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ダースレイダーの「カレー」ビガッ! 第4回 ~カレー色彩論~

ラッパーであり、ファンクバンド「THE BASSONS(ベーソンズ)」のボーカルとしても活躍するダースレイダーさん。大のカレー好きである彼が、様々な角度からカレーの魅力を追求する連載。第4回目は、“カレーとは何か?”をその色から考察する「カレー色彩論」です!

ダースレイダーの「カレー」ビガッ! 第4回 ~カレー色彩論~

ダースレイダー

  • ヒップホップ界随一のカレー好きラッパー。多い時は年間250皿ほどのカレーを食べていたこともある。2010年、脳梗塞で倒れ左目を失明。以来、医者の指示による食事制限のため以前程の量は食べていないが、それでも変わらぬカレー愛で、その魅力を探求し続けている。

 どうも、ダースレイダーまたの名を片目のダースの叔父貴です。

カレーとは何ぞや? 前回は辛さを基準にカレーを考察した結果、その上限は天井知らず、下限も限りなくゼロに近づいてもカレーであることが証明されました。

今回はもう視覚から攻めます。
やっぱ大事なのは見た目でしょ? なんだって外見から入るんですよ、人間は。いやいや、人は中身だ! という向きにはね、本当に見た目は気にしないのか! と。

なので今回はカレーの見た目の中でも第一印象、一目ぼれポイントでもある「色」について考えてみたいと思います。食べ物の視覚は味にも多大な影響を与えます。味覚が発動する前に脳が味わっているのです。無粋な説明なんて「茶」番をせずとも、「赤」ら顔の「青」二才にも分かる理屈ですね。

ダースレイダーが考察する
「カレー色彩論」

 カレーとは何ぞや? を問うためには、「何色だったらカレーと視認できるのか?」というテーマを設けたいと思います。簡単に言えば「カレーって何色?」です。

普通に思い浮かべると黄色から茶色へのグラデーション、その辺りがカレー色と言えるでしょう。ゴレンジャーでキレンジャーがカレー好きで文句を言う人はいません。いや、本当はアオレンジャーとかも好きなはずなんですが、身にまとった色によるカレーマウンティング成功というか、カレハラというか……いやいや、カレーで争うのは良くない。五人で食べに行け!

カレーの定番カラー
【カレーハウス11イマサ】/新宿

 市販されているカレー粉は黄色です。そしてカレー作りではたまねぎをとにかく炒めるのが推奨されます。飴色になったらオッケーと言われていて、これとカレー粉を混ぜた塩梅が、いわゆる基本の「カレー色」になります。

これを日本人に広く認識させたのはレトルトの老舗、「ボンカレー」だと思いますが、この色合いをお店で味わいたいならば新宿の【カレーハウス11イマサ】がバッチリでしょう。

    色も見た目も“王道”の【カレーハウス11イマサ】の『ポークカレー』420円(税込)。まずは甘い口当たり、その後すぐに効いてくるスパイスにスプーンがすすむ

    色も見た目も“王道”の【カレーハウス11イマサ】の『ポークカレー』420円(税込)。まずは甘い口当たり、その後すぐに効いてくるスパイスにスプーンがすすむ

ここの『ポークカレー』の色を一目見れば全国津々浦々、そこにカレーがあることに疑問を呈する人はいないでしょう。高校の頃から新宿を通る度に食べてましたから断言出来ます! 日常の風景に完全にフィットしたヴィジュアルと繰り返しに耐える普遍的な味わい。いわゆる「カレー」の色を見たかったらここだ!
ちなみにメニューが豊富なので色違いもたくさん味わえますよ。

透明なスープのカレー
【SHANTi】/原宿

 前回の連載でもお世話になったスープカレーの辛さ0メニューを見れば……ほぼ透明なスープに出会えます。【SHANTi】のサイゴンスープは具材が色彩豊かですが、スープ自体はほぼ透明。スパイスがしっかり浸み込んでいますが色はかなり澄んでいます。そして、間違いなくカレーです。

    1~100ボーガまで辛さを選べる、野菜がたっぷり入った『チキンサイゴン』1,285円(税込)。0ボーガのスープは透き通っている

    1~100ボーガまで辛さを選べる、野菜がたっぷり入った『チキンサイゴン』1,285円(税込)。0ボーガのスープは透き通っている

スープカレーはスパイスに応じての色の変化が分かりやすいので、これだけでも色のバリエーションは存分に味わえます。
色眼鏡で見ないことが大切ですね!

