更新日:2019.05.31食トレンド
紀尾井町にある大人の隠れ家【Le FAVORI】へ。 アラン・デュカスの右腕を務めた古澤英夫シェフの新たな挑戦
大人のための隠れ家たるレストランが見つかる平河町・紀尾井町エリア。かつてはそのエリアを代表するスポットであった赤坂プリンスホテル跡地に誕生した東京ガーデンテラス紀尾井町の3階に注目のフレンチレストランがある。【Le FAVORI(ル・ファヴォリ)】の料理は伝統的なフランチのスタイルを大切にしつつ、食材は自然に近い状態で使い、シェフは足りないものを補強するという発想で調理される。そんな料理を手がけるのは、アラン・デュカス本人からシェフとしての薫陶を受けた古澤英夫氏。古澤氏が描くフレンチの世界を紐解いていこう。
ジャパニーズ・ミッドセンチュリーに和のテイストを加えた内装
店内に足を踏み入れると、初めて来た店にもかかわらず、どこか懐かしさを感じる。インテリアは1960年代ジャパニーズ・ミッドセンチュリーを洗練させ、さらに和のテイストを散りばめている。
落ち着いた照明、ゆとりある席間でゆったりと食事を楽しめる
さらに完全個室も2部屋あり、アニバーサリーや大切な人とのディナーにもうってつけだ。
大きな窓の外には赤坂の街が広がる
【Le FAVORI】で再びミシュランの『星』獲得を目指す
この空間で腕を振るう古澤シェフは24歳で渡仏し、パリには背を向け、コートダジュールやアルザス、ブルゴーニュ地区とフランス料理の特徴がより繊細に現れる地方を巡ってきた。帰国後は【ブノア アラン・デュカス東京】のスー・シェフとしてアラン・デュカス氏から料理のエスプリを学び、右腕として活躍した。
【ブノア アラン・デュカス 東京】で働いていた時、ミシュランの星を獲得した古澤シェフ
38歳の時、銀座にレストラン【燈灯】をオープンするも、思いがけぬ病気を患い、やむを得ず閉店することとなる。料理人のリスタートとしてデュカスグループではなく、新天地の【Le FAVORI】を選び、この春から腕を振るっている。
春を呼ぶピンク色の紫蘇のエスプーマ
古澤シェフは、その日使う食材から即興で料理を組み立てていくライブ感のあるスタイル。この日は“芽生え”をテーマに春の食材を使用した料理がサーブされた。
前菜は車エビと春野菜が彩りよく並べられた一皿。
ピンク色の紫蘇のエスプーマが春の訪れを感じさせる『車エビのミキュイ 春の訪れ』
春らしさを印象づけるピンクのエスプーマは、紫蘇のフレーバ。むっちりとした食感の車エビや、シャキシャキした食感の春野菜に、エスプーマの角のない酸味が合わさると口中に少し甘みのある爽やかさが広がる。
皿ごとに合うワインとしてソムリエが提案したのが、『ブルゴーニュ・コート・サンジャック・ピノ・グリ』。果実味がありながら酸も感じられるロゼがよく合う。
香ばしく焼いたフカヒレに、ブイヤベース風の濃厚なソースを
魚料理には古澤シェフが得意とするフカヒレが登場。
フカヒレのムニエルを中心とした『La Mer ~海~』
ハーブ入りバターでじっくりとムニエルにしたフカヒレに、牛肉と野菜からとったコク深い出汁を絡ませている。ハマグリの出汁を含んだエスプーマ、ブイヤベース風の濃厚なソースとともに味わう。
ともに楽しむのは、熟した果実香とミネラル感のあるしっかりとした風味の『サンセール』の白だ。
サーロインのローストには、エピソードのある赤ワインを合わせて
肉料理は、鹿児島のあか牛のサーロインを使ったローストだ。
鹿児島のあか牛のサーロインに刻んだトリュフソースを絡めた『あか牛 大地の香りと共に』
肉汁に刻んだ黒トリュフのソースをかけ、ワインにもマッチする。この料理には『サヴィニィ・レ・ボーヌ』の赤を。シモン・ビーズというドメーヌで作られるこちらのワインは、ドメーヌ初の日本人女性経営者が手がけている。
料理との調和だけでなく、ストーリー性のあるワインをセレクトするのも同店のこだわりだ。
今度のアニバーサリーは最高のロケーションで、ミシュランの星を目指す古澤シェフの料理を味わいに行ってはどうだろうか。
Le FAVORI
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電話:03-6272-3734
住所:東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町 3F
営業時間:ランチ11:30~15:00(LO.13:30)、ディナー17:30~22:30(LO.20:00)
定休:第1・3月曜日
この記事を作った人
津島千佳(ライター・エディター)
フリーランスのライター・エディターとして10年以上に渡って女性誌を中心に活躍。MEN'S Preciousでは女性ならではの視点で現代紳士に必要なライフスタイルや、アイテムを提案する。
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