富山日帰りグルメ旅|“昼セリ”で知られる「新湊きっときと市場」や、日本のベニスと称される「新湊内川」を散策
美食の宝庫「北陸」で、ぶらり日帰りグルメ旅! 今回は、富山県射水市にある「新湊漁港」や、昼セリで知られる「新湊きっときと市場」、さらに日本のベニスと呼ばれ、川沿いに民家が立ち並ぶ美しい水辺の町「新湊内川」を散策。4月1日に漁が解禁したばかりのシロエビや、昼セリが見学できる高志の紅ガニ(コシノアカガニ)をいただき、水辺が目の前のカフェでほっと一息。そんな富山の美食を堪能できる、富山新湊エリアの日帰りグルメ旅をご紹介します。
~富山新湊・日帰りグルメ旅~
09:00 新湊漁港で朝食『シロエビ丼』@【きときと食堂】
10:00 新湊大橋・海王丸パークを散策
11:00 「新湊きっときと市場」を散策
11:30 昼食@【れすとらんきっときと亭】
12:30 昼セリ見学
13:30 『高志の紅ガニ』@【新湊カニ一番屋】(新湊きっときと市場内)
『白えびソフト』@新湊きっときと市場
~新湊内川へ移動~
15:00 新湊内川散策&橋巡り
16:00 カフェタイム @【番屋カフェ】
東京から北陸新幹線で、最短2時間10分。富山県の入り口、富山駅に到着。ここから車で「新湊漁港」へ向かいます。
シロエビ漁などが行われる「新湊漁港」
この日はシロエビ漁の解禁日! 関係者以外は漁港への立ち入りは禁止ですが、この日は特別に見学させてもらうことができました
富山県には、「天然のいけす」と呼ばれる富山湾があります。魚種に恵まれており、広く知られているのが、ホタルイカやブリ、シロエビや紅ガニ(紅ズワイガニ)です。そんな富山湾に沿って有名な漁港がいくつかあって、岩瀬漁港や滑川漁港、「ひみ寒ぶり」で知られる氷見漁港が有名ですが、今回は、水揚げされる魚種も漁獲量も多く、四季を通しておいしい魚介類に恵まれた好漁場、「新湊漁港」からスタートします!
9:00
新湊漁港で朝食『シロエビ丼』 @きときと食堂
早朝の5:30から営業している【きときと食堂】
まずは朝食をいただくため、新湊漁港の目の前にある【きときと食堂】へ。「きときと」とは、富山県の方言で“新鮮”とか、“活き活きとした”という意味なんだそうです。
こちらの【きときと食堂】では、その日に獲れた新鮮な魚を使った定食や、海鮮丼などを提供。早朝から行列の絶えない人気店なので、時間に余裕をもっていくのがオススメです。
『白えび丼』(味噌汁・つけもの付き)2,500円
この日は、シロエビ漁の解禁日ということで、シロエビがたっぷりとのった『白えび丼』をいただくことに。白く輝くシロエビの上には、イクラのアクセント。なんとも贅沢です。シロエビは、県内でも流通の際には冷凍保存されることが多いのですが、新鮮なうちに冷凍するため、旨みがぎゅっと凝縮されており、とっても甘くて濃厚な味わいでした。醤油も関東のものと比べるとほんのり甘めなのが特徴です。
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『魚屋のまかないづけ丼』700円、『みそ汁』100円、『白エビのからあげ』800円
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新湊のご当地グルメ『かけ中』400円
ほかにも『まかないづけ丼』や、うどんだしに中華麺を合わせた新湊名物『かけ中』も人気なので、ぜひ試してみてください。
【きときと食堂】店舗情報
住所:富山県射水市八幡町1丁目1100
営業時間:5:30~14:30(L.O.14:00)
定休日:水曜
※現金のみ
10:00
新湊大橋・海王丸パークを散策
富山新港にかかる新湊大橋。毎日、日没の30分後~22:00までライトアップされます
富山駅方面からバスや車で訪れた際に通るのが、この新湊大橋。全長約3.6kmで、日本海側最大の斜張橋です。橋の上部分が車道で、下部分が歩行者通路「あいの風プロムナード」の2層構造になっており、地元の方は散歩コースとして利用されていました。この日は黄砂で見ることはできなかったのですが……、晴れた日には立山連峰や能登半島を一望できるそうです。
「新湊大橋」施設情報
住所:富山県射水市海王町~海竜町
利用時間:車道は終日/歩行者通路「あいの風プロムナード」は5月~10月は6:00~21:00、11月~4月は6:00~20:00
料金:無料
※荒天時(風速25m/秒以上や波浪警報発表時など)には、通行止めになることがあります。
現役当時のままの姿で保存、一般公開されている「帆船海王丸」
