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更新日:2017.02.27食トレンド

どじょう、どら焼、蕎麦、煮込み。料理人も愛する、浅草の下町グルメ名店5選

浅草には下町ならではの庶民に愛される美味しい料理がたくさんあります。気安く入れて、味も値段も文句なし。今回はそのなかでも、料理人たちが認める実力派の名店5軒をご紹介します。

どじょう、どら焼、蕎麦、煮込み。料理人も愛する、浅草の下町グルメ名店5選

1.蕎麦 【吾妻橋 藪そば】

 浅草の蕎麦といえば【並木藪蕎麦】が有名で行列の絶えないほどの繁盛店ですが、【並木藪蕎麦】から隅田川をはさんだ対岸、駒形橋東詰にある【吾妻橋藪そば】の存在も忘れてはいけません。

 本家【かんだやぶそば】で長く修業を重ねたというご主人が打つ蕎麦は、北海道産の蕎麦粉を使った蕎麦粉8:つなぎ2の「二八そば」。出汁の濃い風味を感じる辛めのそばつゆには、蕎麦の端を少しつけるくらいで十分。勢いよく手繰れば、つゆの味、そして蕎麦の爽やかな風味が、口の中に広がります。

 蕎麦とともに味わいたいのが『天種』という小海老のかき揚げ天ぷら。さくさくとした衣の食感とさらっと香るごま油、そして小海老のぷりっとした弾力が渾然一体となり、見た目よりも軽い食後感で楽しめます。冷たい『もりそば』と『天種』の相性の良いのは言わずもがな、温かい出汁でいただく『天ぷらそば』でも、その美味しさを堪能できます。

この店をオススメするシェフ

「浅草界隈でお気に入りのお蕎麦屋さんです。おすすめは『天もり』。お蕎麦はもちろん、サクッとした天ぷらも絶品です。揚げ方が勉強になりますね」

2.どじょう 【どぜう飯田屋】

 江戸時代の頃からウナギにも劣らぬ栄養価の高さとその味で、庶民に愛されてきた“どじょう”。現在、都内でどじょう専門店として営業するのはわずか4店。その一角を担っているのが【どぜう飯田屋】です。

 板長を務めるのは、この道40年以上の経験をもつどじょう料理のプロ、北川孝さん。こだわり抜くのは、どじょうの鮮度、そして徹底した下処理。そのこだわりゆえ、看板料理である『ほねぬき鍋』に盛るどじょうは、生のまま。できあがりを食べれば、身の味わいは濃厚、食感からして違います。そして、ほのかに余韻が残る苦みが、厳選された銘酒をすすませます。

『どぜう鍋』を卵でとじる『柳川鍋』もまた、卵のまろみとどじょう、甘辛い割下が渾然一体となり、味わい深い逸品です。

この店をオススメするシェフ

「下町情緒あふれる浅草で、庶民の味と慣れ親しまれてきたどじょう料理を、明治時代から提供している老舗です。どじょうのさっぱりとした味わいがたまりません」

3.棒寿司 【468(ヨーロッパ)】

 浅草と合羽橋の間ほどにある【468(ヨーロッパ)】は、握りではなく棒寿司で知られる寿司店。若き主人が切り盛りするカウンター6席の小さな店ながら、下町の風情がしっかりと感じられます。主人との軽妙なトークを楽しみつつ、軽く日本酒をひっかける、なんて使い方も乙な一軒です。

 壁に貼られたメニューに並ぶのは『鴨ロース』や『からすみ』など、酒飲みのツボを心得たアテの数々。が、あくまでも名物は『鯖』『穴子』『ぐじ』でつくる棒寿司。とくに『穴子』は、これを目あてに訪れずれる客も多く、身はふんわりとやわらかく、関西風に味付けされたタレが穴子の味をより引き立てます。

 小さな店なので訪れる際の予約は必須。店内でいただくのが難しい場合には、電話で予約しておけば、持ち帰りにすることもできます。

この店をオススメするシェフ

「しょっちゅう通っていて味は抜群。『棒寿司』と『芋吸い』を必ず頼みます。店主は“ザ・板前”といった風貌なのですが、話し始めると、まるで芸人さんのように面白い。店主に会いたくて通っている面もありますね。自家製の『カラスミ』や『卵焼き』など酒の肴も美味。おやじがひとりでしみじみと飲める、貴重なお店です」

4.煮込み 【鈴芳】

 またの名を「煮込み通り」とも呼ばれるほど、美味しい煮込み料理を出す居酒屋が軒を連ねることで知られる「浅草ホッピー通り」。なかでも美味しい煮込みが食べられると評判の一軒が【鈴芳】です。

 軒先にはパイプいすとテーブルが並べられ、明るいうちからお酒を飲む人で賑わい、まさに下町の風情。多くの客のテーブルに登場する名物の煮込みは、2種類あります。味噌仕立てでやわらかく煮込まれたもつがふわふわの食感の『和風 もつ煮』と、ほろほろと崩れるような大きなすじ肉とピリ辛の味付けがあとひく『韓国風 牛すじ煮』。『和風 もつ煮』のほうが人気があるようですが、初めてであれば両方注文してみるのもおすすめです。

 また、ホッピー通りのなかでも【鈴芳】しかおいていないという『生ホッピー』も名物。樽から直接ジョッキに注ぐフレッシュな炭酸が、爽快な味わいなので、ぜひ煮込み料理といっしょに堪能してみてください。

この店をオススメするシェフ

「こちらで出会った『もつ煮込』は、その美味しさに感激し、当店の味のベースにもなっているほどの逸品。美味しいお酒と共に味わう、このお店ならではの料理の数々は、どれも一度食べるとやみつきになる美味しさです」

5.どら焼 【御菓子司 亀十】

 浅草寺雷門の斜向かいに建ち、連日多くの人が行列を成すほどの盛況ぶりを見せる老舗和菓子店【亀十】。創業は大正時代、90年以上の歴史を誇り、昔ながらの職人さんがお店でひとつずつ手づくりする和菓子を販売しています。

 なかでも、一番人気は1日3000個限定の『どら焼』。職人が熟練の技で焼く生地は、独特の焼きムラがつき、見た目からして独創的。ふんわりとしたパンケーキを思わせる食感で、やさしくしっとりとした甘みの餡との相性は抜群です。手土産にもぴったりで、このどら焼きを目当てに買いに来る芸能人も多いとか。

 この『どら焼』、日に3000個をつくっているものの、昼過ぎに売り切れてしまうことも多いほどのモンスター商品。しかも買うためには、行列に1時間ほど並ぶこともけっして珍しくはありません。しかし、多くの人が「そうまでして買う価値がある」と感じることこそが、その『どら焼』の美味しさを裏打ちしているのではないでしょうか。

この店をオススメするシェフ

「以前、浅草の店で働いており、差し入れでいただいてすっかりファンになったのが、この店の『どら焼』です。独特の焦げ目がついた生地は、玉子の風味がしてふわふわ。ちょっとホットケーキのようで他とは一線を画しています。白あんと粒あんがあり、私は粒あんのほうが好みかな。あっさりと上品な甘さです。1個が大きめなので食べ応えもありますよ」

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ヒトサラ編集部

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