うどんにお風呂に焼き芋スイーツ! 埼玉・熊谷観光とグルメを一日楽しむ厄除け & 開運ショートトリップ
2018年7月、国内観測史上の最高気温をマークし、「日本一暑いまち」として知られている埼玉県・熊谷市。しかし、実はいま、熊谷市は“開運スポット”の町としても注目を集め始めているのをご存知ですか? 開運スポットで運気を上げつつ、観光とおいしいグルメを楽しめちゃう熊谷の“今”をお届けします!
「日本一暑いまち」
熊谷に変化が起きている……?
熊谷といえば「日本一暑いまち」。2018年には、現在、国内観測史上の最高気温である「41.1℃」をマークし、2019年にはラグビーW杯の開催地になったことも記憶に新しい埼玉県北部の町です。
そんな熱気渦巻く熊谷市ですが、最近は“暑さ”ではなく“開運”の町として、近隣県からだんだんと注目を集め始めているそうなのです。
その中心となる開運スポットが、埼玉厄除け開運大師・龍泉寺というお寺。いったい、龍泉寺にどのようなご利益があるのか。龍泉寺での開運のやり方とともに、熊谷をおいしく楽しく巡るのに役立つ情報をお届けしていきます!
1200年以上前に創建された真言宗の寺院であり、日本三大に数えられる「厄除け金色大師」と「開運金色大師」を同時に祀る寺として有名
埼玉厄除け開運大師・龍泉寺のご利益、それはずばり「厄除け」と「開運」です。
厄除けができるお寺はほかにも多くありますが、厄除けに加えて開運のご利益を同時にいただけるのは、関東ではこの埼玉厄除け開運大師のみ。というのも、厄除け金色大師と開運け金色大師の2体の大師に加えて、古代中国の時代から運気上昇の象徴とされる“龍”をお祀りしているからなんだそう。
開運スポットとして埼玉県内では知られていましたが、全国的に注目され始めたのは2020年にYahoo!が選ぶ「全国で人気の最強開運守り」で日本一に選出されたことがきっかけで、今まさに参拝客が昇り龍のごとく増えてきています。
護摩祈願の様子。「護摩」とは梵語の「homa(ホーマ)」に由来し、火を扱った儀式のこと
その厄除け・開運のメインとなるのが護摩祈願という儀式です。30分ほどの祈祷をして、木札に厄除け・方位除け・開運と3つのご利益を移していきます。その木札は持ち帰るか、お寺で1年間預かってもらうことができます。
護摩祈願を行なう土日祝は多くの参拝客が訪れるために、境内では順番待ちの列ができることも。とくに初詣の参拝客は2020年に10万人だったところ、2021年にはなんと30万人にも上りました。
さて、では厄除け・方位除け・開運に、それぞれどんなご利益があるのか細かく見てみましょう。
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「厄除け」
厄除けは、前厄・本厄・後厄の3年の間に行ないます。厄年には、病気・事故・災難・争いごとなどの不幸が起こりやすいとされていて、災いが起こる前に厄除けをするのがよいとされています。また、厄年でなくても身の回りで不運が立て続けに起こった際にも厄除けをするという人もいます。
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「方位除け」
九星気学では、生まれ年に応じて9つの星から一つが自分の星として割り当てられます。この「生まれ星」には、年ごとに方位が結び付くのですが、その方角が凶方位に位置する年(「方位厄」とも呼ばれる)に行なう祈願が方位除けです。例えば、2022年は九星のうち「二黒土星」「八白土星」「一白水星」の3つが凶方位、「五黄土星」はなんと大凶方位(!)に当たります。
下の表に、自分の生まれ年がないか探してみてください。
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大開運のご利益
日本三大開運大師の一つとされる開運金色大師の開運のご利益は、その大いなるお力から大開運と言われています。埼玉厄除け開運大師の大開運は、数多くのご利益があるとされていて、願いはひとつでなくても大丈夫。「開運招福」「家内安全」「健康長寿」「必勝祈願」「商売繁盛」「金運上昇」「病気回復」「出世」「合格」「縁結び」など、あらゆる願いから同時に複数の願いを成就に導くというのが特徴。とくに厄年・方位厄でない年には、埼玉厄除け開運大師に人生の運気を上向きにしに行きましょう!
もう一つ、埼玉厄除け開運大師ならではのありがたい名物ともなっているのが「切り絵御朱印」。護摩祈願をすると縁起物としていただけて、御朱印帳がなくても持ち帰れるようになっています。(「小型札」以外の祈願のみ)
最近では京都・仁和寺などをはじめ多くのお寺で切り絵の御朱印が出されていますが、その発祥になったのが、この埼玉厄除け開運大師なんだそう。
令和4年の「本尊特別切り絵御朱印」
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季節や行事に合わせた限定デザインの御朱印も
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境内には、めずらしいダルマ型の絵馬も
埼玉厄除け開運大師では、おもに土・日曜日・祝日に13時〜、14時〜、15時〜の一日3回、護摩祈願の儀式を執り行なっています。催行日は詳しく公式HPでも記載されているので、訪れる際は事前に確認を!
