ヒトサラマガジンとは RSS

更新日:2023.04.19グルメラボ

インバウンドにより「食」の未来も広がる!USEN-NEXT GROUPが開催するセミナーを密着取材

入国制限が緩和され、一気に加速している訪日客数。USEN-NEXT Tourism Design Lab.では、このインバウンド復活を見据え、地域と連携して新名物開発や魅力の発信などを実施。3月24日(金)に行われたセミナー「インバウンド再始動に向けた地域の観光イノベーション」で、そのノウハウを紹介しました。

USEN-NEXT Tourism Design Lab.

USEN-NEXT GROUPの観光への取り組み

    USEN-NEXT Tourism Design Lab.所長の馬淵将平氏

    USEN-NEXT Tourism Design Lab.所長の馬淵将平氏

四季を愛でる日本料理、歴史的建造物や庭園、伝統工芸品などの多くの魅力をもつ我が国日本。日本を世界に誇る観光地の形成に向けて、USEN-NEXT GROUP内で設立された研究機関「USEN-NEXT Tourism Design Lab.」では、コロナ禍を経たインバウンド復活を見据え、持続可能な地域づくりを実現するために様々な取り組みをしてきました。

    馬淵所長

    地元ならではの強みを生かしたコンテンツづくりを実施し、メディアやSNSで世界に向けて発信

USEN-NEXT GROUPがもつリレーションを生かし、地域がもつ課題に着手。地元ならではの食材を使用した新名物の開発を目指し、地域のシェフ・パティシェによるメニュー開発やアレンジ、試食会実施によるブラッシュアップを重ねたうえで、イベント開催やSNSを活用し、販路の開拓などにも力を入れました。

    デジタル化により社会やライフスタイルに変化をもたらす“ソーシャルDXカンパニー”のUSEN-NEXT GROUP。未来を今に近づけます

    デジタル化により社会やライフスタイルに変化をもたらす“ソーシャルDXカンパニー”のUSEN-NEXT GROUP。未来を今に近づけます

「コロナ禍により精神的なデフレが生まれ、アフターコロナの現在では、インバウンドが急回復しています。旅行者の持続可能性への関心や、自然・アクティビティに対する需要が高まっている今こそ、経済の回復、世界との絆の再構築、地方創生の機会が実現できるのではないでしょうか。我々は蓄積してきたノウハウとテクノロジーをもって訪日観光客を迎えいれます」

観光庁による今後の観光政策とは

    廣田健久

    観光庁参事官(外客受入担当)の廣田健久氏

観光庁参事官の廣田健久氏によると、人口減少を迎える日本では、観光事業は日本の成長戦略の柱であり、地域活性化の切り札だと話します。現在の日本人一人当たりの年間消費額が130万円であり、この人口減少社会を観光で補うためには訪日外国人が8人訪れることで、日本人1人の年間消費額をまかなえるとのこと。

    廣田健久

    「今後の観光政策は、持続可能な観光、インバウンドの回復、国内交流拡大戦略の3本柱に。地域住民も観光を通じて事業を生み育てる、いわゆる“地場産業”が大切になるのではないでしょうか」

福井県坂井市は隠れた名産物「甘えび」の打ち出しを実施

    湯浅光史

    USEN-NEXT Tourism Design Lab.副所長の湯浅光史氏

一般社団法人DMOさかい観光局専務理事である江川誠一氏によると、福井県坂井市は心を豊かにする観光資源が揃っているのにも関わらず、新しい旅スタイルの提案や2023年の末頃に開通する「北陸新幹線」に向けた独自コンテンツの開発が十分ではないと話します。

そのため、福井県広域ウェルネス推進協議会を組成。福井の魅力の認知として「観光資源を磨きあげること」「情報発信」「独自性」の打ち出しを掲げました。

    【la clartē(ラクラルテ)】シェフの松下ひかり

    福井県坂井市竹田地区【la clartē(ラクラルテ)】シェフの松下ひかり氏

そのひとつは、食コンテンツのブラッシュアップ。地元の著名人である竹田地区の【la clartē(ラクラルテ)】のシェフ・松下ひかり氏とコラボを実施、福井の名産物「甘えび」を主役としたバーニャカウダやカルパッチョなどの料理を打ち出しました。

「福井には、日本海で獲れる新鮮な海産物のほか、夕陽が沈む絶景スポットの東尋坊などもあります。本施策は二年目となり、今後も観光事業を中長期的に磨き上げます」(一般社団法人DMOさかい観光局専務理事・江川誠一氏)

    湯浅光史

    「高付加価値なコンテンツをオーダーメイド型で提供することで、世界に向けて発信できるコンテンツを造成していきます。“日本のウェルネスといえば福井”と連想されることが目標です」

三重県桑名市は“映えスポット”&“映える食べ歩きスイーツ”を開発

    森下充英

    桑名商工会議所専務理事の森下充英氏

桑名商工会議所専務理事の森下充英氏によると、桑名市市街地は宿場町の風情が残り潜在的な観光コンテンツが多いことにも関わらず、伊勢志摩観光やナガシマリゾート利用客の通過地点になっていたと話します。

    桑名寺町通り商店街

    桑名市に古くからある「寺町通り商店街」

そのため、市街地まで回遊させることや若年層の取り込みが課題となり「桑名ハイカラツーリズム協議会」を発足。桑名の名所である映えスポットを結ぶ周遊ルート「桑名ハイカラルート」を、ハイカラ衣装を着て散策するという打ち出しを掲げました。映えスポットのひとつ「六華苑」は、映画『わたしの幸せな結婚』の主要ロケ地にもなり話題に。

