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更新日:2018.09.26食トレンド グルメラボ

劇中料理のレシピも紹介! 映画『食べる女』公開記念イベント「おいしいレシピとおいしいトーク」 

小泉今日子さん、鈴木京香さん、沢尻エリカさんら、日本を代表する豪華女優陣の競演が話題の映画『食べる女』。作家・筒井ともみ著『食べる女 決定版』(新潮文庫)の短編集を、筒井さん自身が脚本化、さらに映画に出てくる料理のレシピも考案しています。そんな筒井さんのトークショーと、劇中料理が実食できるイベントが9月20日、二子玉川蔦屋にて開催されました。

劇中料理のレシピも紹介! 映画『食べる女』公開記念イベント「おいしいレシピとおいしいトーク」 

構想10年、豪華女優陣の競演が話題の映画『食べる女』

 現在公開中の映画『食べる女』は、「おいしいごはん」と「いとしいセックス」がテーマ。年齢も、職業も、恋愛や人生における価値観も異なる8人の女性が心に孤独を抱えながらも、都会の中でもがき、「自分にとっての本当の幸せとは何なのか」を模索する群像劇。

    小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香ら豪華女優陣が競演したことでも話題 (C)2018「食べる女」倶楽部

    小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香ら豪華女優陣が競演したことでも話題 (C)2018「食べる女」倶楽部

そんな『食べる女』は、原作者である筒井ともみさんが自ら脚本やプロデュースも務め、構想から10年、すべてに妥協なく大切につくり上げた作品です。筒井さん自身、食べることもつくることも好きで、映画に登場する料理は筒井さんが考案したものばかり。トークショーでは、そんな劇中料理のレシピと映画の裏ばなしが語られました。

企画からプロデュースまですべてを手掛けたから語れる、映画“裏ばなし”

    原作を書き上げていた10年以上前から、「主演は”絶対に小泉今日子”がいいと思っていた」と語る筒井さん

    原作を書き上げていた10年以上前から、「主演は”絶対に小泉今日子”がいいと思っていた」と語る筒井さん

なぜ、“食”と“性”をテーマで作品を書こうと思ったのか?

筒井:「最初、出版社からお話をいただいた時は、高級レストランで展開するラブアフェアなストーリーをお願いされたんです。だけど私はそういったものが好きじゃなくて。実直な食べ物と、普通に、だけどチャーミングに生きている女性たちの物語を描くことにしました。そして、私は食もセックスもどちらも大事で同じフィールドのものだと思っているので、”食”と”セックス”をテーマにした作品をつくり上げました」

    脚本を書き上げてから映画化に至るまでの2年間、筒井さんは小泉さんにラブコールを送り続けたそう (C)2018「食べる女」倶楽部

    脚本を書き上げてから映画化に至るまでの2年間、筒井さんは小泉さんにラブコールを送り続けたそう (C)2018「食べる女」倶楽部

筒井:「小泉さんとは『センセイの鞄』という作品で初めて出会ったのですが、とてもきっぱりした方だし、小泉さん自身がとても”おいしそうな方”だなと思ったんです。それに私の描きたい世界にピッタリだと思っていたので、主演は絶対に小泉さんがいいなと思っていました」

    東京の古びた日本家屋の一軒家、通称"モチの家"に集う女たち (C)2018「食べる女」倶楽部

    東京の古びた日本家屋の一軒家、通称"モチの家"に集う女たち (C)2018「食べる女」倶楽部

 また本作は小泉さん以外にも、鈴木京香さん、沢尻エリカさん、前田敦子さんなど、豪華女優陣の共演が大きな話題となっていますが、キャスティングはすんなりと決まったといいます。女優陣が勢揃いする食事会のシーンの雰囲気を聞かれると――

筒井:「全員がくいしんぼうで大食いなんですよ。そこもよかったかなと思います。その場で私が実際に料理をつくることはありませんでしたが、温かいものは食べる人のことを考えてベストなタイミングで出すようにしていました。だから、女優陣のみなさんもカットがかかっても食べ続けていて(笑)。みなさん残すことなく、きれいに食べてくださったんですよ」

    インタビューで、「“菜の花の昆布〆を手づかみで食べて!”には、さすがに驚きました(笑)」と語っていた鈴木京香さん (C)2018「食べる女」倶楽部

    インタビューで、「“菜の花の昆布〆を手づかみで食べて!”には、さすがに驚きました(笑)」と語っていた鈴木京香さん (C)2018「食べる女」倶楽部

筒井:「私は普段から料理と自分の間に極力、距離をつくりたくなくて、手で食べられるものは手で食べるんです。そして、撮影現場でもみなさんに”手で食べて!”と言っていました。その演技もとてもよくて、みなさんまさに”おいしい女”でしたね」

原作者自身が再現した、劇中料理のレシピを紹介

    その日集まった参加者に料理のコツを披露する筒井さん。こだわりだという、大皿に盛られた料理が並びます

    その日集まった参加者に料理のコツを披露する筒井さん。こだわりだという、大皿に盛られた料理が並びます

 料理の話が盛り上がる中、実際に筒井さんがこの日のためにつくった料理が参加者の前に運ばれました。用意された料理は、実際に映画にも登場し、キャストも食した『手羽先の岩塩焼き』、『牛ひきと春雨の煮込み』、『だだちゃ豆ごはん』の3品。その中から2品厳選し、つくり方をご紹介します。