クリーム色のカレー
【クマリ】/阿佐ヶ谷

 スープカレーから離れてもカレーは色彩豊かです。阿佐ヶ谷の【クマリ】の『バターカバブ』は見事なクリーム色のカレーです。

    生クリームベースの『バターカバブ(ナン or ライス付き)』1,380円(税抜)は、まるでシチューのように濃厚でなめらか。もっちり甘い『ナン』との相性も抜群だ

    生クリームベースの『バターカバブ(ナン or ライス付き)』1,380円(税抜)は、まるでシチューのように濃厚でなめらか。もっちり甘い『ナン』との相性も抜群だ

炭火窯で焼いたマトンの肉もとにかく美味しい。このポジションはシチューだけじゃないぞ! と言いたいですが、カレー好きはいちいち青筋は立てません。

さらに白さを推し進めた北海道発祥のホワイトカレーは日ハムファイターズのスタジアムでも売っているし、なんと【吉野家】も新メニューとして発表しました。白状するとホワイトカレーの元祖には諸説ありますが、いちいち白黒つけるだけが正解ではないと思います。

緑色のカレー
【スパイス マジック】/上町

 現代人の疲れ目には緑のものを見るのがいいです。もちろんカレーなら優しくそこもフォロー。世田谷の上町の【スパイス マジック】で一番の推しメニューは『サグチキンカレー』。

    チキンとホウレン草の旨味、トマトの酸味、生クリームソースのまろやかさが調和した『サグチキンカレー』昼・テイクアウト:780円/夜:980円、『プレーンナン』昼・テイクアウト:250円/夜:300円(すべて税込)

    チキンとホウレン草の旨味、トマトの酸味、生クリームソースのまろやかさが調和した『サグチキンカレー』昼・テイクアウト:780円/夜:980円、『プレーンナン』昼・テイクアウト:250円/夜:300円(すべて税込)

サグとはほうれん草で、これはポパイもびっくりの力強くスパイシーな逸品。さらにヒップホップ業界でワルを THUG(サグ)と言うので、ちょっと強がりたいヒップホッパーにも人気があるとか。

赤いカレー
【草枕】/新宿御苑前

 新宿の【草枕】に行って、チキンカレーにトマトを投入してください。どんなクールビューティーも頬を真っ赤に染めるだろう赤いカレーを堪能できます。

    あっさりしつつも舌に絡みつくスパイスがやみつきになる『トマトチキン』880円(税込)。チキンの旨味とトマトの甘酸っぱさがアクセント

    あっさりしつつも舌に絡みつくスパイスがやみつきになる『トマトチキン』880円(税込)。チキンの旨味とトマトの甘酸っぱさがアクセント

現代人は感情表現が下手だなんて真っ赤な嘘だと分かる、誰でも心が真っ赤に燃えた太陽の如く熱くなる都内屈指のチキンカレーです。

黒いカレー
【デリー】/上野

 そして色の極北、黒。上野・湯島の【デリー】で『カシミールカレー』を頼んでください。味覚のブラックホールに吸い込まれる体験ができます。

    食べ進めるとスパイスがジワジワと効いてきて、奥深い香りが後を引く『カシミールカレー』1,000円(税込)。刺激的でクセになる味わい

    食べ進めるとスパイスがジワジワと効いてきて、奥深い香りが後を引く『カシミールカレー』1,000円(税込)。刺激的でクセになる味わい

辛さを入り口にあらゆる味わいが身体を突き抜けます。美味しいものを食べるのが犯罪とされる世の中が来たら、ここの客は全員クロです。

無色無形の
「気体カレー」

 これで終わりではありません。以前、気体もまたカレーであると、この連載で解明しました。

そう、隣の家で作っているカレーの匂いだけでも十分にカレーなのです。このカレー、何色ですか? そう、無色透明です。無形で無色でもカレー足り得ることは留意して欲しいと思います。

