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更新日:2017.08.17食トレンド 旅グルメ

ハワイで江戸前鮨を味わう悦びを知る【すし匠 WAIKIKI】

2016年9月、「ザ・リッツ・カールトン・ワイキキビーチ」にオープンした【すし匠 WAIKIKI】。これまで、四谷【すし匠】で数々の名声を得てきた中澤圭二氏がなぜハワイを目指したのでしょうか? 

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江戸前鮨の名職人・中澤氏のハワイでの新たなる挑戦

 マグロと光り物以外、使うのは地の魚だけ。日本のように環境が全く整っていないなかで、握ることがどれほどシビアなことかは、鮨を知るものなら想像に難くないでしょう。【すし匠 WAIKIKI】がオープンして間もなく1年。しかし、中澤氏はそんなこと以上に、今自分の置かれている状況を楽しんでいるようにも見えます。
 「当たり前ですが、鮮魚を扱わせたら日本以上の国はありません。こっちでやっていると、日本の環境はある意味過保護すぎたと感じる。すべてが整っていましたからね」

    塩をあて、軽く酢をしてからシンコ風に握ったスメルト。中澤氏曰く、「海水魚版のワカサギのような魚」

 さらに、ハワイで挑戦しようと思った理由を聞けば、中澤氏は「もう忘れちゃったよ」とおどけて見せます。
 日本の当たり前が通用しないハワイで握る鮨は、より職人としての仕事を求めらることを意味します。それが中澤氏の職人魂に火をつけたのでしょう。楽しんでいるように見えるのは、充足感の表れなのかもしれません。

    活けで仕入れるロサンゼル産のチェリーストーンクラムは、ツメを塗って。日本でいう大アサリ

地の魚をいかに美味しくするか。江戸前の仕事の新たな境地を見出す

 そんな中澤氏の想いが、食べ手にも伝わるから【すし匠 WAIKIKI】での食事は楽しいのです。例えば、江戸前鮨の花形でもあるコハダ。中澤氏は「コハダまでここで握ってしまったら、『もうどこで握ってもいいのでは?』ということになり兼ねない」とコハダだけは、ハワイでは握らないと決めています。その代わりに、ここでは地元スメルトという魚を代用。ワカサギにも似た魚に軽く塩をあて、酢で締め、2枚漬けにして供します。あるいは、モイというかつてハワイの王族しか口にできなかったという魚は「どうしても、美味しさをうまく引き出せなかった」と苦心の末に、発酵させた飯に漬け込み寝かせてから、赤シャリと合わせることにしました。

    オパというアカマンボウを酒粕と味噌をぬり焼き上げた。シトラスキャビアをのせさっぱりと

 そんな具合に握りのひとつひとつに、中澤氏の鮨に対する情熱が宿るのです。無論、それは【すし匠】の真骨頂でもあるつまみにおいても同様。ハワイで鮨を味わう喜び。それは【すし匠 WAIKIKI】でしか体験できないエンターテインメントといえるでしょう。

    サーモンとオパをタロイモの葉で巻き、蒸し上げた。アスパラのソース、土佐酢のジュレで

中澤 圭二 氏

安住の日本を離れ、53歳での新たなる挑戦

 1963年生まれ、東京都出身。15歳で料理の世界に入り、全国を転々としながら、割烹や寿司店、スナックとさまざまな飲食業を経験。1989年には若干26歳で【すし匠 さわ】を開店し独立、その4年後には四谷に【すし匠】をオープンした。暖簾分け、系列店は数知れず、これまで多くの握り手が中澤氏のもとを巣立っていった。

【すし匠 WAIKIKI】

☎+1 808 729 9717
The Ritz-Carlton Residences Waikiki Beach, 383 Kalaimoku St, Honolulu
営業:17:00~22:30(17:00~と20:00~の2回転)
休日:日曜

この記事を作った人

撮影/熊谷 晃 取材・文/吉田慎治

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