイル』や『クワン草とスーチカのテットドフロマージュ』、『アーサーのちんすこう』『ジーマミー豆腐』。食前酒はボジョレー・ヌーヴォー

『命草と島豆腐のクープ』

    “1株食べれば1日長く生きる” という謂れもある長命草(ボタンボウフウ)を使った『命草と島豆腐のクープ』

『アーサーをまとった車海老のフリット』

    半生程度に火を通すと甘味が増す車海老。それを衣の中に閉じ込めているため、本来の甘味や食感が味わえる一品

『車海老のビスクと人参のクリーム』

    車海老の濃厚な旨味と、島人参の甘さのバランスが絶妙な『車海老のビスクと人参のクリーム』

『竹富芋のフォアグラ』

    芋をローストし、甘みや香りを凝縮。濃厚なフォアグラをソースのように合わせることでさらに味わいが引き立ちます

『車海老と豚のショーソン』

    豚のミンチと車海老が入ったパイ。豚肉に合わせた赤ワインのソースと、車海老に合わせたバターソースの2種が添えられています

竹富の食材を守りたい――、ホテル敷地内に畑をつくり、島の食文化を継承

 かつて、竹富島では雑穀と野菜を中心とした農業が営まれていましたが、観光業や流通の発展とともに農業を営む方が減っているのが現状。そこで、島ならではの食文化を継承するため、2017年より【星のや竹富島】敷地内に畑をつくり、料理長の中洲達郎シェフをはじめとするホテルスタッフが島の植物に詳しい前本おじいから知識や技術を学び、作物を育てるプロジェクトをスタートさせました。

    約2万坪の敷地内には、「竹富島景観形成マニュアル」に従って建てられた沖縄伝統の家屋が並びます。オープンから6年が経ち、建物には味わいが出できており、緑も豊かに

    ホテル内でつくられているのは、「芋」「ニンニク」「長命草」など

「おじいが島のためにつくってきたものを僕らが代わりにつくれないか、守れないかと、一から教えてもらいました。それは、竹富島の食材を残したいという気持ちだけでなく、料理人として『美味しいから残したい』という気持ちもあるからです」と中洲シェフ。

    芋をはじめ、「種子取祭」に奉納するための粟や島ニンニクなど。芋は3種あり、橙は味と香りが濃くて個性が強く、紫は癖が少なく最も食べやすいそう

 今までは八重山や沖縄などから食材を仕入れていましたが、竹富島には冬に美味しくなる食材があることにフォーカスを当て、レストランで使う食材は竹富産にこだわったそう。

「例えば、おじいがつくる芋はそのまま食べるよりも加工することでより味が引き立つ特徴から、フレンチの掛け算の技法と合致し、うまく生きてくるのではないかと焦点を当てました」と中洲シェフ。

  • 前本隆一さん、通称・前本おじい。島の文化の継承に尽力し、自身がもつ知識を継承する活動を行なっています

  • 2012年の開業とともに【星のや竹富島】の料理長に就任した、中洲達郎シェフ

「竹富の食材に触れてみて、『沖縄って実はこんなに食が面白いんだ』ということを知りました。その面白さを皆さんにも知ってほしい。だからこそ、生産者と一緒に盛り上げていき、半径2kmの中にある食材を使い、その魅力をしっかりと伝えていきたいです」

 竹富の食材に真摯に向き合った中洲シェフが織りなす「冬の島テロワール」。ハイシーズンではない、ゆったりとした雰囲気の中、沖縄の食を楽しむのなら、まさに今が旬なのです。

【星のや竹富島】

星のや総合予約:0570-073-066
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
メニュー:「島テロワール」ディナーコース
料金:1万2000円(税・サ別)※要予約
提供時期:2018年12月10日〜2019年3月3日
場所:星のや竹富島内「集いの館 ダイニング(17:30〜20:30)
※仕入れ状況により、食材の産地やメニューが変更になる場合あり
https://hoshinoya.com/

この記事を作った人

取材・文/シマアキコ(ヒトサラ編集部)

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