<タイ・ローカルフード紀行 VOL.05> チキンほろほろ『カオマンガイ』
タイ屋台料理の定番『カオマンガイ』! 鶏肉の旨味をひと皿に閉じ込めたシンプルなメニューながら、その味わいはとっても深いんです。そしてこの料理、実は鶏肉そのものよりも、むしろごはんのほうにキモがあるようです。
ふっくらやわらかな鶏肉は、フォークを入れるとすっとほぐれていきます。あたたかな湯気をたてているうちに、ぱくりといただけば、口中に広がるほのかな甘みとジューシーさ。
これを、ごはんで追いかけます。ただのライスじゃないんです。鶏肉を煮込んだ、出汁たっぷりのスープで炊き込んだジャスミンライスは、食欲をそそる香りいっぱい、しっとりした食感がチキンを包み込んで溶けていきます。
今度は、鶏肉をつけだれにチョン。タオチアオ(タイ風の豆味噌)と唐辛子をベースにした甘辛いたれが、肉と米とに染みこんで、これまた後を引くんです。
つけあわせのキュウリを箸休めにぽりぽりやりながら、唐辛子を鶏肉に乗せたりと変化をつけつつ、いただきましょう。
『カオマンガイ』並盛り40バーツ(約130円)、大盛り50バーツ(約160円)。男性なら大盛りでちょうどいいくらい
『カオマンガイ』は、タイ料理の中でもとくに日本人に親しまれているメニューといえるかもしれません。カオ=ごはん、マン=油、ガイ=鶏。蒸し鶏のせごはん、なんて日本語には訳されていることが多いでしょうか。
おいしい店だと、鶏肉はガイバーンと呼ばれる、いわゆる地鶏を使っています。大地を走り回って育つため、ブロイラーよりずっと脂が乗っているんです。この鶏肉を茹でて、店頭に吊るしてあるのがカオマンガイ屋の目印。タイでは全土いたるところにあるし、ショッピングモール内のフードコートでも定番です。30~50バーツ(約100~160円)と、安くておいしいタイ国民食のひとつといえましょう。
その発祥は中国南部の海南島といわれます。この地にルーツを持つ華僑たちによって、シンガポールやマレーシア、そしてタイに伝わっていったのです。
鶏肉はフライドチキン(ガイトート)にもできる。これまたさっくりとおいしい!
鶏肉の産地や茹でかげん、そしてつけだれにニンニクやショウガを合わせたりシーユーダム(タイ風醤油)を混ぜたりと、店によって工夫はさまざまですが、実はこの料理、その本体は「ごはん」という説もあります。
鶏スープで炊いた米は、鶏の脂肪分をたっぷり含んでいることから「カオマン」と呼ばれます。鶏の脂で炒めたニンニクを加えていることもあります。そして使う米はホームマリ、日本でいうジャスミンライスがいちばんカオマンに合うとされています。香り高く、鶏の旨味を閉じ込めたこのカオマンを、いかにうまく炊くか。それが勝負どころなのです。『カオマンガイ』とはあくまで、鶏という脇役をおかずに、主役であるカオマンをもりもり食べる料理なのです。
【モンコン・ワッタナー】BTS(高架鉄道)サパーンクワイ駅2番出口から、徒歩2分ほど
で、そのカオマンで評判なのが、この【モンコン・ワッタナー】。バンコク北部の庶民的なエリア、サパーンクワイにあります。
次々と鶏をさばいていくオーナーのホフさん。叔父が創業者なんだとか
見た目はどうってことない食堂なんです。しかし、お昼どきになると近所のオフィスからサラリーマンやOLが大挙、一気に大混雑となります。創業45年というこの老舗の名物『カオマンガイ』は、もう歯ごたえが違う。弾力とジューシーさが違うんです。大盛り(ピセート)を頼むお客もたくさん。
午前中からすでに大混雑。行列ができることもあるくらいなのだ
ランチタイム後は鶏肉が売り切れていることが多いので、訪問は午前中をおすすめします。
【モンコン・ワッタナー】
電話:087-107-3426
住所:670/38 Samsennai,Payathai, Bangkok
営業時間:7:00~16:00
定休日:毎月最終木曜日、金曜日
この記事を作った人
取材・文/室橋裕和(フリーライター)
タイに10年在住し、現地日本語情報誌を中心に活動。帰国後は雑誌や書籍、ウェブなどの執筆・編集にあたり「アジアのいま」を発信している。タイ料理ではラープ・ペット(アヒル肉とハーブのサラダ)をカオニャオ(もち米)と一緒に食べるのが大好き。
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