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更新日:2024.12.19食トレンド

古い文化や歴史とリゾートが共存する街、三重県桑名市で美食も満喫するプレミアムツアー

三重県桑名市は愛知県との県境に位置する街で、名古屋駅から電車で約20分、中部国際空港からは電車で1時間と好アクセスを誇ります。かつて東海道五十三次の要所として発展し、城下町、港町、宿場町などの様々な顔を持つ街でもあります。市内には六華苑や桑名城跡などの歴史を感じられる名所が点在し、広大な自然と文化を体感できる一方で、遊園地や温泉などが一体となったナガシマリゾートには日本各地より多くの人が訪れ、歴史とエンターテインメントの両方を楽しむことができます。

桑名

「春日神社」で御祈祷と村正の鑑賞

    春日神社

    繁栄の神様「桑名神社」と厄除けの神様「中臣神社」が全国的にも珍しい“二社合社”で構成される本殿

「春日神社(別名:桑名宗社)」は、室町時代から守り続けた名刀「村正」(三重県指定文化財)をはじめ、初代桑名藩主・本多忠勝の朱印状や、徳川家康坐像などの有形文化財を所蔵することで知られ、事業の繁栄や子孫の繁栄にご利益があるとされる神社です。

    春日神社

    宮司さんによる御祈祷とお祓いを受けることで、神様の持ち物とされる村正と向き合うことができます

神聖な村正を手にする前に、お清めのための御祈祷とお祓いを受けます。村正は神様のために奉納されたものなので、神様の持ち物を手にする前に挨拶をする意味合いがあるそうです。

    春日神社

    手前が村正の「春日大明神」(写し)

三重県の指定文化財である「太刀 村正」2振は、2代目の刀鍛冶「村正」本人が1543年に奉納したもので、そのうちの1振「春日大明神」の写しを、ここで鑑賞することができます。村正の特徴である、刃紋の表裏が揃っている様子も見て取れます。

    春日神社

    桑名市指定無形文化財「短刀 村正」も登場。実際に手に取ることができる、特別な体験です

春日神社では太刀2振を含めた5振の村正を所蔵。本ツアーでは、短刀1振を実際に体験することができます。指定文化財である村正を手にする機会はなかなかありません。刀鍛冶の歴史がある桑名の地で共に歴史を築いてきた春日神社だからこそできるとても貴重な経験です。

歴史を感じる【船津屋】で日本料理を味わう

    船津屋

    和の趣が感じられる立派な外観は圧巻です

明治8年創業の料亭【THE FUNATSUYA】です。かつて宿場町としても栄えた桑名。東海道五十三次「桑名宿」大塚本陣跡地に、料亭旅館「船津屋」として創業したのが始まりです。現在は【THE FUNATSUYA】として、それまでの伝統や歴史を受け継ぎながら桑名のシンボルとして守られ続けています。

    船津屋

    135年以上もの間、多くの賓客をもてなしてきた料亭「船津屋」の伝統と精神が生きた料理を味わうことができます

主に結婚式の会場として利用されることが多いそうですが、個室を利用して食事のみの利用も可能。本ツアーでは、桑名名産の蛤を使用した『鱧と蛤の土瓶蒸し』をはじめ、三重県産の野菜を中心とした旬食材で構成された日本料理を堪能。

    船津屋

    魚料理は『焼き大蛤 伊勢海老の玉素焼』。プリプリの食感がたまらない桑名産の蛤と、濃厚な旨みの伊勢海老と地元の恵を存分に味わうことができます

    船津屋

    美しい中庭をはじめ、至る所から歴史や日本らしさを感じます

江戸時代創業「廣房」で一生物の包丁を

    廣房

    1841年、江戸時代創業の打刃物店「廣房」

創業当時は江戸時代。当時は侍の時代でもあり、戦のための刀をつくっていた同店。明治時代に入り廃刀令が出されたことで、包丁や鋏をつくり販売する現在に至ります。

    廣房

    切れ味抜群の鋼、錆びにくいステンレスなど使い手のニーズに合わせて素材を変え、種類豊富な包丁を製造

江戸時代から180年以上もの間培われてきた伝統が今に引き継がれ、全ての工程は一貫製造で行います。素晴らしい技術で、ひとつひとつ丁寧に一生物の包丁や鋏がつくられています。

