世界各国の料理と極上のマリアージュを叶えるCAVA
世界三大スパークリングワインのひとつとして、各国で愛されているスペインのCAVA。スペイン料理に限らず、ジャンルレスに幅広い料理にぴったりと寄り添うことができるのをご存知でしょうか。今回は、食通が集う人気の日本料理とイタリア料理のシェフやソムリエにその魅力を紹介してもらいます。秋の訪れを感じるとっておきの一皿と共に、CAVAの新たな味わいを楽しんでみてください。
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厳格な品質管理のもと製造される伝統的なCAVA
多彩な料理とCAVAが見事にペアリングできる理由
料理人たちによる特別なペアリングメニューを楽しむ
厳格な品質管理のもと製造される伝統的なCAVA
CAVAに使用されるブドウが栽培される広大なワイナリー。ぜひいつかCAVAが生み出されるスペインの4つの地域を訪れてみてはいかがでしょうか
CAVAとは、スペインで伝統製法に則って造られるスパークリングワインです。その名称は、現地で「洞窟(Cave)」を意味し、かつて洞窟でワインを貯蔵していたことに由来しています。スペインのコムタッツ・デ・バルセロナ、バリェ・デル・エブロ、ビニェド・デ・アルメンドラレッホ、レバンテ地方(名称未定)の4つの地域においてのみ生産され、そのうちの95%以上を占めるのがコムタッツ・デ・バルセロナです。地中海の温暖な気候で、光と風をふんだんに浴びたブドウは、上質なスパークリングワインを生み出します。
瓶内二次発酵で最低9か月間熟成、使用できるブドウは9品種など、原産地呼称制度「D.O.CAVA」の規定によって厳格な品質管理がされることで、卓越した高品質の味わいを維持。世界中のワイン愛好家や美食家をはじめ、多くの人々に愛されています。
多彩な料理とCAVAが見事にペアリングできる理由
一言でCAVAといっても個性溢れる味わいを持ちます。グラスに注いだ際もご覧の通り。このように一度に数種類を飲み比べてみるのも面白いかもしれません
幅広いジャンルの料理とのペアリングに優れるCAVA。その秘密は、産地による多様性に加え、バリエーション豊かなブドウ品種や熟成期間の違いなどにあります。CAVAに使用できるブドウ品種は、白ブドウは、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ、シャルドネ、スビラ・パレンの5種類。黒ブドウは、ガルナッチャ、モナストレル、トレパ、ピノ・ノワールの4種類の合計9品種です。そのうちチャレッロ、マカベオ、バレリャーダの3品種が、スペインの土着ワインの特徴になる固有品種です。CAVAの上級銘柄に多く使用されているチャレッロの割合が多いと力強くシャープな印象に。マカベオは軽やかで華やかな香り、パレリャーダはアロマティックで繊細な味わいをワインにもたらします。
CAVAの生産に使用されるブドウは、主に8月に手摘みと機械摘みの両方で収穫。生産者の熱意と誇り、高い技術によって、秀逸なスパークリングワインになります
熟成期間では、4つのタイプに分類され、カバ・デ・グアルダ(9カ月間以上)、カバ・デ・グアルダ・スーペリオール・レセルバ(18カ月以上)、カバ・デ・グアルダ・スーペリオール・グラン・レセルバ(30カ月以上)、カバ・デ・グアルダ・スーペリオール・パラへ・カリフィカード(36カ月以上)から構成されます。このような熟成期間も幅広い味わいを生み出す理由のひとつです。ぜひお好みのテイストのCAVAで、相性の良い食事をお楽しみください。
料理人たちによる特別なペアリングメニューを楽しむ
CAVA × 日本料理/【日本橋ゆかり】
日本料理とCAVAのペアリングを提案するのは、昭和10年の創業以来、代々宮内庁への出入りを許された老舗【日本橋ゆかり】です。現在は、京都の【露庵 菊乃井】で修業した野永喜三夫氏が、三代目として暖簾を守ります。1階はカウンターとテーブル席、地下には個室が充実し、接待からご家族のお祝い事など幅広く愛用されています。
日本橋駅から徒歩1分、東京駅から徒歩3分というアクセスのいい立地でありながら、都心にいることを忘れさせてくれる風情漂う一軒。着物姿のスタッフがもてなしてくれます
伝統を大切にしながらも、新たな食材や技術を取り入れることにも積極的で、乳製品を取り入れた日本料理を“ニュー(NEW/乳)和食”とした代表作『東京モッツラレラ茶碗蒸し』もファンの多い一品です。「実はこちらもCAVAとよく合いますよ」と野永氏。世界へ日本料理を発信することにも力を入れ、以前にスペインを視察した際にはバル巡りでたくさんのCAVAを味わったそう。
