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ダースレイダーの「カレー」ビガッ! 第3回 ~カレー味覚論~

ラッパーであり、ファンクバンド「THE BASSONS(ベーソンズ)」のボーカルとしても活躍するダースレイダーさん。大のカレー好きである彼が、様々な角度からカレーの魅力を追求する連載。第3回目は、“カレーとは何か?”をその辛さから考察する「カレー味覚論」です!

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ダースレイダー

  • ヒップホップ界随一のカレー好きラッパー。多い時は年間250皿ほどのカレーを食べていたこともある。2010年、脳梗塞で倒れ左目を失明。以来、医者の指示による食事制限のため以前程の量は食べていないが、それでも変わらぬカレー愛で、その魅力を探求し続けている。

 どうも、ダースレイダーまたの名を片目のダースの叔父貴です。カレーとは一体何なのか? 前回の考察では物質の三態、つまり固体、液体、気体について検証した結果……どんな状態のカレーも存在する!という驚くべき結論が出ました。

今後、研究が進みカレー分子なるものが発見されるのではないか? 小保方さんもカレー分子の発見なら割烹着を着ていても非難されることは無かっただろうに。
カレーの科学的研究の可能性は専門家に任せるとしますが、僕はカレー体験から考察する「カレーとは?」の定義を追求したいと思います。なんて偉そうに言ってますが食べるだけです。カレーは食べるに尽きる!

どんな形態でもカレーである、と外形的な定義も定まったので今度は中身に踏み込んでいこうと思う。カレーの鍋にずぶずぶと脚を入れるイメージでお願いします。カレーの中身と言ってもいろいろあるんですが、最初の照準を「辛さ」に合わせてみようと思います。

ダースレイダーが考える、カレー「辛さ」論

辛さの“極限”はどこまでか?

 カレー、英語表記では「CURRY」。これは発音上でも「カリ」になるはずなんですが……カフィをコーヒーとし、ビアをビールに変換した日本独特の言語感覚が功を奏し、「カリ」でなく「カレー」になったからこそ日本で発展したのです。名は体を表すと言いますが、そのものずばり「辛れー!」。考えてみれば、カレーとはインド由来の香辛料を使った料理。香って辛い料理なわけです。日本語、すごい!とCOOLならぬHOTなジャパンを発見です。ではどれくらい辛ければカレーになるのでしょうか。

【ぐずぐず】/明大前

 辛すぎてこれはカレーではない!という論法は存在しません。カレーの辛さは天井知らず。辛さの頂きを目指すカレー職人は後を絶ちません。例えば明大前にある【ぐずぐず】の店主は「味はどうでもよい。とにかく辛いカレーが作りたい」と表明しています。

    3週間かけてじっくり煮込んだ『ポークカレー』820円。クセになる辛さと、長時間の熟成から生まれる独特の酸味が、肉の旨味を引き立てる

ここで提供されるカレーは黒茶色でかなり粘着力があります。ご飯にピタッと張り付くカレーを一口食べると速攻性のある辛さが口の中を一気に支配します! 辛い!! でもちゃんと美味しいんです。ヒーヒー言いながら気づけば皿が空になっていることでしょう。

    店内には所狭しと、本や漫画、アンティーク雑貨などが並べられている

ちなみにこのお店、「当店はスローフードです」と宣言しているのですが、これは「準備して作って出すのがゆっくりである」という独自解釈のスローフードなので、店内にある漫画でも読んでゆっくり待ちましょう。

【マジックスパイス】/下北沢

 辛いカレーを食べ始めたら一気にスピードアップします! スープカレーの店は辛さが選べる所が多いのですが、【マジックスパイス】ではメニューの辛さのてっぺんに『虚空』という段階が設定されています。こちらはタイの唐辛子「ピッキーヌ」25本相当の辛さ。

    辛さを7段階から選べるので、辛いのが得意な人から苦手な人まで、一緒にカレーを楽しめる

そしてなんと、メニュー表には載っていませんが、この更に上に「ピッキーヌ」200本相当の辛さを誇る『虚空200』というメニューが存在し、そのまた更に上に『アクエリアス』があります。

    『アクエリアス/チキン』1,660円(税込)。生半可な覚悟では食べることができないほど激辛だが、その分、野菜と肉の甘味が舌に絡みつき、後を引く旨さが味わえる

そのメニュー名からは清涼ドリンクのような爽やかさが漂いますが、とんでもない! 最早スープの定義を飛び越えた、魔法で言えばイオナズンレベルに“マジカル”なスパイス料理が出てきます。アクエリアスは『虚空』を食べることが出来た客のみがオーダーできる究極のスパイス体験です。

【エチオピア】/神保町

 これまた名店の【エチオピア】でも辛さが選べるのですが、その最上級は『70倍』です。ここのカレーはボリュームもあり、食べ応え充分な肉や野菜もたっぷり楽しめるのですが、『70倍』だとカレーの上にキリマンジャロの万年雪よろしくスパイスが乗っかります。

    ジワジワと汗をかきながら辛いものが食べたい、という人にぴったりの『70倍 ビーフ+野菜カリー』1,260円(税込)。野菜も肉もたっぷりと食べられるのも魅力

達成感もまた山登りの如し。街中で登山気分を味わいたい方はエチオピアの『70倍』を登頂するのがオススメです! 神保町でOLさんがペロリと平らげていたのを見て尊敬したのを覚えています。

    すべて食べ切った者のみ拝むことができる、皿の中央の【エチオピア】の文字

そしてなんと恐ろしいことに、希望者にはメニューに載っていない『100倍』も提供しているのだとか……。ちなみに僕の好みは辛さ『12倍』です。高尾山くらいの気分で登れますよ!

