更新日:2017.06.06旅グルメ 連載
伝統的、家庭的なタイ料理を美しきコースで【Le Du】
トムヤムクンにガッパオ、カオマンガイ…。それだけがタイ料理ではありません。タイには知られざる地方料理があり、古典料理があります。そんなタイフードを見た目にも美しいコースで味わえるのがここ【Le Du】。そこにはシェフの純粋なメッセージが込められていました。
料理を分解し再構築。コースを美しく彩るタイの古典料理と家庭料理
たとえば、ポテトはエスプーマでムース状にし、一方は低温の油でゆっくりとコンフィに。あるいは鶏肉なら、モモは熱を加え過ぎぬよう茹で、皮はオーブンで焼いてからフライに。それらが美しく盛り付けられ、ルーを添えて供されるひと皿はまるでフレンチかと見紛うほど。しかし、これこそ【Le Du】で供されるマッサマンカレーのスタイルなのです。
「食材それぞれに最適な調理をほどこしてから皿の上で完成させる。伝統的なマッサマンカレーをしっかり理解したうえで一度分解し、再構築した一品なんです」とは、シェフのティティド・タサナカジョン氏。マッサマンカレーだけではありません。それがメインだろうと前菜だろうと、デザートだろうと同じような手法を採用。ここではタイの伝統料理、家庭料理が美しきひと皿となってコースを彩っていきます。それこそ、この店の最大の評価点といえるでしょう。
マッサマンカレーを分解し、食材のひとつひとつの持ち味が生かされるよう再構築したひと皿
多くの人にタイ料理のすばらしさを知ってほしい。シェフの純粋な想いがタイ料理の形を変えた
コースで提供し、ナイフとフォークでいただく。あるいは、バイザグラスでワインとともに舌鼓を打つ。それが【Le Du】のタイ料理のスタイル。しかし、それは決してコンセプト先行型の料理とは一線を画します。ティティドシェフのつくる料理の芯には、タイ料理の美味しさ、魅力を広めたいという純粋な想いが息づいているのです。 「世界的に見れば、タイ料理はあまり知られていない存在です。しかし、タイには素晴らしい食材があり、美味しい料理があります。いろんな人にそのことに気づいてほしい。タイ料理はシェアが基本ですが、欧米人にも親しみやすいように、あえてこのスタイルで出しているんです」 。だた、それが表面を撫でただけの料理であれば、それは創作と位置づけられるかもしれませんが、そうではないのです。生産者に、食材にこだわり、タイの古典料理を学び、地方の郷土料理も吸収する。見た目はモダンでも、ディディドシェフが突き詰めるのは、タイ料理の真髄なのです。
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料理の仕上げはテーブルからも見えるオープンキッチンで
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木の温もりのある、シンプルでスタイリッシュな雰囲気
ティティド・タサナカジョン氏
NYの三ツ星をはじめとした名店で修業したタイ料理の俊英
バンコク出身。若かりし頃から料理に情熱を持ち、ニューヨークへ渡ると料理学校をトップの成績で卒業。その後も【Eleven Madison Park】【Jean Georges】【The Modern】といったNYの三ツ星レストランで研鑽を積む。2014年に【Le Du】をオープン。ソムリエとしての顔を持つなど、ワインの造詣も深い。
【Le Du】
☎+66 2 919 9969
住所:399/3 Silom Soi 7, Silom, Bangrak, Bangkok
営業:18:00~23:00
休日:日曜
この記事を作った人
撮影/鈴木拓也 取材・文/吉田慎治
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