日本料理の伝統や技術を大切に守りつつ、商品のプロデュースなど新たな挑戦にも挑む野永喜三夫氏。自身もお酒好きであり、ワインや日本酒にも造詣が深い料理人です
今回、CAVAに好相性とおすすめしてくれた一皿は『うなぎと賀茂茄子の濃厚胡麻あんかけ』です。山梨県の清らかな湧き水で養殖したうなぎを【日本橋ゆかり】オリジナルのタレで蒲焼きにし、名残を迎える賀茂茄子をミルフィーユ状に重ねて蒸しています。うなぎの旨味や脂が茄子に染み込むと実に贅沢な味わいに。風味のよい胡麻あんをたっぷりとかけ、ほろ苦い万願寺唐辛子と愛らしい穂紫蘇を添えれば完成です。
「20年以上作り続けているこの季節の定番で、残暑の疲労を回復していただきたいという想いからうなぎを使用しています。キリッと冷えた辛口のCAVAが素材の持ち味を際立たせてくれますよ」(野永氏)。菊花をデザインした輪島塗の器にも秋を感じる熱々の一皿は、ついついCAVAに手が伸び、パワーチャージできること間違いありません。
フランス料理を思わせるような優美な盛り付けの『うなぎと賀茂茄子の濃厚胡麻あんかけ』。毎年この季節にこの一品を楽しみに訪れるゲストも多いといいます
【日本橋ゆかり】
電話:03-3271-3436
住所:東京都中央区日本橋3丁目2-14
アクセス:東京メトロ 銀座線 日本橋駅
CAVA × イタリア料理 【リストランテ ホンダ】
外苑前駅から徒歩5分の場所に店を構えるイタリア料理店。扉を開けると、20席ほどのシックで洗練された空間が広がり、昼夜共にプライベート感溢れる時間を過ごすことができます
CAVAに合わせ、今秋の新作メニューを考案してくれたイタリア料理は、2004年に北青山に開業した【リストランテ ホンダ】です。『ミシュランガイド』の東京版が刊行されて以来、毎年星を獲得し続けている名店で、イタリアの三ツ星レストラン【アンティカ・オステリア・デル・ポンテ本店】で研鑽を積み、【リストランテ アルポルト】にて副料理長を務めた本多哲也氏が腕を振るいます。
イタリア料理の技法を駆使しながら、日本の旬の食材をふんだんに使用し、季節の移ろいを感じさせてくれます。軽やかで身体想いの料理は、ビジュアルも味わいも非常にエレガント。経験豊富なソムリエの吉田利洋氏によるワインのセレクトもファンが多い理由です。客席はプライベート感を大切にしながらも、店舗奥の半透明の窓からはキッチンのライブ感も伝わる寛げる店内で、記憶に刻まれる時間を過ごすことができます。
今秋の新作である『戻り鰹のカルパッチョ 秋ナスと新ニンニクのピューレ添え』。神奈川県秦野市のすずき農園が手掛けるトマトを使用したジュレが爽やかな余韻へと導きます
常に新作を生み出し続ける本多シェフですが、今回はCAVAに合わせた秋のメニューとして『戻り鰹のカルパッチョ 秋ナスと新ニンニクのピューレ添え』を考案しました。旨味と脂がのった戻り鰹を炙ってカルパッチョにし、福井県鯖江市の伝統野菜である吉川ナスと上品な風味の新ニンニクをピューレ状にして合わせています。
素材本来の“旬”と“個性”を最大限に引き立てた料理を信条とするオーナーシェフの本多哲也氏。軽やかな食後感で、おいしさだけでなく健康面においてもゲストへの配慮を欠かしません
「鰹をカルパッチョにする際、通常ならイタリアの魚醤であるコラトゥーラを選ぶところですが、風味が強くなりすぎてしまうので国産の鮎の魚醤を使用しました。日本人の好みに合うだけでなく、エレガントなCAVAにもそっと寄り添う仕上がりに。乾杯酒に止まらず、幅広い料理に合うCAVAの万能さや可能性の広がりをお楽しみください」(本多氏)。
本多氏の料理にぴったりと寄り添うワインを提供するソムリエの吉田利洋氏。そのホスピタリティの高さは、穏やかで居心地の良い食事の時間を演出してくれます
「CAVAは、上品な味わいに歩み寄ると同時に、少し個性の強い味わいを洗い流すような包容力もあります。説明を受けなければ気づかないほどソフトな風味の新ニンニクや甘味を引き出した茄子のピューレとのバランスの良さはもちろん、ほんのりと苦味を感じる戻り鰹とも引き立て合います。完成された一皿ですが、CAVAをペアリングすることで、より一体感を感じていただけることでしょう」(吉田氏)。美酒美食とはまさに。うっとりとため息が出るようなCAVAとのペアリングメニューをぜひご堪能ください。
この記事を作った人
撮影/佐藤顕子 取材/外川ゆい
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