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更新日:2017.02.27健康美食 グルメラボ

食材への限りなき探求 「千葉大学×ノンメタポーク」

日本全国の大学で研究されている未知の食材が、貴方の街のレストランで、一流の味となって堪能できるという話しです。

食材への限りなき探求 「千葉大学×ノンメタポーク」

ヘルシーでジューシーなノンメタポークを中華で丸ごといただく

 世界中の料理が高いレベルで食せる日本。当然食材も世界中のありとあらゆるものが揃っていると考えますよね。マグロ資源の減少を防ぐため、不可能と言われたクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学の研究はみなさんご存知ですか。
 嬉しいことに東京や大阪にある街のレストランで、近畿大の養殖マグロの料理が手軽に食べられるようになりました。今こうした新しい食材を研究する学校が全国レベルで増えています。
 千葉大学の研究(京葉プラントエンジニアリングと共同開発)もその一つです。海産物を高温で発酵させて作る飼料の開発に成功しました。この飼料を添加した餌を食べて育てた豚が元気になったばかりか、その赤身肉の脂肪が大幅に減少し、ビタミンB1も増量したというのです。
 脂肪が少ないとパサついたお肉を連想しがちですが、なんとジューシーな上に柔らかさもアップしたというからびっくり。しかも自然界由来の発酵飼料だから安心安全です。この豚肉を使った料理なら、普段メタボが気になっている諸氏も心ゆくまで大好きなお肉料理を味わうことができますね。
 
 その豚肉の名が「ノンメタポーク」。まさに時代のニーズに合った食材の誕生です。
 そんな夢のような食材で料理を提供してくれたのが【文菜華】です。この日シェフの渡辺さんが「ノンメタポーク」を使った特別メニューを用意してくれました。渡辺シェフは中国伝統の技法を基に、素材本来の持つ「旨味」「香り」を抽出する技に定評があります。夢の食材「ノンメタポーク」を、シェフ自慢の百菜百味の醤(じゃん)で仕上げたら、果たしてどんな独創的な料理が生まれるのでしょう。

    『ノンメタポークのチャーシューと低温ステーキ入り広東前菜盛り合わせ』

    『ノンメタポークのチャーシューと低温ステーキ入り広東前菜盛り合わせ』

大学の研究が食文化を変える!?

 まずは涼しげな器に盛られた広東の前菜です。ノンメタポークのバラ肉を使ったチャーシューに、低温で焼き上げた美元豚の肩ロースのステーキが盛られています。前評判通り、豚肉の風味が香り高く食感もとても柔らかい。次の料理への期待が膨らみます。

  • 『ノンメタポーク入り蒸しスープ』

    『ノンメタポーク入り蒸しスープ』

  • 『フィレ肉の黒酢とマヨネーズ和えとウデ肉の餃子』

    『フィレ肉の黒酢とマヨネーズ和えとウデ肉の餃子』

 美味学(ガストロノミー)を初期に提唱した、ブリア・サヴァランが残した食のバイブル「美味礼讃」には、スープは熟練の経験が必須とあります。ノンメタポークを包丁で叩いてミンチにした透明なスープは、豚の旨味と丁寧に処理された地の野菜が凝縮されて、体に沁み渡る味です。まさにシェフの経験とアイデア、繊細な仕込み、汗の結晶がこの濃密な輝きをもたらしています。

 もうひと皿はノンメタポークのフィレ肉を黒酢あんとマヨネーズで和えた創作中華と、豚のウデ肉を使った珍しい餃子です。フィレ肉はまったりしながら黒酢がいいアクセントに、餃子は一口噛むとジューシーな黄金の肉汁が滴ってきます。この餃子は嬉しいことに高島屋オンラインで手に入れることが可能です。
 脂肪が少なくジューシーなノンメタポークを一頭丸ごと挽いたひき肉は、贅沢の極み。カロリーを気にする食通諸氏には、なんとも便利な世の中になったものです。

 メインは、ノンメタポークのバラ肉を用いた角煮トンポーロー。じっくりと時間をかけ煮込んだ本格派。いわゆる豚の脂臭さがなく、お肉が苦手な人でも十分楽しめる上品なお味でした。

  • 『ノンメタポークのモモ肉と柏野菜の炒め物』

    『ノンメタポークのモモ肉と柏野菜の炒め物』

  • 朝採りのフレッシュな柏野菜

    朝採りのフレッシュな柏野菜

 続いての炒め物は、しっとりとした甘みのあるノンメタポークのモモ肉と地元の柏で朝採れたばかりの野菜とのコラボレーションです。
 あっさりした塩味が素材を引き立てる一品。千葉の豚肉に、柏のお野菜、これぞ地産地消の創作中華です。

    『ノンメタポークのモモ肉の汁米粉』<br />

    『ノンメタポークのモモ肉の汁米粉』

 シメの汁物は、酸味が強く効いた汁米粉(ビーフン)です。ここにも存在感たっぷりのモモ肉が出汁とともにふんだんに使われています。香菜とレモンがアジアの亜熱帯を連想させ、おかわりしたいほどの美味さでした。

 次はどの大学がどんな食材を作ってくれるのか。学生とシェフの新たなチャレンジ。ヒトが食への欲と可能性を追い求める限り、こうした食材への探求も未来永劫続いていくことでしょう。

この記事を作った人

金子 哲也 (ヒトサラ副編集長)

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