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更新日:2026.03.13旅グルメ 連載

京都「シックスセンシズ 京都」シーズナルダイニング【Sekki(節気)】 連載第85回

京都駅の喧騒から少し離れた東山エリアに一昨年オープンした「シックスセンシズ 京都」。ウェルネス、サステナビリティ、文化的体験の融合をコンセプトに掲げる世界的な自然派ラグジュアリーリゾートですが、ここ京都では、都市型のコンパクトなつくりのなかに、自然の要素と古の平安や東山文化へのオマージュともいえる意匠が散りばめられています。

京都シーズナルダイニングSekki(節気)

81室ある客室はタイプによって中庭か京都の街か、隣接する豊国神社の庭かが見えるようになっていて、さながら小さな森の中の家のような気分にもなれます。隣接する豊国神社につながるような構成もユニークで、そこには食卓に上る野菜を育てる菜園もありました。

鳥獣戯画のオブジェが掲げられたロビーでチェックインをすませると、あとはパブリックスペース以外では室内履きと部屋に用意されたガウンでゆったり自分の家のように過ごせます。長旅で疲れた旅行者にとってこれは実にありがたいですね。

    シックスセンシズ 京都の入り口

各部屋の入口には狐の面がかかっていて、これが自然と都会、あるいは古の都と京都の今とをつなぐ案内役のようなイメージを与えます。隣が神社というのも象徴的ですね。

ディナーまで時間があったので、SPAに行きました。プールや先端機器による回復トリートメントなどのサービスも充実しています。サウナで汗を流し、さっぱりしてから、アルケミーバーへ行きました。ここでは自然素材でケアアイテムを融合する体験ができ、今回は米麹と湯の花のバスソルトを作りました。

    シックスセンシズ京都の体験

「シックスセンシズ」では、このようなワークショップが充実していて、いろんな気づきを与えてくれます。ホテルの客層は米国人が最も多いらしく、次いで日本人ということでしたが、ワークショップに参加していたのは、ブラジル、イスラエルなどからの旅行者でした。みな日本の温泉に興味深々で、米麹や湯の花をつかったバスソルト調合体験は人気でした。

ディナーをいただくレストランはシーズナルダイニング【Sekki(節気)】で、カフェも併設しています。ここで夕食も朝食も取ることになります。二十四節気、季節ごとの野菜と自家製の調味料が料理のベースにあって、それに季節を代表する魚や肉がメインとして出されます。基本、京都を中心としたエリアの食材が中心で、野菜は大原と宇治と自家菜園、魚は宮津、肉は近江牛、丹波高原豚などといった具合です。

    シーズナルダイニングSekki(節気)

    シーズナルダイニングSekki(節気)

丹波ワイン「てぐみ」のスパークリングで喉を潤していると『季節野菜のフムスに野菜チップス』『パニプリにサツマイモチップス』などの前菜が出てきました。

    シーズナルダイニングSekki(節気)

そして京都っぽい『寒ブリのコンフィに九条ねぎ、祝蕾(子持ち高菜)』。

    シーズナルダイニングSekki(節気)

爽やかに味わっていると次は、『大原つくだ農園の人参と生姜のスープ』。あったかい人参と生姜の優しいスープですが、野菜の旨さがわかる一皿です。体がぽかぽかしてきます。「とにかくここの野菜を楽しんで欲しい」と黒岩猛シェフ。フレンチを学んだシェフゆえか各国から訪れる人たちにフレンチの技法も上手に使いながら、京都の季節の食材の魅力を伝えています。朝食のスロージュースに使った野菜を捨てることなく夕食のパンに練りこんだりして、フードロス削減の取り組みも意識的に行っているのだとか。

    シーズナルダイニングSekki(節気)

『鰆と帆立、サボイキャベツの蒸し焼き、八朔とせり』では独特の苦みが春を感じる一皿です。白ワイン(シチリアのピノグリ「Colpasso」)を合わせてもらいます。

    シーズナルダイニングSekki(節気)

メインのお肉は『近江牛フィレの炭火焼』にしてもらいました。近江牛は人気のメニューで、シンプルに焼き上げた柔らかなお肉には、赤ワイン(カリフォルニアのピノノワール「Hahn」を合わせてもらいました。

デザートは『サステナブルチョコレートのケーキ、バニラアイス、苺』。自家製のハーブティーをいただきました。

  • カクテルバーNineTails(ナインテイルズ)

  • カクテルバーNineTails(ナインテイルズ)

隣にカクテルバー【Nine Tails(ナインテイルズ)】があって、ここがなかなかユニーク。九尾の狐が千鳥足でたどり着いたらバーだったというストーリーになっていて、バーの入口に至る床には足跡がついています。それを辿るようにバーに入り、桜のカクテルをいただきました。京都ペッパースピリッツとサクラシロップとシャンパーニュで構成されたお洒落なカクテル。ここでも狐のアイコンが絶妙に配置されており、夜な夜な語り合うのには相応しい雰囲気を醸しています。

今回宿泊した部屋は1階でしたが、シンプルな美しさと機能性が素晴らしく、なんといっても世界のシックスセンシズ共通のオリジナルベッドの寝心地は相当なものです。オリジナルのパジャマがまた身体にやさしく、ぐっすりと眠ることができました。こういうところにもウェルネスへの配慮を感じます。

    シックスセンシズ京都

次の朝は、水とジュースをいただいてから近くを散歩しました。水は京都の軟水を濾過したホテルのオリジナル、フレッシュジュースも青汁や人参など、朝の体に優しいもの。ホテルの周辺は京都国博物館、三十三間堂、そして清水寺などにも近いですが、朝の時間はまだ観光客も少なくゆっくり散策できました。

  • シックスセンシズ京都

  • シックスセンシズ京都

朝食は評判のポーチドエッグをいただきました。下に敷かれた鱒も美味でしたが、やはり卵自体の旨さが際立っていました。ブュッフェ形式で好きなものをいただけます。朝焼いたパンも魅力的です。中庭を眺めながらコーヒーをいただきます。

このシーズナルダイニング【Sekki(節気)】もカクテルバー【Nine Tails(ナインテイルズ)】も宿泊客以外の利用が可能です。桜の季節には中庭の桜を眺めながら……といったこともできますね。観光地の喧騒を避け、静かに贅沢な時間を過ごすには穴場のひとつかと思います。

  • シックスセンシズ京都のウェルネス体験

  • シックスセンシズ京都のウェルネス体験

朝食後に、サウンドヒーリングを体験しました。シンギングボウル等を使い音の振動で体を整えるものですが、気の流れといったものに作用するのか、瞑想にも近い気持ちよさがありました。

のんびりと部屋着でくつろぎ、ウェルネス体験をし、食事で体を整える。こういった都市型の自然派リゾートはまだまだ増えていくのだと思います。旅に出てまで疲れたくはないですからね。

【シックスセンシズ 京都】
https://www.sixsenses.com/jp/kyoto/

この記事を作った人

小西克博/ヒトサラ編集顧問

北極から南極まで世界100カ国を旅してきた編集者、紀行作家。

大学卒業後に渡欧、北極から南極まで約100ヶ国を食べ歩く。共同通信社を経て、中央公論社で「GQ」創刊に参画。2誌の創刊編集長、IT企業顧問などを経て、現職。

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