    【餅菓子工房 大黒屋】の『ハイカラ三色白玉あずきん』

    【餅菓子工房 大黒屋】の『ハイカラ三色白玉あずきん』580円

また、食コンテンツのブラッシュアップとして、食べ歩きスイーツの開発を実施。若者の観光客を増やすべく、映える商品に精通した講師としてあんバターマニアのインフルエンサー・うさもぐ氏たちを招いてワークショップの開催や試食会を実施。現在では、全11店舗が映える食べ歩きスイーツの開発に成功しました。(内6店舗は期間限定商品として販売)

「USEN-NEXT GROUPの強みである食に携わるコンテンツで磨き上げ、持続可能にすることがインバウンドにも大きな影響を与えるでしょう」(USEN-NEXT Tourism Design Lab.副所長・湯浅光史氏)

訪日外国人向けグルメサイト「SAVOR JAPAN」でより便利に飲食店探しを可能に

    成内英介

    株式会社USEN Media代表取締役社長の成内英介氏

株式会社USEN Mediaが運営する「SAVOR JAPAN(セイバー・ジャパン)」は、コロナ禍前の2015年にリリースされた訪日外国人向けグルメサイトです。英語版GoogleのSEOに強い記事コンテンツを公開しており、Youtubeやfacebook、Instagram、Weiboなど各SNSでも日本の飲食情報を海外へ発信。現在では、インバウンド専門グルメサイト業界No.1に認定されています。

「SAVOR JAPAN」の最新データによると、訪日外国人の予約数はコロナ禍前のピークであった予約数を、2022年12月には既に上回ることが分かりました。さらに、予算平均単価はディナーひとりにつき8,468円、ランチは5,663円と比較的高単価。訪日外国人の滞在日数平均は8.8日であり、平日や閑散期(2月や7・8月)の集客にも期待できます。

    成内英介

    「少子高齢化が進む日本の飲食業界において、インバウンド顧客を取り込むことは持続可能な飲食店経営につながるのではないでしょうか。世界に誇れるおいしい和食を強みに、我々も一緒に日本を盛り上げていければと思います」

館内放送を多言語表示化する「USEN おもてなしキャスト」

    北澤伸二氏

    USEN-NEXT Tourism Design Lab.主席研究員の北澤伸二氏

株式会社USENは、商業施設や観光施設など様々な業種の状況に対応した自動翻訳付きAIナレーターアプリ「USEN おもてなしキャスト」を紹介。iPadだけで導入でき、放送時に、4言語(日本語、英語、中国語、韓国語)から言語を選択して流せます。インフォメーションでよく使われる迷子や忘れ物などの多言語フレーズが600万通り以上標準で搭載されているほか、災害など緊急時に流す避難誘導のためのフレーズが搭載されている防災センター利用するプランもあり、非常時の多言語アナウンスも安心です。

    北澤伸二

    「訪日外国人のために言葉の壁をなくすことはもちろん、日本語でのテキスト表示も可能なため、高齢者や聴覚障がいをお持ちの方にも文字で情報を伝えることができます。時代のニーズに対応して一歩先を行くツールづくりが我々の仕事のひとつです」

宿泊施設がより便利に! 省力&省人化を可能にしたシステム「innto」&「KIOSK」

    ヴィアンシック リュウ

    株式会社アルメックス マーケティングセールス本部 営業推進管理部 WEB推進課のヴィアンシック リュウ氏

株式会社アルメックスのヴィアンシック リュウ氏は、コロナ禍前より発生している日本各地の客室不足は経済に大きな影響を与えていると話します。宿泊施設が一軒できるとフロント・清掃員・観光地や飲食店の送客担当の雇用、さらには地元企業とのビジネスも生まれ、経済の波及効果が生まれます。インバウンドに対応し地域を活性化させるためには、簡易宿泊所を迅速且つ低価格で数多くオープンさせることが必須だと力説しました。

株式会社アルメックスは、宿泊施設の予約や販売価格や残室数、売上などを一元管理できる宿泊管理システム「innto(イントゥ)」や、カードキーの発行を含むチェックインやチェックアウト時の精算などの受付業務を可能にした「KIOSK(キオスク)」など、初期投資を抑え、省力・省人化を実現できる商品を提供しています。

    ヴィアンシック リュウ

    「入国規制が緩和した今、海外から人気の高い日本は、大都市観光地のみならず地方も含め全国に訪日外国人がいらっしゃいます。宿泊の予約ができないことは機会損失になるでしょう。多言語対応、宗教上の認識や対応も必要です」

また、アルメックスは、英語と中国語(簡体字・繫体字)に対応した外国人カップル向けトラベルガイド「Japan for 2」を運営。日本在住の外国人記者の目線で、デートスポットだけではなく日本伝統行事やグルメ情報など様々な日本の魅力を発信。都会だけではなく地方への回遊も促進して、消費拡大に繋げています。

    イベント終了後は登壇者と参加者の名刺交換会が賑やかに行われました

    イベント終了後は登壇者と参加者の名刺交換会が賑やかに行われました

USEN-NEXT GROUPは、地域と連携して観光事業を磨きあげ、日本の魅力を世界に発信し、さらにデジタル化を通じてより高い利便性を生み、持続可能な観光事業へ導くことができるよう尽力します。

この記事を作った人

取材・文/岡本ハナ 撮影/佐藤顕子

この記事に関連するエリア・タグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(5/21~5/27)

エリアから探す