    廣房

    実際にトマトを横からスライスして、切れ味のよさを実感。自分にぴったりの1本と出合えそうです

    廣房

    購入した包丁はその場で仕上げ研ぎ。希望があれば職人さんの手による名入れもできます

【懐石一ノ】で最高級食材を堪能

    一ノ

    店内のカウンター席から「一の鳥居」を望む、唯一無二の景観です

木曾三川が交わる桑名の地はかつて交通の要衝としても栄え、七里の渡し船着場に佇む「一の鳥居」は伊勢国の玄関口としてシンボルのような存在。その雄大さから伊勢国一の鳥居とも呼ばれています。【懐石一ノ(いちの)】は「食を通して桑名と伊勢国を感じてもらいたい」とそんな由緒ある一の鳥居のそばに誕生しました。

    一ノ

    亭主の挨拶から始まり、ここから夜のお茶事「夜咄(よばなし)」の初座も開始

今回は通常のコースとは異なり、約5時間かけてゆっくりと行われる夜の茶事「夜咄(よばなし)」の一貫として特別に仕立てられた懐石です。もともと「お茶をよりおいしく飲んでいただきたい」という亭主の気遣いから、お茶ができるまでの間を軽食やお酒でもてなしたことから浸透していったのが茶懐石。この後行われる「六華苑」での後座のまえに【懐石 一ノ】で初座として、茶懐石をベースとした懐石料理を楽しみます。

    一ノ

    カウンター目の前の焼き場で、松茸や鮑などの食材が調理されていく様子は、とても臨場感があります

本ツアーでは、伊勢湾で採れた鮑や三重県産の美熊野牛など土地の味わいを感じられる最高級の食材を厳選した懐石料理を提供。鳥居を望みながら、時間と共に移ろう空の色や揖斐川の川面の表情の変化を美食とともに味わうのは大変趣深い時間でもあります。

    一ノ

    1時間もの間じっくり火入れした『美熊野牛ロース』の焼き物。上質な脂の甘みと赤身の旨みが調和して口の中で広がります

    一ノ

    懐石の途中で行う盃のやり取り

懐石の途中で、「千鳥の盃」という亭主と客人がお互いに盃を酌み交わす形を体験します。亭主が客人にお酒を注ぐと、客人からも亭主に一献注ぐ。亭主を介して、亭主と客人がお互いに盃を酌み交わしていきます。
初座で懐石や日本酒をいただくのは、後座に向けて亭主と客人が心を通わすため、又、日本酒で程よく緊張がほぐれることで、濃茶を最高の状態でおいしくいただくためだそう。

夜の「六華苑」で特別なお茶事を体験

    【懐石一ノ】での食事を終え、本ツアーのためだけにライトアップされた堤防を、行灯で足元を照らしながら「六華苑」へと向かいます

    【懐石一ノ】での食事を終え、本ツアーのためだけにライトアップされた堤防を、行灯で足元を照らしながら「六華苑」へと向かいます

続いて夜咄の後座の会場となる「六華苑」は、山林王として知られた実業家の二代諸戸清六の新居として明治44年(1911年)に着工、大正2年(1913年)に竣工されました。洋館を設計したのは、明治16年(1883年)国賓や外国の外交官を接待するために外国との社交場として建設された「鹿鳴館」の設計で知られるイギリス人建築家ジョサイア・コンドルです。「六華苑」の建物は国指定の重要文化財に指定されています。

    六華苑

    「六華苑」は通常、日中のみ開館するためライトアップされた姿を見る機会はなかなかありません

身支度ののち「濃茶席」が行われる「一の間」へと席入り(せきいり)。茶道「松尾流」の第12代家元妙玄斎・松尾宗典宗匠によるお手前で、濃茶をいただきます。上質な抹茶をふんだんに使い少量の湯で練る濃茶は香り高く濃厚な旨みが特徴です。

