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更新日:2019.11.26食トレンド グルメラボ

フィンランドの大自然をボトルに詰めた!クリアなジンが日本初上陸「Arctic Blue Gin」

クリアな空気と水は、世界で1、2と言っても過言ではないフィンランド。その土地を流れる雪解け水と、その地に自生する物を使い、独自の製法でつくったクラフト・ジン「アークティック ブルー ジン」が日本初上陸。2018年の「世界スピリッツアワード」で金賞を受賞するなど、世界的に注目されるジンブランドへと躍進した。なぜ、それほど短期間で高評価を得ることに成功したのだろうか――。創業者がその魅力を語る。

ジン,フィンランド

フィンランドの雪解け水でつくられる、森の香りがするフィンランドのジン

    蒸留所の近く、ノース カレリアの森の中を流れる清流。ミコがジンの着想を得た、世界で一番美しい自然が存在する場所

    蒸留所の近く、ノース カレリアの森の中を流れる清流。ミコがジンの着想を得た、世界で一番美しい自然が存在する場所

 世界で最も純粋と言われるフィンランドの湧き水と野生のコケモモ(ビルベリー)がもたらす野趣に富んだ、けれど限りなく繊細な風味の「アークティック ブルー ジン」。それは、創業メンバーの一人であるミコが、ある朝森の中を歩いていて、その香りを閉じ込めたいと思ったことから始まったのだという。その閃きから2年間、徹底的な市場調査を行い、研究を続けることで、一般的なジンの製法である凍結濾過蒸留ではない、ボタニカルな風味をダイレクトに抽出できるこだわりの製法に行きついた。だからこそ、これまでのジンの概念を超えるヴィヴィッドな香りと柔らかな口当たり、長い余韻を有する特別なジンを造り上げることができたのだ。

    秋から冬への季節の変わり目、ビルベリーの葉が深紅に紅葉している。自然が眠りにつく前のひととき。

    秋から冬への季節の変わり目、ビルベリーの葉が深紅に紅葉している。自然が眠りにつく前のひととき。

 そんな特別のジンを、なぜ日本で販売することを決意したのかを問うと、「日本とフィンランドには恵まれた自然、美しい水など、共通点がたくさんあります。ですから、必ずやこの繊細な風味を理解してくれるであろう確信があるからです」との答えが返ってきた。では、この比類なきジンを100%楽しむためにはどのように味わったらよいのだろうか。

「まず、そのままストレートで。強い刺激がありながら、どこまでも透き通ったクリーンな余韻が口中を満たしてくれます。次に氷を入れたグラスに少量を注ぎます。くるりと回すと、とろりとしたテクスチャーが強まり、清々しい芳香が広がるでしょう。閉じ込められていた甘みが一気に開放され、甘露のように感じられるはずです」と。

    蒸留マイスター、アスコが厳しく品質を管理。量より質を重んじるポリシーが、類まれなジンを生み出す

    蒸留マイスター、アスコが厳しく品質を管理。量より質を重んじるポリシーが、類まれなジンを生み出す

 実は創業メンバーの一人にはシェフ・ジャッコもおり、食中酒として料理に合うジンでありたいということも、強く意識して造られたのだという。さまざまなミネラルの要素が含まれているが、なかでもヨウド分が強く感じられるため、魚介類との相性も抜群。日本でのリリースを決めたのは、それも理由だという。サーモンに少量ふきつけてマリネするといったように、料理の素材としても用いることができるし、寿司との相性も申し分ない。そしてジンといえば、ジントニックをはじめ、カクテル類のベースとしても重宝されるお酒であるが、アークティック ブルー ジンは、際立つ個性を放ちながらも、他の香りや味わいを受け止める許容範囲の広さも持ち合わせていて、カクテルのベースとしても実に優秀だ。

    Vice President:Mikko Spoof(ミコ・スプーフ)、CEO:Kimmo Koivikko(キモ・コイヴィッコ)、料理長:Jaakko Sorsa(ジャッコ・ソルサ)、蒸留マスター:Asko Ryynanen(アスコ・リナレン)

    Vice President:Mikko Spoof(ミコ・スプーフ)、CEO:Kimmo Koivikko(キモ・コイヴィッコ)、料理長:Jaakko Sorsa(ジャッコ・ソルサ)、蒸留マスター:Asko Ryynanen(アスコ・リナレン)

 今後は、12月頃に開かれるジョエル・ロブションの【ルージュバー】での提供を皮切りに高感度なセレクトストアやレストランで展開されていく予定だという。2020年オリンピックイヤーには、フィンランド大使館で特別なパビリオンが設営されて、7月から12月までの間に、フィンランドならではの魅力を伝える様々な試みがなされる模様。それを機に、美しい自然を詰め込んだこの極上のジンを味わうバーをオープンとのことで、これまでの概念を超えるジンとして、特別なオケージョンで楽しんでいきたい。

この記事を作った人

取材・文/小松宏子

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