ヒトサラマガジンとは RSS

更新日:2023.12.28食トレンド 旅グルメ

<Day2>食、酒、禅、温泉、文化。日本の素晴らしさをまるごと体感|福井県ウェルネスツアー

2024年春の新幹線開通を前に、日本だけでなく世界からも注目されている福井県。少しずつ外国人観光客の姿も増えています。禅と食と温泉をめぐるウェルネスツアーの中では、彼らをより温かく迎えるために、通訳ガイドや英語メニューなどの整備も進められています。そんな福井県の見どころを1泊2日のモデルコースとしてご紹介します。

<Day2>食、酒、禅、温泉、文化。日本の素晴らしさをまるごと体感|福井県ウェルネスツアー

ヨガで整えた身体を、温泉で循環
あわら温泉朝ヨガ体験

宿泊したのは福井県が誇る温泉街「あわら温泉」。豊かな田園風景が広がる温泉街ですが、昔、水田に井戸を掘っていた際に偶然温泉が湧き出たことで、明治17年に開墾されました。74本もの源泉を引き、旅館それぞれが自家源泉を持っていることも特徴の一つです。

    芦原温泉朝ヨガ

    寒さで強張った身体を、時間をかけてほぐしていきます

早く起きた朝は「あわら湯のまち」駅前にある伝統工芸館でヨガ体験。30分間、自らの内面と向き合う贅沢な時間を過ごします。

  • 芦原温泉朝ヨガ

    英語と日本語でレッスンを受けることができます

  • 芦原温泉朝よが

ヨガを身体をほぐした後は、足湯に浸かって内側を循環させましょう。広場前にある「芦湯」は、どなたも無料で利用することができ、温泉は源泉かけ流し。すべてヒノキでつくられた5種類の湯船はそれぞれ温度が異なるので、自分にとっての適温を見つけてみて下さい。

  • 芦湯

  • 芦湯

「芦湯」
住所:福井県あわら市温泉1-203

手つかずの自然が残る
神の島「雄島」

    雄島

    鮮やかな赤が美しい「雄島橋」。奥に見えるのが「雄島」

今日は日本海の雄大な自然を体験しに行きます。東尋坊から一足のばした沖合、越前海岸に浮かぶ周囲2kmほどの無人島「雄島」は、地元の人からは「神の島」と呼ばれ、古くから親しまれてきた場所。

    雄島

    宮司さんによる日本語の説明を通訳してガイド

雄島の入り口にある大きな鳥居をくぐり石段を上がると、飛鳥時代に創建された「大湊神社」があります。この地域では、古くから海の恩恵を受けながら生活を送る一方で、漁は天候などによる危険をはらんでおり多くの人が命を落とすこともありました。「大湊神社」は、人々が海での無事を祈願するための神社なのです。

40分程で一周できる島内には、自然が生み出した「板状節理」と呼ばれる岩や、清水の沸く「瓜割の水」、方位磁石を狂わせるという「磁石岩」などの見どころのほか、手つかずの自然が多く残されており、一歩一歩地面を踏みしめるたびに、大地のエネルギーを感じられる場所です。

    雄島

「雄島」
住所:福井県坂井市三国町安島

歴史が息づくレトロな街並み
三国湊散策

    九頭竜川

    九頭竜川から三国港を臨む

江戸時代における日本の物流を支えたのは船。なかでも、北海道から大阪までを結んだ日本海の交易船「北前船(きたまえぶね)」が入港する三国港があるこの街は「三國湊」と呼ばれ、多くの人で栄えていた場所です。

    旧岸名家

    「かぐら建て」が特徴的な当時の町家「旧岸名家」

必見の観光名所「旧岸名家」は、材木商を営んでいた岸名惣助の住居跡。美しい瀬戸焼のトイレや、船が沈んでも水上へ浮くようにつくられた船箪笥など、当時を生きた商人の息づかいが感じられます。

    旧岸名家

    玄関から入り、縦長に続く廊下は九頭竜川まで繋がっている

室内の部屋は天井が低く、柱や造作材を弁柄塗、壁を色土壁とした瀟洒な造り。2階建てのうち、1階には店の帳場や座敷、台所などがあり、2階には三国ゆかりの文化人の資料が展示されています。また、ボランティアガイドが常駐しており、旧岸名家はもちろん、三国町の案内もしてくれるので、街歩きの拠点として訪れるのもオススメ。

  • 三國湊

    引き続き英語による同時通訳でのガイド

  • 三國湊

「旧岸名家」
電話:0776-82-0947
住所:福井県坂井市三国町北本町4-6-54

  • 旧森田銀行本店

    1920年竣工。外観も内部も豪華です

  • 旧森田銀行本店

登録有形文化財「旧森田銀行本店」も見逃せません。鉄筋コンクリート造りとして福井県内に現存する最古の建物で、建築家の山田七五郎により設計され、木と白漆喰の彫刻を基調とした内部と広い吹抜けが印象的。その豪華絢爛な姿は、当時の三國湊の繁栄を物語っています。

    旧森田銀行

「旧森田銀行本店」
電話:0776-82-0299
住所:福井県坂井市三国町南本町3-3-26

    北陸三大祭の一つで無形民俗文化財の「三国祭」で巡行する、およそ6.5メートルの大きな「山車(やま)」。町内に6基保管されている

    北陸三大祭の一つで無形民俗文化財の「三国祭」で巡行する、およそ6.5メートルの大きな「山車(やま)」。町内に6基保管されている

    みくに園 三國湊店

    小さなものから本格的なものまで幅広く盆栽を販売する「みくに園 三國湊店」。店主自ら手をいれた江戸後期のかぐら建ての雰囲気も味がある

古民家リノベレストラン
三国フレンチを堪能【S'A muser(サミュゼ)】

    サミュゼ

    三國湊きたまえ通りにある旧大木道具店をリノベーションしたレストラン

旅の締めくくりはやっぱり食。三国の豊かな海の幸を中心に、地元の食材をふんだんに使用した「三国フレンチ」が楽しめる【S'A muser(サミュゼ)】は、昔ながらの商店の雰囲気が印象に残る木造二階建です。同店ではベジタリアン対応も可能(10日前までの要相談)。

  • サミュゼの前菜

    ランチコース5,500円の一例

  • サミュゼのメイン

彩り豊かな前菜は『たまねぎとベーコンのキッシュ』や『赤キャベツとレンコンのマリネ』、『パテ・ド・カンパーニュ』、『ブリのマリネ』など、素晴らしい食材そのものの味が引き出された料理の数々。魚のメインには『スズキとタラのソテー』に根セロリのソースを合わせ、肉のメインでは肉厚の『牛ヒレ肉のロースト』を赤ワインソースで仕上げています。

    スープ、パン、デザートまで楽しめます

    スープ、パン、デザートまで楽しめます

古くから伝わってきた文化や伝統。深く豊かな自然や温泉。そのもとで育まれた素晴らしい食。日本が世界に誇るべきものが多くある福井県を体感しに訪れてみてはいかがでしょう。

この記事を作った人

撮影/志賀 真人 取材・文/宿坊 アカリ

この記事に関連するエリア・タグ

編集部ピックアップ

週間ランキング(4/21~4/27)

エリアから探す