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更新日:2019.08.19食トレンド

自由が丘【ルモンドグルマン】|「和牛ほほ肉」のふかふか食感に、身も心も捧げたくなる!

食べることが大好きなオトナが足しげく通う“行きつけ店”を紹介する新企画。第2回目となる今回は、自由が丘にあるビストロ【Le Monde Gourmand(ル モンド グルマン)】。星付き店出身の料理人が営む気軽に通えるフレンチ料理のお店なんです。

自由が丘【ルモンドグルマン】|「和牛ほほ肉」のふかふか食感に、身も心も捧げたくなる!

~わたしが虜になった3つの理由~

一流の技が生み出す垂涎の味が
食いしん坊を虜にする

もしも自由が丘という街の好きな理由を聞かれたら、1つにはこの店があるから、と答えるかもしれません。そう、今回の舞台は東京屈指の美食タウン「自由が丘」。旬の食材を使った一流のフレンチが味わえるその店こそ、フランス語で「食いしん坊の世界」を意味する【ル モンド グルマン】。オーナーシェフの嘉藤貴士さんが作る料理が、それはもう魂を揺さぶられる完成度なのです。

    自由が丘駅周辺の雑踏を抜けて歩くこと5分。落ち着いた通りにフランスのエスプリ薫る空間が

    自由が丘駅周辺の雑踏を抜けて歩くこと5分。落ち着いた通りにフランスのエスプリ薫る空間が

料理はディナーコースで4,800円から、アラカルトも1,400円前後からとお手頃なのもうれしい。というのも、恵比寿【タイユバン・ロブション】、【タテルヨシノ銀座】など名だたる名店で修業した嘉藤さんが、地元密着の自身の店に掲げた理想というのがズバリ、「記念日など特別な日だけではなく、普段使いもしてもらえる店」だから。

    オーナーシェフの嘉藤さんは「手間暇かけたフランス料理の美味しさを肩ひじ張らずに気軽に楽しんでほしい」と話す

    オーナーシェフの嘉藤さんは「手間暇かけたフランス料理の美味しさを肩ひじ張らずに気軽に楽しんでほしい」と話す

伝統のフランス料理をベースに独自のエッセンスを効かせたレベルの高さは推して知るべし。旬の食材を使った意外な組み合わせや丁寧な仕込みから生まれる誠実な味わいに、いつ訪れてもハッと驚かされ、同時に心の奥底から幸福感がふつふつと沸き上がってくるのです。

    居心地の良いカウンター席はゆったりと食事を楽しめておすすめ。店内は高級フレンチにありがちな堅苦しい雰囲気はゼロ。心地よい活気と温かさに満ちている

    居心地の良いカウンター席はゆったりと食事を楽しめておすすめ。店内は高級フレンチにありがちな堅苦しい雰囲気はゼロ。心地よい活気と温かさに満ちている

目も口も楽しませるアートなひと皿。
計算された味わいに拍手喝采!

さて、前置きはこの辺にして、まずは前菜からまいりましょう。定番の「パテアンクルート」は香ばしいパイで肉とフォアグラを包んで焼いた逸品。ほら、食材が層になった断面が食欲をそそるでしょう? 

    『鴨とフォアグラのパテアンクルート』1,900円(税抜)

    『鴨とフォアグラのパテアンクルート』1,900円(税抜)

この日は鴨肉とフォアグラのほかに、豚バラや鶏むね肉なども使用しています。鴨はサイコロ状にして肉々しさを出し、豚バラは滑らかなミンチにするなど、さまざまな食感を味わえるようそれぞれカットの仕方を変えているんだとか。

パイと肉の隙間部分には鴨と鶏ガラのダシで作ったジュレを流し込んで冷やし固めているので、時折感じるプルッとした舌触りも楽しい。これ、ワインに合わない訳がありません(断言!) 

    『ポロネギとイワシのマリネ』1,500円(税抜)

    『ポロネギとイワシのマリネ』1,500円(税抜)

もう1つのおすすめは『ポロネギとイワシのマリネ』。この日の魚はイワシですが、食材は季節で変わります。しっとりと舌に吸い付くようなポロネギの濃厚な甘さ、そしてイワシの爽やかな旨みに、赤ワインビネガーとマスタードが織りなす酸味のあるソースが相思相愛。何を食べているか分からないような凝り過ぎた料理ではなく、しっかりと素材の味と魅力を感じられるひと皿です。

うーん、全体の完成度が素晴らしい。嘉藤さんは「食材の個性を大事にしながら、シンプルな美味しさを追求する姿勢を大事にしています」と話します。

    『和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み』2,100円(税抜)。ランチだとサイズが若干小さくなりミニスープとパンが付いて1,620円(10月より変更あり)

