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更新日:2017.02.27グルメラボ

日本各地の美味しい「ご当地鍋」(北海道・東北編) 漁師の賄いが郷土の味に

冬はお鍋の美味しい季節ですよね。昔から日本人に愛された鍋料理だけに、日本各地には多種多様な「ご当地鍋」が存在します。今回は北海道と東北地方の各地の有名なご当地鍋をご紹介します。

日本各地の美味しい「ご当地鍋」(北海道・東北編) 漁師の賄いが郷土の味に

「石狩鍋」は元々漁師の賄い料理だった @北海道

 北海道の代表的な鍋料理といえば、やはり「石狩鍋」と「三平汁」。どちらも鮭をメインにしている(「三平汁」は塩ダラや糠ニシンを使う地域もあります)事が、いかにも北海道らしい特徴です。両者を混同される方もいますが、味噌ベースの汁に生鮭を用いるのが石狩鍋、塩鮭を用いてその塩味で食べるのが「三平汁」です。

 「石狩鍋」の名の由来は鮭が遡上する石狩川。元々は地元の漁師の賄い料理だったものを石狩川河口(現在の石狩市)の割烹【金大亭】が、洗練された料理へとアレンジして世に送り出したのが広まったきっかけと言われています。

鶏の出汁を吸ったきりたんぽの味わい @青森・岩手・秋田

 青森県の名物鍋といえば「じゃっぱ汁」です。「じゃっぱ」とは、津軽弁で雑把の意味で、これは魚を三枚おろしにした際に出る頭や内臓、身の付いた骨などの粗(あら)の事。塩ベースの汁で、魚は鮭かタラを用いることが多いようです。

 岩手県の代表的な鍋は、主に三陸地方で食べられている「どんこ汁」。「どんこ」とはエゾイソアイナメの事で、味噌をベースにした汁を用います。

 秋田の名物は「きりたんぽ鍋」。きりたんぽとは、つぶしたご飯を杉の棒に巻き付けて固めに焼いたもの。ちくわのような見た目です。そのきりたんぽを、比内地鶏の出汁をベースにしたしょうゆ味の汁で、ごぼうなどと共に煮込みます。固いきりたんぽがだし汁を吸って、口の中でやわらかくほろほろと崩れる味わいは、一度食べたらやみつきです。

東北の風物詩、芋煮会の主役「芋こ汁」 @山形・宮城・福島

 山形といえば、芋煮会が有名ですね。この芋煮会で用いられるのが里芋をメインにして豚肉などと煮込んだ「芋こ汁」(「芋のこ汁」とも)。醤油ベースの山形方式と、味噌ベースの庄内方式に二分されます。

 宮城県は知る人ぞ知る牡蠣の名産地。醤油ベースや味噌ベースの様々な「牡蠣鍋」が名物となっています。栄養豊富で海のミルクとも呼ばれる牡蛎で、身も心も温まります。

 馬肉を用いた「桜鍋」は様々な地域で郷土料理となっていますが、馬の産地である福島県もそのひとつ。味噌ベースですき焼きのようにして馬肉を頂きます。精力をつける効果があると言われています。

 ご当地鍋は癖のあるものも多いですが、観光客用のものは食べ易く整えられた味になっていて、具材も豪華になっている場合が多いです。流行を反映する事も多く、例えば「石狩鍋」には北海道のイメージを強くするため、バターやコーンやいくらなどをトッピングするお店もあるのだそうです。北海道や東北に旅行した際には、是非これらのご当地鍋を味わってみてはいかがでしょうか。

この記事を作った人

斎藤 健(フリーライター)

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