レシピその1
『手羽先のこんがり岩塩焼き』

小泉さん演じる敦子(トン子)が営む古書店で、客とともに焼きたての『手羽先』を味わう印象的なシーン。劇中の敦子のように、「おいしくな~れ~」と心を込めてつくります。しっかりと焼き目をつけた手羽先の皮はパリっと芳ばしく、中からは肉汁がじゅわっと溢れ出します。塩気も自然で肉本来の旨味を堪能できる、クセになる逸品です。

  • 材料(2人分)
    ・手羽先 6本
    ・黒コショウ 少々
    ・岩塩(海の塩でもいい) 大さじ1弱
    ・塩(別途) 少々

つくり方

  • 1_ 手羽先を塩水できれいに洗って水気を拭く。その際、関節に包丁目を入れておくと食べやすくなる。

    2_ 手羽中の皮の方にも、深さ1センチほどの切り込みを入れる。

  • 3_ 手羽先をひとつずつ手に取り、両面に岩塩を「おいしくな~れ~」と丁寧にすり込む。その上から黒コショウを皮目にたっぷりと振る。

  • 4_ 手羽先の皮を上にしてオーブンに並べ、200℃で10分、220℃で5分焼く(目安)。魚焼きグリルやフライパンでも焼ける。

レシピその2
『だだ茶豆ごはん』

豆の甘い香りがふわりと漂う、やさしい味わいの『だだ茶豆ごはん』。だだ茶豆とは枝豆用の大豆のことで、旨味や甘みが強く、豊かな香りが特徴です。今日は、山形・庄内のだだ茶豆を使用。豆のほくほくとした食感と、口中に広がる甘みが楽しめます。

  • 材料(2人分)
    ・だだ茶豆 約20本(1/3袋くらい)
    ・白米 1合
    ・塩(やさしいものを) 小さじ1.5
    ・酒 大さじ1

つくり方

  • 1_ 米を研ぎ、ザルにあげておく。

    2_ だだ茶豆はサヤごと熱湯で1分茹で、ザルにあげておく。旨味が逃げないよう水には入れず、すぐザルにあげ、団扇であおいで冷まし、サヤから豆を取り出す。

  • 3_炊飯器に米と1合分の水を入れる。酒と塩を加えてサッと混ぜたら、最後に豆をのせて炊く。

 いかがでしたでしょうか。劇中に出てきた料理はどれも素材そのものの旨さを引き出す、シンプルでお手軽なレシピでしたね。ぜひお試しください。

 食べることとは、生きること――、そう強く感じさせる映画『食べる女』は、現在全国劇場にて公開中。おいしい映画を観て、家でおいしい料理をつくって食べる。そんな味な時間をぜひお過ごしください。

映画『食べる女』

とある東京の古びた日本家屋の一軒家、通称"モチの家"。家の主は雑文筆家である、古書店を営む・敦子(トン子/小泉)。女主人はおいしい料理をつくって、迷える女たちを迎え入れる。男をよせつけない書籍編集者(沢尻)、いけない魅力をふりまくごはんやの女将(鈴木)、2児の母であり夫と別居中のパーツモデル(壇蜜)、ぬるい彼に物足りないドラマ制作会社AP(前田)など。年齢も、職業も、恋愛や人生における価値観も異なる8人の女性が、迷いながらも都会の中で生きる姿が描かれている。

小泉今日子、鈴木京香、沢尻エリカなど、日本を代表する8人の女優が豪華共演を果たした話題の映画、現在全国の劇場で公開中です。

  • 全国劇場にて公開中

    小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇密、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香
    原作:『食べる女 決定版』(筒井ともみ著)
    脚本:筒井ともみ
    監督:生野慈朗
    (C)2018「食べる女」倶楽部

書籍『いとしい人と、おいしい食卓「食べる女」のレシピ46』

  • 筒井ともみ著 1,500円(税別)/講談社(発売中)

    現在公開中の映画、『食べる女』の企画から原作、脚本、プロデュースまで手がけた作家・筒井ともみさんが、映画公開を記念して劇中に登場する料理を含むレシピを紹介した一冊。

筒井ともみ プロフィール

  • 1948年、東京都生まれ。成城大学卒業後、スタジオミュージシャン(ヴァイオリン)を経て、脚本家となる。テレビドラマ『響子』『小石川の家』で向田邦子賞を受賞。脚本も多数手がけ、『それから』でキネマ旬報脚本賞、『失楽園』で日本アカデミー賞優秀脚本賞、『阿修羅のごとく』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。この秋、食のレシピ本『いとしい人と、おいしい食卓』(講談社より9月12日刊行)、児童書『いいね!』(ヨシタケ・シンスケ画/あすなろ書房より11月下旬刊行)の発売を控える。

この記事を作った人

撮影/三橋優美子 取材・文/嶋亜希子(ヒトサラ編集部)

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