新湊大橋と新湊漁港の間にある「海王丸パーク」は、年間100万人が訪れる人気観光スポット。約60年間、航海練習船として活躍した「帆船海王丸」を一般公開しているほか、展望広場や野鳥園、カフェなどを併設しています。この日はパーク内をお散歩しただけですが、「帆船海王丸」の船内は見学もできるそうです。船好きの方はぜひ乗船してみてください。
「海王丸パーク」施設情報
住所:富山県射水市海王町8
利用時間:終日
料金:無料
●「帆船海王丸」の乗船について
公開/見学時間:9:30~17:00(公開終了30分前までに乗船/見学時間は約30分)
※海王丸に乗船できる時間帯は季節によって異なります。施設へ確認をお願いします
(夏季は~18:00まで、冬季は~16:00まで)
定休日:水曜(水曜が祝日の場合は木曜)、年末年始(12月29日~1月3日)、船体整備ための非公開期間が年2回あり
乗船料金:小中学生は200円、大人(高校生以上)は400円、ファミリー券(大人1名+小中学生1名)は500円
11:00
「新湊きっときと市場」を散策
大きな蟹が目印。新湊漁港の獲れたて食材が楽しめる「新湊きっときと市場」
能登半島地震の影響により、年始から営業を休止していましたが、3月2日から営業を再開
「新湊きっときと市場」は、シロエビをはじめ、高志の紅ガニ、ホタルイカ、ブリなど、新湊漁港で獲れたばかりの海の幸がいただける海鮮市場です。館内の海鮮レストラン【きっときと亭】では、朝獲れ魚介を使ったお料理が楽しめます。新鮮な魚介類をその場で焼いてくれる浜焼きコーナーも大人気!
ランチは「新湊きっときと市場」内にあるレストラン【きっときと亭】で『のどぐろ定食』をいただきます
まずは、「新湊きっときと市場」内を散策しつつ、今日の目的の一つ、昼セリ見学の予約を行います。
新湊漁港では、通常の魚市場で行われている早朝のセリだけでなく、全国でも珍しい昼セリが行われていて、一般の人も予約をすれば見学するできます。とくに、毎年9月~5月に開催される富山県のブランド蟹「高志の紅ガニ(こしのあかがに)」の昼セリは必見です!
12:30
昼セリ見学
こちらで取引されているズワイガニは、一定の基準をクリアしたものを「高志の紅ガニ」としてブランド化。あまりのおいしさに東京からこの蟹だけを食べに富山を訪れる有名人もいるほどなんだとか
市場から歩いてすぐの場所にある新湊漁港の昼セリ会場へ。1階がセリ場、2階が観光客専用の見学スペースになっていて、上からセリの様子を見学します。実際にセリを見たことがなかったのですが、ズワイガニがずらっと並ぶ光景は圧倒的でした。この光景が見られるのは、9月から翌年5月までのベニズワイガニの漁期だけなので、ぜひ足を運んでみてください。
「新湊きっときと市場」施設情報
住所:富山県射水市海王町1
利用時間:9:00~17:00(時期により変動あり/営業時間は各店舗により異なります)
定休日:無休(一部テナント休日あり)
昼セリ情報
開催期間:~5月中旬まで
開催時間:12:30~
休業日:日曜日、水曜日、年末年始、漁港休場日
※悪天候等により昼セリが中止となることがあります。当日9:00以降に新湊きっときと市場へご確認ください。
昼セリ見学料金:個人:1人100円(大人・小人)
予約:必須
予約方法:12:00までに新湊きっときと市場のインフォメーションにて予約必須
※昼セリの見学だけでなく、セリ後に紅ガニが食べられるランチセットのチケットもあるそうです。詳しくは公式HPにてご確認ください。
13:30
『高志の紅ガニ』@【カニ一番屋】
目の前で大量の「高志の紅ガニ」が茹でられています
昼セリの見学後、水揚げされたばかりの「高志の紅ガニ」をいただくために、再び「新湊きっときと市場」へ。セリ後、各飲食店で茹でたてのカニをいただけるのですが、今回私は市場入り口にある【カニ一番屋】さんで、贅沢にもまるごと一杯いただくことにしました。
その日によって価格は変動しますが、この日は足折れ蟹が3,500円~4,500円、足が折れていない蟹は7,000円~8,000円で販売されていました
この日は奮発して、足つき蟹をゲット! お店の裏手にあるテーブル席で自分で捌いていただきます。
茹でたての「高志の紅ガニ」は、肉厚な身の贅沢な食感と甘さ、そして濃厚な味噌の味わいが絶品! 蟹好きとしては、丸ごと一杯を独り占めできるのもうれしいところ。その場で食べることもできますが、持ち帰り/郵送することもできるので、大切な方へのお土産にもぜひ。
食後は、「新湊きっときと市場」内を再びぷらぷら。土産にホタルイカの沖漬けや黒づくりを買いつつ、気になるものを発見……。
ご当地アイス『白えびソフト』350円
なんと、シロエビがちょこんと1匹のった『白えびソフト』なるものがあるじゃないですか! ソフトクリームにもシロエビが練りこまれているそうで、味はほんのり甘じょっぱく、シロエビの風味がしっかりと感じられました。気になる方はぜひ!
