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更新日:2017.02.27食トレンド グルメラボ

次世代の料理人が見つめる未来④ 【リストランテ カシーナ カナミッラ】岡野健介シェフの場合

イタリア・ピエモンテの名門【バリック】でセコンド・シェフを務め、帰国してから3年。東京で着実にファンを増やしてきた岡野シェフ。日常としてのイタリア料理ではなく、非日常の楽しさを提供する“リストランテ”で今起こっていることについてお聞きしました。

次世代の料理人が見つめる未来④ 【リストランテ カシーナ カナミッラ】岡野健介シェフの場合

今、料理人が考えること

本場で認められるだけでなく、世界で認められるシェフを

 イタリア料理の良い部分として、日本人には非常にフィットし、日常の食生活の中に浸透している部分があると思います。ですので、日常に近い料理として、トラットリアやバルのような分野は盤石なんですよ。その分野でしっかりやってきたイタリア料理のシェフたちは充実感を抱いて仕事に向き合えていると思うんですよね。
 ただ、その上のリストランテの非日常みたいな世界に入ってくると、ちょっと話が違ってきます。今年から3年ぐらいが勝負の時期だと考えています。
 例えば、フランス料理との状況の違いを考えると、こればっかりは料理としてうまいとかどうかではなくて、日本に根づいている歴史の深さの違いがあると思います。本場フランスで認められている日本人シェフが数十年前からいますよね。そこから歴史を築き続けたことによって、今では世界で認められている日本人シェフが生まれています。
 一方で、イタリア料理は、本場で認められている日本人シェフもかなり出てきましたが、世界に認められているシェフは、まだほとんどいないというのが正直なところです。

自分の根幹に立ち返って考えることが重要な時代だと思います

 その状況をいかに変えていけるかが、日本のイタリア料理の課題だと考えています。世界に、まずはアジアに発信できるところを目指して、どこまでできるかというのを勝負していかないといけないと思っています。
 料理人の数だけ方法論はあるでしょうが、僕個人としては今、まずイタリア料理として行けるところまで行かないと、イノベーションが出てきても意味はないと考えています。料理もグローバル化して、世界で同じようなものをつくる傾向がありましたが、今だんだん戻ってきているような気がしています。一回大きな波がひいていったときに、やっぱり北欧料理は北欧に、フレンチはフレンチに、イタリアンはイタリアンにと、じゃあ、あなたの根っこは、幹は何なのか?というところが重要になってくると思います。


岡野 健介シェフ profile

オカノ ケンスケ
1981年、ベネズエラ生まれ。高校生の時に料理人になることを決意。三軒茶屋【ペペロッソ】で伝説の料理人・遠藤シェフの薫陶を受け料理人人生をスタート。銀座【トラットリア・バッフォ】で修業した後、イタリアへ。トリノの星付きリストランテ【ラ バリック】で4年半修業し、セコンドシェフとなり店の中核として活躍する。日本に帰国後、【カシーナ カナミッラ】のシェフに就任。

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