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更新日:2024.04.29食トレンド 旅グルメ

<Day1>古い街並みが残る金沢で、美食を堪能する1泊2日の旅

美しい町家が数多く残り、歴史を感じられる金沢は、インバウンドでも賑わい、国内外から観光客が集まる場所です。しかし、2024年1月の地震では金沢も大きく揺れ、人的、物的被害に加え観光面でもキャンセルが相次ぐなどの被害に見舞われました。震災から3ヶ月が過ぎた今、金沢を訪れると、北陸新幹線延伸や北陸応援割もあってか、かつての様相を取り戻しつつある印象でした。現在の金沢と、素晴らしいレストランや観光地を中心に1泊2日の旅をご紹介します。

ひがし茶屋街

1日目

北陸新幹線が3月に延伸し、東京駅から「かがやき」敦賀行きに乗車して金沢駅に向かいました。約2時間半で到着し、意外と金沢は近くにあるのだなと来るたびに感じます。シンボル「鼓門」を写真におさめたら、早速移動開始です。

    鼓門

    金沢駅のシンボル「鼓門」。金沢の伝統芸能、「能楽」で使われる鼓をイメージに設計。日没から24時まではライトアップをしているので、夜に到着するのもいいのかもしれません

鼓門に向かって右手に、とても大きなバスターミナルがあります。タクシーや車もいいですが、金沢市内はバスの本数も行き先も多いので、比較的安価なバスが便利。

基本的にSuicaやPASMOなどの交通系ICは使えないので、現金を用意するかフリーパス(大人800円/1日)をゲットしましょう。距離にもよりますが、観光地を巡る場合は210円区間に乗ることが多いので、ホテルまでの行き来を含めて4回以上乗車する場合はフリーパスがオススメです。(さらに美術館などの割引優待なども付帯しています……!)

現金でもフリーパスでも、バスに乗る際は乗車券を取るのを忘れずに。

12:00 近江町市場で新鮮な海鮮を食べ歩き

    近江町市場

    平日にも関わらずたくさんの人で賑わう「近江町市場」。外国人観光客もとても多いです

金沢駅からバスに乗って約5分、「近江町市場」での食べ歩きは外せません。新鮮な海鮮から加賀野菜、フルーツなどの小売店や、寿司店などの飲食店までが数多く並びます。小売店のなかにはテーブルが併設されているお店もあり、その場で食べるのが醍醐味です。

    近江町市場

    今回私が購入したのは、ボタンエビ、牡蠣、香箱ガニ、ウニ

目の前で輝く海鮮から好きなものを好きなようにオーダーして、手元にやってくる体験は本当にウキウキします。一段と存在感のある大きな牡蠣は、言わずもがな肉厚でプリップリ……! キラキラのボタンエビに添えられた青い卵は何度見ても美しく、食べてしまうのが勿体無いです。香箱蟹は本来の時期より遅いけれど、市場だからこそ出回っていました。やはりここも外国人観光客が大変多く、日本人と同じように、海鮮を楽しんでいる姿が多く見られました。

    近江町市場

    そびえ立つ(?)キラキラの加賀野菜

    近江町市場

    美しく並んだカニに、つい目が引き寄せられてしまいます

13:30 ひがし茶屋街でお土産探し

お腹も満たされ、海鮮土産を購入したら「ひがし茶屋街」を散策です。近江町市場からはバスで4分、歩いても10分強あれば到着する距離感なので、食後のお散歩を兼ねるのもオススメ。

    着物を来た日本人観光客や、ツアー手旗を持った外国人のツアー客など、いつもの風景がみられました

    着物を来た日本人観光客や、ツアー手旗を持った外国人のツアー客など、いつもの風景がみられました

ひがし茶屋街は観光地としてあまりにも有名ですが、元は茶屋街としてにぎわった町並みが重要伝統的建造物保存地区として保存されており、それらの町家をリノベーションしたおみやげ店や飲食店などが並ぶ地域です。

    箔一

    金沢で最も有名と言っても過言ではないスイーツ「金箔ソフト」がいただける【箔一】

基本的に主要なお店がまとまっているエリアなので、一通り回りながら気になるお店に入っていくのがいいと思います。食後のスイーツには『金箔ソフト』をはじめ、モンブランやパンケーキ、和菓子店。お土産にはきんつば【中田屋】などの金沢銘菓や、加賀棒茶が有名な【丸八製茶場】、日本酒の【福正宗】、山中漆器に輪島塗、九谷焼などの器店も。金沢駅で買えるお土産も多いですが、町家の雰囲気を楽しみながら一軒一軒回るのも、とてもいい時間になると思います。

