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更新日:2017.05.28食トレンド 連載

ヒトサラChef’s Table ダイジェスト vol.7 ゲスト・木下威征シェフ3話『伝説とまかないの日々』 - シェフの本音と食のネクストトレンドが聞けるトーク番組

プロとして料理をこよなく愛する人々(dish artist)をゲストに、食のネクスト・トレンドを語るトーク番組「ヒトサラ シェフズ・テーブル」。ここでしか聞けない本音トーク、飲食業界の未来など、旬な情報をお届けする美味しい時間をお楽しみください。

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立ち上げメンバーとして参加した【オー バカナル】。連日取材を受けるような人気店で、一番下っ端として働く事はけっして楽な道のりではなかった。調理場を仕切っていた三谷シェフは何度言っても名前を憶えてくれず、つくったまかないは罵倒される。そして、その悔しさを胸に、おいしいまかないをつくるため、夜中もキッチンに立ち続けた。【オー バカナル】での修業時代から、【モレスク】の料理長に着任するまで。フランスから帰国したあとの、木下シェフの活躍を追う。

木下威征シェフ 第3話:伝説とまかないの日々

人の入れ替わりが激しい超人気店のキッチン

――日本での最初のお店が【オー バカナル】。当時の人気はすごかったですね。木下シェフは設立メンバーだったのですね。

木下:ただし、一番下っ端ですけどね。

――本当に皿洗いみたいなことからしたんですよね

木下:集まったメンバーは、ほとんどがフランスでの経験がある料理人です。シェフは、みんなの実力がわからないから、とりあえずは年功序列で数ヶ月やってみようと言いました。当時僕は21歳くらいで、一番若かったです。どーんと豚が届いて、それを解体して部位に分けていったり、お店も毎日取材が来るほど話題になっていたから、魚が天井に届くぐらい積み上げられても、ランチで一瞬で売り切れる。そこで働けばすごい技術が身につくんですけど、まあまず保たないんですよ。3日で人が入れ替わってしまうこともありました。

「まかない」をつくるために、店に泊まり込む

木下:【オー バカナル】での下っ端の仕事には、まかないもあります。スタッフは70人。ひとりで毎日結婚式の料理を出すようなものです。ここはアピールのポイントでもありますが、洗い物やゴミ捨て、先輩の用事で振り回されているので、どうしても簡単にできるものをつくって出すことになる。 あるとき、僕のまかないを食べたシェフから「こんなクソまずいまかない作りやがって、餌か」と怒られました。「お前の料理には愛情を感じない。人を喜ばせようという料理に思えない」と言って、蕎麦を食べに出て行ってしまったんですね。もう、悔しくて悔しくて。どうしたらこの人に美味いと言わせられるかを考えました。それで「誰もいないときにつくればいいんだ」と思い立ち、店に泊まることにしたんです。

ゲストプロフィール

木下 威征 氏

1972年生まれ。辻調理師専門学校を首席で卒業し、フランスへ留学。三ツ星レストランで働いた後、【オー・バカナル】に立ち上げメンバーとして約5年在籍。その後、【モレスク】で9年間シェフを務め、2008年5月より【オー・ギャマン・ド・トキオ】のシェフに就任。不利な立地にもかかわらず連日予約で満席。現在、三店舗を経営。今年12月よりカフェ、また店舗移転で新たな展開の有る予定。「ギャマン」は「いたずら小僧、悪ガキ」の意味。

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