更新日:2017.02.27グルメラボ 連載
次世代を担う料理人が見つめる未来③ 【日本料理 晴山】山本晴彦さんの場合
31歳という若さで独立したものの、時は震災直後。客が入らなかった開店当初から、ミシュラン獲得店として盛況を博す人気店になった現在。昨今の和食を取り巻く環境の変化に【日本料理 晴山】店主の山本さんは、料理人として何を考えているのか? その現状に迫りました。
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世界のなかで、確実に大きくなっている日本食の存在感
和食に対して、舌が肥えている訪日客も増えている
彼らの好みに合わせたりせず、自分のカラーでアピールすることが大事
海外のお客様が増え、日本料理についても考える機会が増えました
世界遺産になったり、インバウンドの効果が現れてきたりという理由はあるのでしょうが、世界のなかで日本食の存在感が大きくなってきたと感じています。実際にうちのような店でも、海外のお客様が増えてきています。常連さんで多くの席が埋まるので、なかなか新しいお客様すべてに対応できないのですが、問い合わせに関しては、3年前から比べれば、4~5倍に跳ね上がっています。
そのように日本料理を楽しむのが日本人だけではなくなっている状況のなかで、改めて日本料理とは何か?を考える機会も増えたのですが、その答えは、日本料理の本質を究めることに尽きると実感しています。
山本さんがこだわるのは「出汁」。『牛ヒレ肉の角切りすきやき』も出汁の旨みが十分に感じられる一品です
押し売りではなく、自分のカラーで“真っ向勝負”するんです
海外のお客様は少し前だと、華やかでワッ!と驚かせるような料理が喜ばれていたりもしたのですが、最近当店にいらっしゃるお客様の多くは、繊細な品質そのものを見ている方が増えてきています。この鰆が美味しい、この鯛が美味しいみたいに、シンプルなものにも目を向ける方が増えてきているんです。
喜んでもらいたいという気持ちから、彼らの嗜好に寄せがちな料理を出すお店もあると思います。味付けにしても、塩分を少し濃くしたり。でも、僕個人は、真っ向勝負でやっていくしかないと考えています。押し売りではいけませんが、自分はこういうカラーでやっていますというのをアピールしていかないと、本当の良さは伝わらないと思いますし、意味はないと思っています。そして、それが伝わる状況が生まれているわけです。和食に対して舌が肥えている海外のお客様が増えているという側面も忘れてはいけません。
海外に出ていくときも本質は同じ。味はブラさないほうがいいはずです
これは、日本にお客様がいらっしゃる場合ですが、逆に和食が海外に進出する機会も増えていくはずです。そのときも、本質としては同じで、味はブラさないほうがいいはずです。ただし、日本料理と言っても幅広いので、現地の習慣、風習などを考慮したメニュー展開を考える、そういった柔軟さは必要になってくると思います。
山本 晴彦 氏 profile
1979年9月5日生まれ。栃木県足利市出身。両親のためにつくった料理を喜ばれ、「人に喜ばれる嬉しさ」を感じたことから料理の道へすすむことを決意。エコール辻東京を卒業後、特別講師で学校に来ていた高田晴之氏に師事すべく、岐阜の【たか田 八祥】に入店。25歳という若さで【支店わかみや八祥】の店長に就任。その後【支店こがね八祥】の店長を経て31歳で独立、東京に【日本料理 晴山】を開店。現在に至る。
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