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更新日:2017.02.27食トレンド グルメラボ

次世代を担う料理人が見つめる未来① 【海鮮名菜 香宮】篠原裕幸シェフの場合

2015年に開かれた35歳以下の若手料理人のコンペティションで優勝。同業者からもその一挙手一投足に注目が集まる、【海鮮名菜 香宮】の篠原裕幸シェフ。篠原シェフが懸念する“日本の中華”の今後あるべき姿、進むべき道について伺いました。

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今、料理人が考えること

日本の中華は、まだまだ遅れている、という印象があります

 そもそも中華料理というくくり方はあまり好きではありません。陸続きの広大な土地に多くの民族が住んでいるわけですから、東西南北、海沿いと山沿いでそれぞれ料理はまったく違います。フレンチやイタリアンは、日本国内でも郷土料理にフォーカスされてきましたよね。中華はそういった動きがまだ遅れている。だから日本における中華は他のジャンルと比べて50年は遅れているな、というのが私の印象なのです。
【香宮】を始めて5年が経過しますが、高級中華といえば大箱やホテルのなかというのがまだ一般的。そんななかで当店が認知されてきているのは、町場の小さな高級広東料理が注目されているということと同義ですから、少しずつではありますが日本における中華の立ち位置も変わってきているのかもしれませんね。

    広東料理のなかのひとつ、順徳料理の郷土鍋をアレンジした『おかゆスープの海鮮しゃぶしゃぶ』

現地で修行する料理人が少ない理由は、“日本と中国の近さ”

 日本の中華に個性があまり生まれない理由のひとつに、現地で修行する人間が他のジャンルと比較して圧倒的に少ないという点があると思います。私なりにその理由を分析すれば、日本と中国の距離が近いから。一昔前であれば、本場で著名なシェフが来日してくれたおかげで現地に行かなくても本物の技を学べた。旅行でも気軽に行ける距離だからこそ、他と比べて強い決意を持て現地に向かおうとしないのかもしれませんね。本場には個性的な店がたくさんあるのに。

香港で星を取り、日本人が修行できる場を提供するのが目標です

    「現地で体験した感動を、皆さんにも体験してほしい」と篠原シェフは語ります

 私には広東料理の本場である香港に店を持ちミシュランの星を獲得する、という目標があります。その背景には日本人が現地で修行できる場を提供したいという切なる思いがあるのです。意外と中国のお店って、ジャンルによっては焼き師とか点心師とかひとつの工程しか学べなかったりするわけです。未来の当店ではできるだけ多くの工程を学んでもらい、日本で披露してほしい。
 小さく自分の店の繁盛を考えていては、日本の中華は置いてけぼりにされてしまう。私が愛する中華料理を未来の日本でどう発展させるかのほうが重要なのです。


篠原 裕幸シェフ profile

シノハラ ヒロユキ
1981年生まれ。埼玉県出身。調理師専門学校を卒業し、【赤坂璃宮・本店】に入社。中国料理の重鎮・譚彦彬氏のもとで7年間修業した後、ペニンシュラ東京の【ヘイフンテラス】などで腕に磨きをかける。さらに単身渡った香港でも、【赤坂璃宮・銀座店】創業時の料理長・朱遠威氏のもと、数多くの広東料理店で腕を振るった。帰国後、2011年11月に【海鮮名菜 香宮】へ。2013年1月より料理長に就任。

 

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