    『和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み』2,100円(税抜)。ランチだとサイズが若干小さくなりミニスープとパンが付いて1,620円(10月より変更あり)

メインはランチでも人気の看板料理『和牛ほほ肉の赤ワイン煮込み』を。和牛のほほ肉にこだわるのは、細かい脂身が入る美しいサシと適度な弾力のバランスがいいからだそう。

20年来の信頼関係がある肉屋にお願いして上質なものを厳選して仕入れ、完成までに3日ほど掛けて仕込みます。個々の大きさや肉質によって煮込む時間も微調整。手間をかけて何時間も火入れしているのに、驚くほど型崩れしていないその美しさにも惚れ惚れ。

    ナイフで抵抗なく切れるほど柔らかいのに噛めばふっくらとした弾力もある。これぞ奇跡の食感

    ナイフで抵抗なく切れるほど柔らかいのに噛めばふっくらとした弾力もある。これぞ奇跡の食感

理想は「高級クッションのようなふかふかの食感に仕上げるイメージ」と嘉藤さんは言います。なるほどナイフを入れるとスッと切れる絶妙な柔らかさで、頬張ればふっくらと歯を包み込むような弾力があってやさしい。

ほどける肉の旨みと芳醇な赤ワインソースのコクが仲良く手を取り合い、深い味わいを醸しながらダンスするかのような美味しさ。さらに付け合わせのニンジンのピューレと絡めれば、それがまたまろやかな甘みのソース代わりとなり、味にアクセントと深い余韻を残します。

んふ~、幸せ。

    グラスワインは800円~。常時10種類と豊富なので料理と合わせていろいろ試すのも楽しい

    グラスワインは800円~。常時10種類と豊富なので料理と合わせていろいろ試すのも楽しい

1人客ならハーフポーションにしてくれたりと心遣いも完璧。2人なら前菜とメインで4~5品ほど頼み、ワインも飲んで1人あたり6,000~8,000円程度。雰囲気は気軽で味は一流。

年に1回しか行く機会がない高級店もたまにはいいけれど、2、3か月に1回ぐらい行ける店って大事な存在ですよね。知っていると人生が豊かになる店とは、こういう店のことをいうのだと筆者は思います。ぜひ〝食いしん坊〟の仲間入りをしに訪れてみませんか。

電話:03-5726-8657
住所:東京都目黒区緑が丘2-17-15
アクセス:東急東横線ほか「自由が丘」駅北口から徒歩5分
営業時間:11:30~13:30(L.O.)、18:00~21:00(L.O.)
定休日:月曜、第2・3火曜

≪DATA≫
カウンター&テーブル 全20席
平均価格(1名あたり):6,000~8,000円位
価格例:(メニューは季節で変わる)前菜1,400円前後~、メイン2,500円前後~、ディナーコースは前菜2品、本日のメイン、デザート、コーヒーで4,800円。グラスワイン800円~、ボトル4,200円~

オーダーPOINT!

2人なら前菜とメイン合わせて4~5品をオーダーすれば十分。料理は一人ずつサーブしてくれます。コースもかなりお得! 1人ならハーフポーションも対応してくれます。

    1人で3品オーダーするとかなりお腹いっぱいに。頼めばハーフポーションにもしてくれるので遠慮せず聞いてみよう。軽めなら2人でこの量でも満足

    1人で3品オーダーするとかなりお腹いっぱいに。頼めばハーフポーションにもしてくれるので遠慮せず聞いてみよう。軽めなら2人でこの量でも満足

メニュー表(2019年7月撮影)

オーナーシェフ:嘉藤貴士さん

1973年生まれ。兵庫県出身。同志社大学在学中にアルバイト先のフランス料理店に興味を持ち料理人を志す。【タトゥー東京】【タイユバン・ロブション】勤務後、渡仏。南仏とパリのレストランを経験し、帰国。【ル・ジャルダン・デ・サヴール】、【フォーシーズンズホテル丸の内】に勤務後、2008年【タテルヨシノ銀座】シェフ、吉野建シェフプロデュースの直島ベネッセハウス【Etoile de la mer】を経て、2011年再渡仏。【ステラ マリス パリ】シェフに。2013年帰国後、代官山【タブローズ】シェフを務めた後、2015年に【Le Monde Gourmand(ル モンド グルマン)】をオープン。

この記事を作った人

取材・文/肥田木奈々(フリーライター)

お酒と美味しいものをこよなく愛する食いしん坊&呑んべえライター。「大分合同新聞社」本社・東京支社記者を経てフリーに。グルメ誌「おとなの週末」(講談社ビーシー)のほか、新聞や週刊誌などで食関連の記事を執筆中。プライベートも含め年間300軒以上の飲食店を巡る

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