    ひがし茶屋街

    ちょっとした小径も素敵です

16:00 長谷武家屋敷跡を散策

    長町武家屋敷跡

    土塀越しに見える屋敷の庭木の様子から、日本の四季を感じます

ディナーは事前に予約していたので、その近辺で18時まで過ごすのにぴったりだったのが「長町武家屋敷跡(ながまちぶけやしきあと)界隈」。ここは、江戸時代に加賀藩士の中級武士たちが暮らしていた屋敷跡が残る場所で、伝統環境保存区域、景観地区に指定され、当時の空気が感じられる土塀や石畳の小路、豪壮な武家屋敷など、趣のある景観を味わうことができます。

    このエリアには「鞍月用水」が流れており、それに沿うように飲食店や雑貨店が心地よいせせらぎと共に並びます

    このエリアには「鞍月用水」が流れており、それに沿うように飲食店や雑貨店が心地よいせせらぎと共に並びます

散歩しながら街並みを感じるのもいいですが、「武家屋敷跡 野村家」などでは屋敷内を公開していて、ミシュラン2つ星の評価を得ている素晴らしい庭園は、特に外国人観光客に人気。近隣にはセンスのよい飲食店も豊富で、いつも賑わう【CAFE DUMBO】や、【Cafe Ashito】などのカフェ、昼から素敵な音楽とナチュラルワインが楽しめる【伊東商店】や、常時10種類以上のフレーバーが揃うジェラート店【ジェラテリア リトルタ】など、人気店ばかりが集まっています。

18:00 【焼肉大将軍】で能登牛を堪能

    犀川大橋

    犀川大橋が美しい犀川沿いには町家が立ち並び、金沢らしい風情が感じられます

お待ちかねのディナーは焼肉をチョイス。富山県内に3店舗を展開している【焼肉ハウス 大将軍】が金沢にも誕生しました。築170年の町家をリノベーションしており、大きな吹き抜けや剥き出しの梁に加え、壁面に見える場所が部屋に続くドアになっているという仕掛けもある、忍者屋敷のような設えにドキドキします。

    焼肉ハウス大将軍金沢店

    2024年2月にオープンしたばかりの【焼肉ハウス大将軍 金沢店】

    焼肉ハウス大将軍

    テーブル席や個室のほか、臨場感のあるカウンター席も完備。人数に関係なく丁寧にサービスしていただき、これは一人焼肉の最高峰かもしれない……! と感じました

席に着くや否や、存在感を放つ竈が目に飛び込んできます。同店では全国から厳選したお米を、羽釜で芯からふっくら炊き上げて提供しており、オン・ザ・ライスへの期待で胸が膨らみます。料理はアラカルトでも注文可能ですが、今回は「TOSHIIEコース」(7,700円)を能登牛変更(1,650円)でオーダー。

    焼肉ハウス大将軍

    食前酒、茶碗蒸し、加賀野菜のナムルと続いた後の『石川県産 甘海老ユッケ』。ねっとりした甘海老の濃厚な甘みと旨みをじっくり堪能します。焼肉店であっても、金沢ならではの食材を生かした料理はやっぱり嬉しい

    大将軍

    促されて早速オン・ザ・ライスした『極みタン』はタン元を使用していて、これは牛一頭につき3〜4枚しか取れない希少部位でもあります。絶妙な厚切りで、歯応えとみちっとしたお肉の密度を存分に堪能。レモンで爽やかに

    焼肉ハウス大将軍

    スペシャリテは『大将軍名物 桑原焼き』。部位は能登牛のサーロインで、卵は雑味のない濃厚な黄身のみを使用。信じられないほどお肉の旨みが濃厚で、優しく上質な脂と絹のように柔らかな肉質に夢見心地です

    焼肉大将軍

    目の前でいい音を立てる火入れの様子を眺めます。こちらは能登牛のミスジで、脂が多い部位のため野菜ポン酢でさっぱりと。酢が脂をスパッと切ってくれ、とろけるお肉の食感をより感じられます

加賀野菜、北陸の海鮮、能登牛。加賀百万石の食材をふんだんに使用したコース内容に大満足でお店を後にしました。観光客にはもちろんたまりませんが、地元の方も多く足を運んでいる印象があり、内容に対してとてもリーズナブルな価格設定も人気を集めているのかなと感じました。金沢の焼肉がここまで来たか……! と感動してしまう夜でした。

2日目目次

この記事を作った人

撮影/取材/文 宿坊アカリ

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