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更新日:2017.11.24食トレンド デート・会食 連載

森脇慶子の、今月の気になる「ヒトサラ」/『牛タンのディアブルスタイル』六本木【サヴール・コンプリス】

人気ライターの森脇慶子さんによる新連載がスタート。今しかない旬の美味、人気店の新メニュー、新店のスペシャリテ・・・・・・。森脇さんが実際に訪れて、味わって見つけた、“今月絶対に食べてほしい”一皿をご紹介します。今回は驚く食感の牛タンの料理が登場!

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今月のヒトサラは・・・・・・六本木 【サヴール・コンプリス】

驚きの食感にときめく「牛タンのディアブルスタイル」

ナイフを入れた瞬間、ふわりと抵抗なく肉に刃が入り、口にするや、どこか弾むが如く軽やかな歯応えに、思わず手が止まった。

“焼く”でもなく“煮込む”でもない。ましてや“揚げる”でもない……独特のテクスチャー。

それは想定外とも言える牛タンの食感だった。

皿上の佇まいから想像するに、おそらく牛タンは一度茹でてから、周りをカリッとソテーしたものに違いない、ならば、食感は繊維質が煮崩れるような柔らかさ、ややボソっとした舌触りーをイメージしていた私の思惑が、見事に(いい意味で)裏切られた。その逸品が、“牛タンのディアブルスタイル”だ。

今年の7月、六本木は飯倉にオープンしたモダンフレンチ「サヴール・コンプリス」の新作、11月のおすすめメニューである。

    入ってすぐに目に飛び込むオープンキッチン。シェフたちがキビキビと動く臨場感あふれる景色は一編の映画を見るようだ。

「牛タンは、コンソメに入れた状態で120度のオーブンに入れ、3時間半、じっくり蒸し煮にしてから、回りにマスタードを塗り、香草パン粉をつけて焼き上げています」こう語る山下浩幸シェフは、銀座「レカン」やマンダリンオリエンタルホテル東京「シグネチャー」で修業後、渡米。マンダリンオリエンタルワシントンD.C.のレストランでは、エリック・ジーボルトシェフに師事した経験を持つ。その成果を、今はここで存分に披露している。

    見よ!この肉厚な断面。上には数種のスパイスと柚子胡椒を合わせた“ディアブルソース”が添えられている。このアクセントがまた絶妙。

「(牛タンの)この煮込み方も、アメリカでは定番的な調理法」だそうだが、贅沢にもダブルコンソメを使うのは山下流。滋味豊かなコンソメをじんわり煮含めた牛タンの、そのプルっとした食感が、その身にコンソメの旨味やタン自体の肉汁をたっぷり含ませている証拠。

 そして、これにあわせたのは、フレンチの伝統的なディアブルソース。マスタードやカイエンヌペッパー等で作る辛味のきいたソースで、牛タンのボディのある味を引き締めている。 また、カラフルな 付け合わせは、パスタに見立てた3色の人参。下にはベーコン、玉ねぎと共に生ハムのジューでブレゼした黒キャべつを敷き、まろやかな甘みのあるキャベツのクリームソースを添えている。

このソースと肉厚の牛タンもまた、絶妙なバランスの一品だ。

山下浩幸シェフよりひと言

「今月から始めたこの料理は、オーブンを使って煮込むというアメリカンのテクニックとフランス料理の伝統的スタイルを融合させた一皿です。ご注文される場合は、予約時にお電話で事前にお知らせくださいませ。」

    シックな店内。レザーのナプキンリングなど、細部にもその美意識が見て取れる。大人のデートにもぴったりの雰囲気。

【サヴール・コンプリス】

住所:港区南麻布3-4-11麻布エスビル1F
☎03-5545-5857
営業 17時30分〜21時(L.O.)
日曜定休
要予約
コース:14,000円~(牛タンの料理をご希望の際はお電話を)

撮影/佐藤顕子

この記事を作った人

  • 森脇慶子
    「dancyu」や女性誌などで活躍するフードライター。綿密な取材と豊富な経験に基づく記事は、読者のみならずシェフたちからも絶大な信頼を得ている。日々おいしいものを探求すべく新旧問わず様々な店を訪問。12月には選者を務める「東京最高のレストラン」(ぴあ)が発売予定。

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