厄除け・開運の御祈願と切り絵御朱印など、熊谷の新しい開運スポットとして注目される埼玉厄除け開運大師。今後ますます多くの人が参拝に訪れることが見込まれていて、熊谷観光の大きな理由の一つとなることは間違いなしです。
埼玉厄除け開運大師「龍泉寺」のお参りと一緒に
楽しみたい熊谷の観光・グルメスポット
せっかく熊谷に来たのだから、その土地のおいしいものや楽しいことを体験しないで帰るのはもったいない! ……ということで、開運ついでに熊谷の魅力をめいっぱい味わえるスポットを4つご紹介します。
熊谷名物のコシしっかりな手打ちうどんを味わう【田舎っぺうどん】⇒龍泉寺から車で約15分
毎日手打ちでつくるうどん
北の利根川、南の荒川に挟まれて肥沃な土地を持つ熊谷では、昔から小麦の生産が盛んで、県内一の生産量を誇ります。とくに熊谷に来たら味わいたいのが、地粉を使った「熊谷うどん」。
ちなみに、熊谷の小学校では「うどん打ち」が授業にあるそう。だから、一度はうどんを打ったことがある人がほとんどで、熊谷の人たちがいかに「うどん好き」かがうかがえます。
それほど、うどん食の文化が地域に根付いているから当然市内にも「名店」と呼ばれる店が多数あります。
なかでも今回訪れた【田舎っぺうどん】は、創業以来40年以上にわたって熊谷の人を虜にしてきました。
『肉ネギ汁うどん』600円と名物『きんぴらゴボウ』100円 ※半サイズ
「つけ麺」スタイルで提供されるうどんは、噛めば「ぎゅむっ」と音がするようなしっかりしたコシを感じ、小麦の香りと甘みが広がります。豚の脂のやさしい甘みが溶け出した濃いめのつけ汁が、うどんにほどよく絡みます。
うどんを食べ終わったら蕎麦湯のように茹で汁を注ぎ、小麦の香りが溶け込んだつけ汁をすする。思わず「ふぅっ……」と声が漏れるような、ほっと心地いい満腹感が訪れます。
今回訪れたのは土曜日の昼でしたが、お昼どきはつねに満席で外には行列ができるほどでした
営業はお昼のみなので、龍泉寺参りの前に昼食で立ち寄るのがおすすめです。
これが農家直営!? 住宅街に突然現れるおしゃれなさつま芋専門店【芋屋TATA】⇒龍泉寺から車で約15分
周囲に畑が点在する静かな住宅街に突然現れるガレージ風のお店
【芋屋TATA】は住宅街にありながら客足が絶えない、焼き芋とさつま芋を使ったスイーツのさつま芋専門カフェです。
『焼き芋アイスのせ』『焼き芋ソフト』『芋プリン』『芋チーズケーキ』など、メニューには芋スイーツがずらり。じつは、これらの材料であるさつま芋「紅はるか」は、すべて農家でオーナーの坂井さんが育てたもの。さつま芋のことを知り尽くしている坂井さんが丹念に育て、さらに微妙な個体差も見極めて「どうすればおいしく味わってもらえるか」を突き詰めて考えたスイーツなんです。
「畑の地質的にできることは全部やりました。それでも他の農家さんのさつま芋に『かなわない』と思うこともあります。だから、うちは育てるだけじゃなく、加工にもこだわる。同じ畑でも場所が違えば味が変わるので、芋ごとにどの加工が一番おいしいかを考えて使い分けています」と坂井さん。
『焼き芋』540円(360g)。割った瞬間に湯気が立ちのぼり、ねっとりと甘い黄金色が顔を出します
『焼き芋ソフト』350円(税抜)。取材時は節分仕様で鬼の最中がのっていました
クリームやアイスに練りこまれたお芋から感じる、大地の香りと自然な甘み。いつまでも食べられます。
……が、さまざまな芋スイーツが並ぶ中でも一番人気は『焼き芋』。蜜のように濃厚な甘み、とろっとした食感。「あぁ、焼き芋ってデザートだったんだ」と改めて思ってしまうほど、一度食べたら忘れられない感動的な味です。
こうして、芋スイーツを通じてさつま芋のおいしさを届けるオーナーの坂井さんですが、その奥にはじつはもっと大きな願いがあります。
「元々、自分が農家をやろうと思ったのも農家の後継者不足の問題を解決したかったからなんです。若い世代に農家をやりたいと思ってもらうには、かっこいい農家にならないと。だからカフェも作ったし、プライベートではハーレーにも乗ります(笑)」これまでのイメージとは一線を画す、まったく新しい「農家直営」の形です。
⇒龍泉寺から車で約10分
緑を配したナチュラルテイストな空間
いま、サウナや銭湯文化は世代を超えて全国的なブームになっています。そんななか、若い世代を中心に人気を集める入浴施設が「おふろcafé」です。
全国に7店舗あり、こちらは元々「おふろcafé bivouac」として営業していましたが、2021年9月、装い新たに「ハレニワの湯」としてリニューアルオープンしました。