~ダースレイダー的カレー論「総まとめ」~

 カレーとはなんなのか? この連載では三回に渡り「物質論」、「味覚論」、「色彩論」と多角的で非の打ちどころのない検証を重ねてきました。
カレーは固体であり、液体であり、気体でもある。全く辛くなくても、烈火のごとく激辛であってもカレーである。無色透明であっても、漆黒の闇のような黒さであってもカレーである。

360度見回してみてください。この連載を読んだ皆さんは全員同じことを思うはずです。全物質、全ての味、全ての色、どう考えても……世の中の全てはカレーですよね! 既にカレーか、あるいはカレー化する可能性を秘めている。
惜しくも世を去ってしまったホーキング博士が辿り着きたかったであろう結論を博士の代わりに述べましょう。

「カレーは宇宙であり、宇宙はカレーである」

と、いうことは……。皆さんはもうお気づきでしょうか?
これを読んでいるあなたは既にカレーの中にいる。いや、あなたこそがカレーなんです! この連載はずーーっとあなたのことを話していたのです!
だから! 今後は我がこととして改めて熟読していただきたい!
(イロンがあっても受け付けませんが、この連載、所詮はイロモノなのでご容赦くださいませ……。)

今回紹介したお店

【カレーハウス11イマサ】

  • 電話:03-3348-3011
    住所:東京都新宿区西新宿1 新宿南口地下街1号京王モール B1F
    アクセス:京王線「新宿」駅中央口改札から徒歩1分
    営業時間:[月~金]7:00~23:00、[土]7:00~22:30、[日・祝]7:00~22:00
    定休日:無休

【シャンティ 原宿店(SHANTi)】

  • 電話:03-5772-6424
    住所:東京都渋谷区神宮前3-26-11 ホノラリー原宿ビル 2F
    アクセス:東京メトロ「明治神宮前」駅から徒歩6分、JR「原宿」駅から徒歩9分
    営業時間:11:30~23:30(L.O.)※スープなくなり次第終了
    定休日:無休

【クマリ 阿佐ヶ谷】

  • 電話:03-3315-7966
    住所:東京都杉並区阿佐谷南2-18-8 ザ・シティ阿佐ヶ谷 1F
    アクセス:JR「阿佐ケ谷」駅南口から徒歩4分
    営業時間:
    [月~日]11:00~15:00(L.O.14:50)、17:00~23:00(L.O.22:30)
    定休日:店舗にご確認下さい。

【スパイス マジック 上町】

  • 電話:03-5426-6955
    住所:東京都世田谷区桜3-25-3
    アクセス:東急世田谷線「上町」駅から徒歩10分
    営業時間:11:00~14:30、17:00~22:30(L.O.)
    定休日:無し

【curry 草枕】

  • 電話:03-5379-0790
    住所:東京都新宿区新宿2-4-9 中江ビル2F
    アクセス:地下鉄各線「新宿三丁目」駅から徒歩3分、丸ノ内線「新宿御苑前」駅から徒歩5分
    営業時間:11:30~15:00(L.O.14:40)、18:00~21:00(L.O.20:40)
    定休日:無休(年末年始等除く)

【デリー 上野店】

  • 電話:03-3831-7311
    住所:東京都文京区湯島3-42-2
    アクセス:銀座線「上野広小路」駅から徒歩2分、千代田線「湯島駅」から徒歩4分、JR「御徒町」駅から徒歩7分
    営業時間:11:50~21:30(L.O.)
    定休日:無休

『ダースレイダーの「カレー」ビガッ!』
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活動情報 LIVE情報
  • 「片目と語れ 411スペシャル」
    とーく! ライブ! お題MCバトル!
    出演:K DUB SHINE/ダースレイダー/グレート義太夫/姫乃たま
    演奏:ベーソンズ
    Team411/TKda黒ぶち/RHIME手裏剣/McKj/NillNico/Mayu/秋葉原サイファー/マッハスピード豪速球/シェパード太郎/and more!
    2018年4月11日(水)@秋葉原CLUB GOODMAN
    OPEN/START 19:00
    ADV 2,000円/DOOR 2,500円/+1ドリンク

この記事を作った人

文/ダースレイダー

ヒップホップ界随一のカレー好きラッパー。多い時は年間250皿ほどのカレーを食べていたこともある。2010年、脳梗塞で倒れ左目を失明。以来、医者の指示による食事制限のため以前程の量は食べていないが、それでも変わらぬカレー愛で、その魅力を探求し続けている。

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