ここから場所を移して、新湊内川エリアへ移動します。
新湊内川へ向かう道中、レトロな街並みを発見。観光地化されておらず、落ち着いた雰囲気で、ここに住む人々の生活を感じることができました
15:00
新湊内川散策&橋巡り
富山新港から東西約3.5kmにわたり続く河川「内川」。天気の良い日は遠くに立山連峰を眺めることができます
美しい水辺の景色と町屋風の建物が残る「新湊内川」。この民家が並ぶ姿と、川岸に漁船が停泊する光景がイタリアのベニスを思わせることから、「日本のベニス」と呼ばれています。川にかかる橋もそれぞれ違う顔を持ち、とても個性的なので、お散歩がてら橋巡りをしました。
昭和レトロでノスタルジックな雰囲気漂う内川周辺は、竹野内豊さん主演の『人生の約束』や、松本潤さん・有村架純さん主演の『ナラタージュ』などの映画のロケ地としても使われています
夜はライトアップされ、昼とは異なる顔を見せます。夜のお散歩も気持ちがよいです
さっそく、新湊大橋~内川周辺を巡ります。
川の駅新湊で配られている「水辺の回廊&橋まっぷ」を参考に、まずは朱色の屋根が素敵な「東橋(あずまばし)」からスタート。
検索をして調べるのもいいですが、せっかく旅に出たなら、地元で発行されている情報冊子を参考にすると意外な口コミ情報がゲットできます
「東橋」
スペイン人のセザール・ポルテラ氏が設計。全国でも珍しい屋根付きの歩行者専用の橋。夜になると橋の両側に明かりがともり、大きな提灯となって浮かび上がるそうです
「山王橋」
郷土出身の彫刻家・竹田 光幸氏が設計。半円形のバルコニー風のアプローチに、手をかたどった大理石の彫刻が4基設置されています。写真の彫刻のテーマは4基それぞれに「人」「心」「愛」「夢」
「神楽橋」
欄干に72枚のステンドグラスがはめ込まれた「神楽橋」。このステンドグラスは、郷土出身の工芸作家・大伴 二三彌氏によるもの。曳山の飾り車輪、ケイトウ、魚、かもめ、チューリップなどがデザインされています
「中新橋」
新湊内川の中で最もレトロな雰囲気漂う「中新橋」。江戸時代に北前船の寄港地として栄えた内川の歴史を伝えるため、北前船をイメージしてつくられたそう
他にも、波に浮かぶ地球のモニュメントがある「新港大橋」や、金属造形作家・蓮田修吾郎氏の「新西橋」など、計13の橋があるので、ぜひ巡ってみてください。
16:00
カフェタイム @【番屋カフェ】
訪れたのは4月1日。【番屋カフェ】は数日前に営業を再開したばかりで、運よく入ることができました
築100年以上の旧廻船問屋「渡辺邸」を改装したカフェ&ギャラリー。開放感に溢れています
散策の合間にほっと一息カフェタイム。
新湊内川の川沿いには、カフェや着物のレンタル店など、さまざまなお店が立ち並びます。この日は、映画『人生の約束』のロケ地にも使われた【番屋カフェ】へ。
窓から眺める内川の風景。これは思わず写真を撮りたくなりますよね
【番茶カフェ】では、こだわりのドリンクと、【野村屋】のどら焼きや【菓子処あん】のケーキなど、内川周辺にあるお菓子を一緒にいただけます。川辺の景色を眺めながらのコーヒーは格別においしかったです。
そして、帰路へ。
漁港の町なので、朝からおいしいご飯が食べられるのが魅力の「新湊」。これなら富山駅周辺に宿泊しても日帰りで漁港の町を楽しめますし、石川・金沢旅行の合間に立ち寄るのもおすすめです。
美食の宝庫「北陸」、まだまだ知らない場所があるかもしれません。ぜひ気軽に足を運んでみてください。
取材・文/嶋亜希子(ヒトサラ編集部)
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