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更新日:2025.03.29食トレンド 旅グルメ 連載

ヒトサラ編集長の食ダイアリー~とっておきの旅と食のはなし~vol.3|台湾 その②

編集長・小西克博が最近気になったお店を、語り下ろし形式で紹介していく連載企画です。前回に続き、舞台は台湾。ハイエンドからストリートフードまで、“旅のおとも”にしたくなる情報が満載です。

ヒトサラ編集長の食ダイアリー

今回ご紹介するお店〈台南~大湖~屏東〉

朝早起きして【無名羊肉湯】(住所:台南市中西區府前路二段144號)まで。台南では朝に牛肉スープや羊肉スープを飲む人が多く、ここは羊ですね。

地元の新鮮なラムを使っていて、スープも漢方湯と清湯と選べるようになっています。新鮮な肉に熱いスープが注がれて出来上がり。煮込みというよりしゃぶしゃぶスープに近い感じ。体にすっと入ってきます。

肉は柔らかく臭みも一切ありません。この肉をスープから取り出して醤油をかけてご飯と食べる人も多いとか。

朝5時半から営業しているというので、早朝散歩のついでに立ち寄りました。


  • 永楽市場

  • 永楽市場

永楽市場をひやかし、お土産に【連得堂餅家】のおせんべいを買いました。懐かしい味のおせんべいで、地元でも人気です。

台南から大湖へ

それからローカル線で大湖駅まで移動。お昼はここの【湖東牛肉館】(住所:高雄市湖內區中山路一段107號)です。

    湖東牛肉館

大湖駅前には自動車やバイクの修理店などが並ぶ、何の変哲もないところですが、【湖東牛肉館】はいわゆる予約困難店で、ビブグルマンにも選ばれています。1時間半ごとの予約で、けっこうきっちりオペレーションされています。わたしも1か月半ほど前に台湾の友人経由で予約してもらっています。

    湖東牛肉館

テーブルにつくとほどなく鍋と肉が運ばれて来て、鍋にだしが注がれます。鍋の中には白菜が入っています。肉はその日の仕入れで変わるようですが、これを網状のおたまのなかでしゃぶしゃぶして食べます。

  • 湖東牛肉館

  • 湖東牛肉館

タレや薬味は入り口にあるカウンターから必要な分だけとってきます。肉の新鮮さが素晴らしく、中華風ダレでショウガを効かせて口に運ぶと、薄く切った牛肉の美味しさが改めて理解できるようです。

もうひとつルーローハンがこの店の特徴です。これ食べ放題なんですね。

  • 湖東牛肉館

  • 湖東牛肉館

がっつり牛しゃぶを食べてルーローハン、それも完璧おいしいとなると、このパターンは台湾ヤングのみならずとも行きますわな。わたしにはルーローハンは脂強めでダメでしたが。

大湖から屏東へ

そして今回の旅でもうひとつ、久しぶりに行きたかった【AKAME】へ向かいます。
台湾の先住民ルカイ族の保護地区にある薪焼レストラン。昔わたしは東洋のエチェバリって呼んでた素晴らしい料理を出すところ。

ここ大湖からローカル線で屏東まで行き、そこから車で40分ほど山に入ります。山が近づいてくるとちょっとジャングルのような雰囲気になってきてわくわくします。

ルカイの村に入り、宿にチェックイン、しばらく村を散策してからお店に向かいます。

    嵐雲緑海山居風格館

ルカイの村に入り、宿にチェックイン、しばらく村を散策してからお店に向かいます。
歩きながら今回発見した【嵐雲緑海山居風格館】(住所:屏東縣瑪家鄉瑪卡札亞街11巷1號)というカフェのコーヒーが素晴らしかった。カカオもこのあたりの名産なんですね。

≫【嵐雲緑海山居風格館】のFacebookページはこちら

    嵐雲緑海山居風格館

そして【AKAME】(住所:屏東県好茶村古茶柏安街17巷8号)。コロナ前に一度取材もしてるので、記事も参考にしてもらえたらと思いますが、シェフのアレックスさんが伝統的な窯で焼いてくれる燒烤料理(バーべキュー料理)。彼は最近日本でも流行りの薪焼料理を、ずっとこの台湾の山の中で提供しています。

    AKAME

【AKAME】はルカイの発音だと「アガーム」と読むのが近いみたい。独特のスパイスと火入れ具合が絶妙で、ワインなんかともすごく合う料理なんです。ちょうど行った時が店の9周年とかで記念ワインも出してくれました。

アレックス自身、前出のアンドレ・チャンさんのシンガポールの店で働いていた経験もある人なので、フレンチの手法も取り入れた料理で、ワインとの相性も考え抜いているようですね。

  • AKAME

  • AKAME

お肉はもちろんのこと、野菜も魚もここで焼いてくれます。今回いただいたイカなどは今までにないようなシルキーな食感で見事な仕上がりでした。

  • AKAME

  • AKAME

デザートまでしっかり出してくれて満足。さて支払いの段になって現金しか受け付けてくれないことを思い出しました。

明日の朝、村の麓のコンビニで下ろして支払うと約束して失礼しましたが、現金のみの店も多いので注意が必要です。予約もかなり前からでないと取りにくいと思います。

この記事を作った人

小西克博/ヒトサラ編集長

北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。

大学卒業後に渡欧、北極から南極まで約100ヶ国を食べ歩く。共同通信社を経て、中央公論社で「GQ」創刊に参画。2誌の創刊編集長、IT企業顧問などを経て、現職。

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