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更新日:2017.08.18食トレンド 連載

ヒトサラ シェフズ・テーブル ダイジェスト vol.22 - ゲスト・有馬 邦明氏第2話『その土地に根付いたイタリア料理』

プロとして料理をこよなく愛する人々“Dish Artist”をゲストに、食のネクスト・トレンドを語るトーク番組『ヒトサラ シェフズ・テーブル』。Vol.21~22のゲストは、【パッソ ア パッソ】の有馬 邦明さんです。

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料理への入口はデザートへの好奇心だったが、学生時代のアルバイトがきっかけで、イタリア料理に傾倒していった有馬シェフ。イタリアに渡ったシェフが得たものは、季節ごとに特徴があるイタリアならではの土地の食材を生かした伝統的な料理。「毎日食べられるイタリア料理」を合言葉に、その土地を理解する大切さを語る。

第2話:その土地に根付いたイタリア料理

フランス料理人を夢見ていたイタリア修業時代

――学生時代、イタリア料理店で料理や接客を学ばれて、その後イタリアに行かれたんですか。

有馬:イタリアに住んでいる常連の方の紹介で、ミラノ郊外のベルガモのレストランで3ヵ月働きました。決め手は、ベルガモがフランスに近いということですね。

――フランスを狙ってイタリアに行かれたということですか。

有馬:フランスを狙っていました。技術と知識があってのプロだと思っていたので、仕事として、どっちを取るかと考えた時に、素朴で飾らないイタリア料理より、絵に描いたように、見事なフランス料理の方がたくさん学べると思っていました。

「1万円のコース」が与えた試練

――お店を始めたときの苦労話はありますか。

有馬:自分の技術がないことに気付いたことですね。まずお客さんのリクエストに答えられないのがありました。2800円でコースを出していたんですが、常連の方に「大事な席があるから1万円でやってくれ」と言われたんです。2800円でフルスイングしているのに、1万円でなんて考えられませんでした。だから調理の仕方もわからない、食材だけで高価だってわかるやつを使うしかなかったんです。そのときに愕然としました。この仕事を続けていくなかで、若い人たちが現れたとき、自分は絶対に消えていくという危機感を覚えました。

その土地の水から考える仕事

――有馬さんがよくおっしゃる、「その土地の水に合わせる」とはどういう意味ですか。

有馬:ヨーロッパの水は硬水で、いい出汁が出ないから水の代わりにワインを料理に多用していく食文化です。それに対して日本は出汁の文化ですよね。水が優れているのは日本が誇るべきもので、だとしたら料理のスタイルもそこにシフトし、考えていくべきなんじゃないかというのが僕の思いです。

ゲストプロフィール

有馬 邦明 氏

1972年大阪府生まれ。イタリア料理店で修業の後、1996年に渡伊。ミラノやフィレンツェ、トスカーナなどで約2年間修業を積む。帰国後、千葉県や都内のレストランを経て、「イタリアを感じた」という門前仲町に【パッソ ア パッソ】を2002年にオープン。旬の食材を求めて全国の生産者を訪ね歩くほか、自ら田畑に出向き、米や野菜作りを手伝う。「素材を一番おいしい形にしてお客さんに食べてもらうことが僕の仕事」という。

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ヒトサラ編集部

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