家計の救世主、もやしで野菜高騰の冬を乗り切る
味よし・価格よし・栄養よし! 食卓の名脇役もやしは、じつは多才なスーパースターでした。いまこそもやしの魅力を再発見して、脱・野菜不足をめざしましょう。
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地味にスゴい! もやしの栄養
保存と加熱に気をつければ、もやしをもっと堪能できます
もやしが主役のレシピに挑戦
ほっそりボディに豊富な栄養、なのにヘルシーなミラクル野菜
一般的にもやしとは豆もやしのことを指します。スプラウトの一種で、おもに穀類や豆類の種子を人為的に発芽させた新芽です。もともと種子が持つ栄養素に加え、発芽の過程で別の栄養素がつくられる特殊な野菜で、カイワレ大根やブロッコリーなども仲間に含まれます。
もやしの主な栄養素は「カルシウム」「ビタミンC」「ビタミンB1」「食物繊維」。それに心臓や筋肉の血液循環機能を調整し、血圧を下げる効果がある「カリウム」、造血作用やDNA形成に欠かせない栄養素で、胎児の正常な発育を促す「葉酸」、疲労回復やスタミナアップ効果のある「アスパラギン酸」など。
実はあの白い体には、意外にも多くの栄養が含まれているのです。しかも低カロリーときたら、食べないわけにはいきません。
もやしには大豆もやし、緑豆もやし、黒もやし(ブラックマッペ)の3種類があり、もっとも栄養価が高いのは大豆もやしです。現在では、どんな料理にも合う緑豆もやしが主流で、黒もやしは中華料理など炒めものに多く使われます。
おいしく食べるためには、冷凍保存と短い加熱が肝心
おいしくて、安くて、栄養も豊富、と三拍子そろったもやしですが、足が早いのがタマにキズ。買ってすぐに食べるのが一番よいのですが、冷凍保存が有効です。
さっと茹でて表面を加熱し、水分を閉じ込めてからよく水を切ります。保存バッグに入れ空気を抜いて冷凍すると、1~2週間はもつそうです。生の場合は、水洗いしたあとにキッチンペーパーでよく水分を拭いてから保存します。冷凍後は解凍せず、一気に加熱すると味が落ちません。
もやしは水耕栽培で農薬も不使用、生のままでも食べることができます。ただし、足の早さゆえ、生のままでは危険な場合もあるので、加熱することをオススメします。
もやしの栄養素は加熱によって壊れてしまうので、「加熱時間は短く」するのが鉄則です。「蒸し料理に使う」「茹で時間は10秒程度」「炒め物は最後に」。これらを実践すれば、もやしのシャキシャキ感を残しつつ、栄養も損なわず、おいしくいただくことができます。
もやしが主役のレシピも充実! 変幻自在なもやしの魅力を味わい尽くす
もやしの鉄板レシピといえば、『ナムル』です。さっと茹でるか電子レンジで加熱後、調味料で和えるだけ。味つけはお好みですが、ゴマ油は必須です。油と相性のよいもやしの魅力を堪能できます。
最近では健康志向もあいまって、麺やごはんの代わりにもやしを使うレシピも人気です。カルボナーラやペペロンチーノ風、中華スープと合わせてラーメン風、甘辛牛肉をのせて牛丼風に、などバリエーションも豊富です。
そして、寒い季節にうれしいのが鍋料理。葉もの野菜の価格高騰で、すっかり贅沢メニューとなってしまった鍋ですが、もやしが主役ならおサイフにもやさしくおなかも満足。もやし鍋スープも市販されてますから、この冬ぜひ一度たっぷりのもやしでお試しを。
さまざまな調理法を受け入れて、個性を発揮しつつどんな味にも染まるもやしは、さながら主役も脇役も完璧にこなせる名俳優のよう。いろいろなメニューを試して、いぶし銀なもやしの魅力を再発見してください。
塩川千尋(フリーライター)
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