【大沢食堂】(閉店)/千石

 ひとつ、残念なのは【大沢食堂】の閉店です。ここの『極辛』は掟ポルシェさんが『キョクシン』という読み方を提示した如く、脳天に正拳突きを喰らわす辛さでした。色も真っ赤でまさにデンジャー。名残惜しい。

辛さの“底辺”はどこまでか?

 ではカレーの辛さの最低レベルはどこなのか。辛くなかったらカレーじゃないでしょ? という向きもありますが実は違います。

【マジックスパイス】/下北沢

 先ほど紹介した【マジックスパイス】の一番辛くない段階『覚醒』は、唐辛子系のスパイスがほとんど投入されていないスープです。

    真紅の『アクエリアス』と打って変わり、半透明なスープの『覚醒/チキン』1,170円(税込)。辛いのが苦手な人でもペロリと食べることができる

【SHANTi】/原宿

 同じくスープカレーの有名店【SHANTi】の1ボーガ(=同店の辛さの単位)もほぼ辛さは感じないスープと言えます。でもしっかりカレーだし、しっかり美味しい! 最近は医師の指示で炭水化物NGになってしまった僕は、ボーガ2か3のスープカレー且つご飯抜きで、カレー体験を楽しんでいます。辛くなくともちゃんと“カレー”を感じることができますよ!

    1~100ボーガまで選べる(メニュー表に載っているのは40ボーガまで)。『チキンと野菜のスープカリー』1,285円(税込)は、1ボーガだと辛さはほとんどないが、それでもしっかりと「カレー味」を感じることができる

 まだまだ辛くないカレーはあります。インドの王侯貴族が楽しんだカレーという料理。王の系譜を継ぐのが王子。そう、ご存じ【カレーの王子さま】を食べてみてください。

    1歳児から食べられる【カレーの王子さま】。レトルトのほかにも、ルウタイプや、ツナと野菜味の【カレーのお姫さま】もある

これは子供にもカレー体験を!という意味合いで開発された素晴らしい商品ですが、全く辛くありません! でも、間違いなくカレーです。王子の気品を損ねることなく、子供にも優しく手を差し伸べる。そんな“尊厳カレー”です。ああ、カレーって優しいな~。
【CoCo壱】やファミリーレストランでもキッズカレーは定番メニューですが、これも全く辛くないです。でもカレー。どこをどう切ってもカレーです。

つまり、カレーは「極辛」でも、「無辛」でも存在し得るのです。

~まとめ~

 辛さを基準にカレーを考えた結果、その上限は天井知らず、下限も限りなくゼロに近づいてもカレーであることが証明された。つまり、カレーはあらゆる辛さであり得る! カレー無敵! 外形的にも辛さ的にも何でもカレー! ということは?

……とゴールの匂いが隣の家で用意してるカレーの如く香ってきましたが、それは今後のカレー探求で明らかにしていきたいと思います!

今回紹介したお店

【はんばあぐはうす ぐずぐず】

  • 電話:03-3325-6228
    住所:東京都杉並区永福1-1-1 シャトレ明大前 101
    アクセス:京王線・井の頭線「明大前」駅から徒歩4分
    営業時間:[平日]11:00~22:00、[土・日・祝]12:00~21:00
    ※時間は日によって変動あり
    定休日:不定

【マジックスパイス 東京下北沢店】

  • 電話:03-5454-8801
    住所:東京都世田谷区北沢1-40-15 北沢ゴルフマンション 1F
    アクセス:小田急線「下北沢」駅から徒歩6分
    営業時間:[平日]11:30~15:00、17:30~22:30(L.O.)、[土・日・祝]11:30~22:30(L.O.)
    定休日:火曜・水曜

【カリーライス専門店エチオピア 本店】

  • 電話:03-3295-4310
    住所:東京都千代田区神田小川町3-10-6
    アクセス:各線「神保町」駅から徒歩6分、千代田線「小川町」駅から徒歩7分、JR「御茶ノ水」駅から徒歩7分
    営業時間:[月~土]11:00~22:30(L.O.22:00)、[日・祝]11:00~21:00(L.O.20:30)
    定休日:無休

【シャンティ 原宿店(SHANTi)】

  • 電話:03-5772-6424
    住所:東京都渋谷区神宮前3-26-11 ホノラリー原宿ビル 2F
    アクセス:東京メトロ「明治神宮前」駅から徒歩6分、JR「原宿」駅から徒歩9分
    営業時間:11:30~23:30(L.O.)※スープなくなり次第終了
    定休日:無休

『ダースレイダーの「カレー」ビガッ!』
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「ベーソンズpresents カッコイイ音楽が聴ける日」

  • 出演:ベーソンズ/向井秀徳アコースティック&エレクトリック
    2018年3月13日(金)@新代田FEVER
    OPEN 19:00/START 19:30
    ADV 3,000円/DOOR 3,500円

ドラム×ベース×ボーカル×ダブ=ベーソンズ!
ベーソンズの真骨頂はライブ。新作はライブ録音と宣言した彼らの“ライブレコーディングパーティー”が「カッコイイ音楽が聴ける日」だ!
2018年一発目は向井秀徳アコースティック&エレクトリックとの2マン!
享楽と緊張が織りなす空間……
そこで響くのはカッコイイ音楽だけだ!

LAWSON、ぴあ、e+にてチケット発売中
L:71081 / P:105-593

この記事を作った人

文/ダースレイダー

ヒップホップ界随一のカレー好きラッパー。多い時は年間250皿ほどのカレーを食べていたこともある。2010年、脳梗塞で倒れ左目を失明。以来、医者の指示による食事制限のため以前程の量は食べていないが、それでも変わらぬカレー愛で、その魅力を探求し続けている。

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