「心と体が晴れる庭」をコンセプトにグリーンが豊かなラウンジ空間は至るところにリラックススペースがあり、寛ぎ放題。とくに小さなテントのように仕切られた半個室のようなスペースは、プライベート感たっぷりです。
本棚にある漫画や雑誌を持ってきて読みながらごろんと寝転がったり、無料貸し出しのボードゲームを楽しんだりと、館内での過ごし方は自由自在です。
「niko and…」とコラボしたポンチョ型の館内着がおしゃれでリラックス感アップ
2階にあるレストラン「ハレニワ食堂」は、グランピングと農園が一体になったリゾート施設【THE FARM】が監修。地元の野菜をたくさん使った、体にすっとなじむようなカフェごはんの数々。
そして気になるお風呂は、高濃度炭酸泉や露天風呂をはじめとした7種類の変わり湯に加えて、決まった時間にアウフグースがあるサウナや、ボディケア・アカスリなども充実。
お風呂場に入るとすぐに「サウナの楽しみ方」や「交互浴の楽しみ方」など、入り方の順番や分数などが初心者にもわかりやすく書いてあるので、慣れていない方でも安心してお風呂文化に親しめます。
⇒龍泉寺から車で約3分
時代とともに少しずつ変わる酒造りについて詳しいお話しが聞けます
龍泉寺から車ですぐの場所にある「権田酒造」。かつては市内に6軒の酒蔵があったそうですが、現在でも酒造りを続けている熊谷唯一の酒造です。
埼玉県独自の酒米「さけ武蔵」や地元・熊谷で開発された酵母を使い、熊谷に根ざした酒造りを続けています。
一般見学も受け付けており、権田清志社長みずから酒造りについて、蔵の各設備を見て回りながら軽妙なトークで解説してくれます。
主銘柄『直実』は、平安末期〜鎌倉時代の熊谷領主だった熊谷次郎直実公の名から
趣ある木造の蔵を見てまわったら、蔵の外に並んだテーブルで日本酒の試飲もできるそうです。また、隣にある販売所ではお土産の日本酒も購入できます。
運転される場合は、ぜひお土産でお楽しみください。
熊谷に来たらこれ食べなきゃ!
甘さを蓄えた「妻沼ねぎ」
妻沼ねぎを育てる「遠藤ファーム」の遠藤さん。ひまわりや花も育て、観光資源にも、肥料にもするなど循環型農法にも取り組んでいます
熊谷の気候は、群馬県にある赤城山から吹き下ろす「赤城おろし」と呼ばれる冷たく乾いた風が特徴です。この“からっ風”に負けないように土の中で栄養を蓄えて育つのが、地域で取れる「妻沼(めぬま)ねぎ」です。なかでも、龍泉寺から車で30分ほどの場所にある「遠藤ファーム」さんが育てるネギは、太く丈夫で見るからに立派。食べてみると驚くほど甘いのが特徴です。
その糖度はなんと最大で13度。これは、一般的なメロンと同じだそう。
「ネギは焼く前に切ってしまうと辛さが出てしまい、焼くと甘みが出ます。料理に使うときも、まず焼いてから使うと辛みが少なく、甘くなりますよ」
今回は特別に、畑で抜きたてのネギをその場で炭火焼にして食べさせていただきましたが、ちょっとしたフルーツかと思えるほど甘く、調味料も何も付けなくても味が濃い。一本丸ごと、するっと食べ切れてしまいます。
「赤城おろし」に負けないように土の中で甘みをたくわえるそうです
この甘いネギを4〜5cmほどに切り、鍋の中心に束状に立て、周囲を牛肉で囲むようにしてすき焼きをするのが、遠藤さんのおすすめの召し上がり方。「魯山人風すき焼き」や「スタンディングねぎ鍋」と呼ばれ、牛肉と同じかそれ以上にネギを主役に楽しめる料理なんだそうです。これは、家でやらねば……!
こちらの「遠藤ファーム」の妻沼ねぎのほかにも、日本在来種で栄養価が高く、家庭料理でも使いやすい「古代もち麦」、沖縄県大里村との友好記念で栽培が始まり、熊谷の新しい名産にならんとしている「青パパイヤ」など、地域の食材も魅力たっぷり。
熊谷の肥沃な土地が育てたおいしさ、道の駅や飲食店で見かけたらぜひ味わってみてください。
熊谷観光の魅力をぎゅっと凝縮した
開運ショートトリップ
今回は、開運スポットである龍泉寺を中心に巡れるおいしくて楽しいスポットと、熊谷産に来たらぜひ味わってほしい野菜をご紹介しました。
熊谷観光の魅力をぎゅっと詰め込んだつもりではありますが、きっと熊谷にはまだまだ知られていない魅力があります。おいしく楽しい開運ショートトリップを楽しみながら、ぜひ熊谷の魅力を見つけてみてください。
撮影/中込 涼 取材・文/郡司 周
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