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ボジョレーヌーヴォーの楽しみ方と魅力を名店のソムリエにきく① 銀座【ティエリー・マルクス】

毎年、秋の収穫期に解禁され、日本でも一種のお祭りのように盛り上がるボジョレーヌーヴォーは、「ワイン初心者」の方でも気軽に楽しめるワインとして親しまれています。そのボジョレーヌーヴォーをもう一段深く楽しむべく、2019年、ヒトサラでは11月21日の解禁に先立ち、解禁カウントダウン企画として記事をお届け! さまざまなジャンルの名店のソムリエに、ボジョレーヌーヴォーの魅力、味わい、そして楽しみ方のポイントをインタビューしていきます。これを読んで、今年のボジョレーヌーヴォーを味わい尽くしましょう。

ボジョレーヌーヴォーの楽しみ方と魅力を名店のソムリエにきく① 銀座【ティエリー・マルクス】

ボジョレーヌーヴォーは
“新酒の季節の始まり”

「『ワインのことはよくわからない』という方にとって、ボジョレーヌーヴォーはとてもいい入り口になってくれると思います」と語るのは、銀座のフレンチレストラン【ティエリー・マルクス】のサロンとダイニングの両方のワインを担当する、シェフソムリエの谷川雄作さんだ。ソムリエコンクールで数々の優秀な成績を残す若手ソムリエの筆頭でもある。谷川さん自身、ボジョレーヌーヴォーの品質が年々上がっていることに気づき、毎年積極的にイベントなどを行っているという。

「ボジョレーヌーヴォーの季節になると、グラスワインのほかに、ワインを樽で仕入れて、樽から注いで楽しんでいただいています。“新酒の季節の始まり”というお祭り気分も盛り上がりますね」

    「フルーティーなボジョレーヌーヴォーは冷やしてもおいしい。ピンチョスなどと気軽に楽しめます」と谷川さん

    「フルーティーなボジョレーヌーヴォーは冷やしてもおいしい。ピンチョスなどと気軽に楽しめます」と谷川さん

「ワイン初心者にこそおすすめしたい」理由

 実は、谷川さんが、ボジョレーヌーヴォーを“ワイン初心者のエントランスとして最適”と考える理由は、次のふたつにある。

「一つは、ボジョレーヌーヴォーはほかのワインよりも少しアルコール度数が低いということ。ワインはアルコール度数が1度違うだけで、飲み口が違います。フレッシュな飲み口のボジョレーヌーヴォーは、ワインを飲みなれない方にも軽やかに楽しんでいただけると思います。

 二つめは、ガメイという品種そのものの魅力。ガメイは、じつはガストロノミックな料理によく合う品種で、家庭料理にもよく合います。私がおすすめしたいのは、エスニックとのマリアージュ。とくにコリアンダーを使った料理との相性は抜群で、新感覚のマリアージュが楽しめると思います」

 谷川さん自身も、毎年ボジョレーの時期になると、自宅でサラダなどと気軽に楽しんでいるという。

    夏季メニューの前菜の一例。「野菜と穴子のエスカベーシュ パクチーとズッキーニのクーリ」。

    夏季メニューの前菜の一例。「野菜と穴子のエスカベーシュ パクチーとズッキーニのクーリ」。

谷川ソムリエ流「銘柄選びのコツ」

 では、実際にボジョレーヌーヴォーを選ぶ際には、どんな銘柄を選べばよいのだろうか。谷川さんは、「大手生産者の有名銘柄のもの」とずばり。

「最先端の技術を使って、細かいディテールにまで気をつけて造っているのが大手生産者。トップラインで培った技術が、ヌーヴォーに生かされているのです。

 彼らは『当たり前のことを当たり前にやっているだけ』と言うでしょうが、じつはこれはすごいこと。今、大手メゾンも若い世代がどんどん台頭していて、技術の革新は進んでいます。こういったところにも注目していただきたいですね」

 最後に、谷川さんはレストランで好みのワインを見つけるキーワードを、こんなふうに教えてくれた。

「“チャーミングで華やかなもの”か、“果実の凝縮感があるもの”。ソムリエは、このふたつのキーワードでお客様の好みがわかります。ぜひこの言葉を覚えて、好みのボジョレーヌーヴォーに出合ってください」

ソムリエプロフィール

谷川雄作さん
  • スペイン料理の二つ星【スリオラ】にてシェフソムリエを務めたのち、2016年に【ティエリー・マルクス】のシェフソムリエに就任。「JSAシニアソムリエ」、「ASI国際ソムリエ協会ソムリエ・ディプロマ」の肩書をもつほか、「ポルトガルワイン杯2019」優勝、「JSA主催第2回ソムリエスカラシップ」優秀賞、2018年の同スカラシップでシャブリ賞など、華々しい受賞歴をもつ。

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この記事を作った人

取材・文/安齋喜美子 カメラマン/佐藤顕子

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