    六華苑

    こちらも国の重要文化財に指定されている和館の「一の間」

    和菓子は、桑名の【御菓子処 和(かず)】による季節の上生菓子

    和菓子は、桑名の【御菓子処 和(かず)】による季節の上生菓子

濃茶席が終わると「中立(なかだち)」となり、美しい庭を歩いた後、鳴物の音とともに「二の間」へ向かい「薄茶席」へと続きます。濃茶席はお茶をいただくまで声を発することなく、亭主の点てたお茶と向き合うような時間です。一方、薄茶席では会話をしながらお茶を楽しむことができます。

    薄茶の和菓子は、桑名【花乃舎】による季節の半生菓子。中央の栗餡と小豆の調和が素晴らしい

    薄茶の和菓子は、桑名【花乃舎】による季節の半生菓子。中央の栗餡と小豆の調和が素晴らしい

    和やかな雰囲気のなか、お家元による直々のおもてなしを受ける貴重な体験です

    和やかな雰囲気のなか、お家元による直々のおもてなしを受ける貴重な体験です

圧巻のベゴニアガーデンで植物と触れる

    ベゴニアガーデン

    エントランスの扉が開くと目に飛び込んでくる色とりどりのベゴニアは圧巻です

ナガシマリゾートが運営する「なばなの里」は、三重県最大級の花のテーマパークです。10月から5月にかけて開催されるイルミネーションも有名ですが、中でも人気があるのがここ「ベゴニアガーデン」です。

    ベゴニアガーデン

    日本有数のベゴニア園で、徹底した管理で咲き誇る大輪ベゴニアを一年中楽しむことができます

ベゴニア園としては日本最大級の規模を誇り、ベゴニアに囲まれた夢のような空間は約9,000平方メートルの大温室で約5,000鉢もの球根ベゴニアを鑑賞でき、色とりどりのベゴニアとフォトジェニックな写真を撮影することもできます。

    ベゴニアガーデン

    ガーデン内は4つの温室に分かれていて、世界各国から約600種、12,000株もの美しい花々を常時栽培、展示している

「長島ビール園」で地ビールを満喫

    同じく「なばなの里」内にある【長島ビール園】。工場と併設したレストランもある

    同じく「なばなの里」内にある【長島ビール園】。工場と併設したレストランもある

ここでは長島の地ビールを楽しむことができます。ドイツ人のブラウマイスターを招聘し、本場ドイツの製法にこだわり原料は麦芽・酵母・ホップのみで副原料は一切使用してしていません。そこに木曽川の澄みわたる水を使って醸造した麦芽100%のビールは言うまでもなく絶品です。

    長島ビール園

    ブルワリーの中まで丁寧に案内してもらい、その後に味わうビールがどのように誕生したのかが分かります

    長島ビール園

    左からピルスナー、ヴァイツェン、デュンケル。日本クラフトビール協会が主催する国内最大級の審査会「Japan Great Beer Awards2020」で3種とも入賞しています

醸造所を見学した後は実際にビールをテイスティングできます。すっきりとした味わいのピルスナーや、甘い風味と深いコクがあり滑らかな口当たりのデュンケル、濃厚で苦味が少なく、フルーティな香りと味わいをもつヴァイツェンのほか、4月から新登場した『いちごグレイス』も試飲しました。

    いちごグレイス

    いちごの恵み『いちごグレイス』。ナガシマファーム産いちごを使用した発泡酒で、いちごの華やかな香りと風味、ヴァイツェンが持つフルーティで柔らかい味わいとの調和が見事です

深い歴史や文化の背景がありながらリゾートの側面を持つ桑名市。知る人ぞ知る魅力を秘めたこの街をまるごと堪能できるプレミアムツアーならではのここでしかできない特別な体験が、きっと日本の印象をまた新たなものにしてくれることでしょう。

この記事を作った人

宿坊アカリ

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