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更新日:2018.03.02食トレンド

深夜のカウンター飯は蜜の味 | 四谷荒木町で石臼挽き蕎麦を【蕎麦割烹 松庵】

自家製石臼蕎麦を食べられる、【蕎麦割烹 松庵】。料理長の松丸さんはフレンチの料理人として料理の世界に入った後に和食の道に転向。旬の食材を取り入れた料理には、フレンチに通じる彩りの美しさがある。また、締めの蕎麦を目当てに来店する常連客も多く、蕎麦好きが密かに通う荒木町の隠れた名店だ。

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 四谷三丁目、車力門通り。江戸の気風が伝わるような趣のある名の通りから脇に折れた路地に、【蕎麦割烹 松庵】がある。旨い料理と手打ち蕎麦が食べられる店として、和食好きたちの心をとらえている。

 引き戸を開けて入ると、左手にカウンターが伸びる店内は、こざっぱりとした雰囲気。奥に置いてある石臼が目に入り、締めの蕎麦はきっと旨い!と、早くも確信する。

 品書きには、おまかせコース、おまかせ蕎麦前料理、といったコース料理の他に、アラカルトのおつまみ、そして、蕎麦メニューが綴られている。蕎麦割烹の名のとおり、旬の食材を取り入れた料理の数々をいただき、蕎麦で締める「おまかせコース」をオーダーするのが基本だが、23時以降は、蕎麦単品のオーダーにも応えてくれる。

    客が好んで座るカウンターは6席。カウンターの向こう、至近距離で調理をするため、出汁やタレなど、和食ならではの香りが漂い食欲をそそる。カウンター席のほか、4人席のテーブルが2つある

 しかし、遅い時間になっても、おまかせコースを選び、しっかりと料理を楽しむ客が多いという。料理長が端正込めてつくる料理の質の高さがそうさせるのだろう。

 料理長の松丸勝範さんは、フレンチのシェフとして料理の世界に入った後、和食へと転向。いつか自分の店を持とうと、和食の料理人としての腕を磨いてきた。先付けに始まる「おまかせコース」で出される一皿一皿の彩りの美しさには、フレンチとも通底する美的な感性がうかがわれる。

 23時からのひとりカウンター飯なら、その日のおまかせコースからの料理を何品か選び、アラカルトとしてオーダーするのもオススメ。カウンター越しに料理長が語ってくれる食材や調理のうんちくに聞き入りながら、季節の日本酒をかたむけるのが楽しい。

    会席料理の椀物は、料理人の才覚をあらわすものとも言われる。鱧やハマグリの椀物が定番だが、今夜は贅沢な、ワタリガニの吉野葛寄せ。露を打った椀は、料理長が大切にする輪島塗の年代もの

    出汁につけた鴨のロースト、なすの揚げ浸し、ズッキーニの焼き浸しなど、食材ひとつひとつの調理に手間をかけた、冷やし煮物。温泉たまごのとろりとした黄身をからめていただくとさらに満足感が増す。この時期、合わせる酒は、きりりとした冷酒がおすすめ。日本酒は一合 960円(税抜)

 締めにいただく蕎麦は、自家製粉。店の奥に蕎麦打ち部屋があり、その日に出す蕎麦はその日に打つ。だから、閉店時間は27時としているが、蕎麦が無くなったら早めに店じまいなんてこともあるから、心しておこう。

    松庵の楽しみは、やはり、締めの蕎麦。蕎麦の産地や品種、挽き方は日によって変えるという。今夜は、夏に美味しい新蕎麦、『常陸春蕎麦』。単品の蕎麦は、せいろ900円、湯葉蕎麦1,300円、鴨南蛮1,800円(いずれも税抜)など、冷たい蕎麦、暖かい蕎麦、あわせて10品がメニューにある

 新宿通りから車力門通りに入り、右手2本目の路地を曲がったところに佇む松庵。初めてだと見逃してしまいそうだが、香り高い蕎麦に惹かれて、カウンター飯のお気に入りの店のリストに加えたくなる一軒だ。

【蕎麦割烹 松庵(しょうあん)】

電話:03-3356-6626
住所:東京都新宿区荒木町3 北島ビル101
アクセス:丸ノ内線・四谷三丁目4番出口から徒歩約3分
営業時間:18:00~翌3:00(L.O.翌1:00)
定休日:日曜日
※閉店、ラストオーダーとも、蕎麦がなくなったら早まる可能性があります。

この記事を作った人

取材・文/堀 けいこ
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌等の記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集をサポート。近年レストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事など、ジャンルを問わないマルチライター。

記事元:MEN'S Precious

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