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更新日:2017.08.31食トレンド 旅グルメ

この店なくして広東料理は語れない名店中の名店【龍景軒】

2008年にミシュランの三つ星を獲得して以来、9年連続でその座を守り抜く【龍景軒】。「フォーシーズンズホテル香港」のレストランにして、香港では右に出るものはないといっていい、広東料理の名店です。香港グルメはこの店なくして語れません。

この店なくして広東料理は語れない名店中の名店【龍景軒】

9年連続の三つ星。料理の基本ともいえる哲学に一流たる所以が隠れる

 香港グルメといって、欠かせないジャンルのひとつがやはり広東料理でしょう。そして、香港で広東料理といって外すことができないのが、「フォーシーズンズホテル香港」にある、ここ【龍景軒】。ミシュランガイドにおいて中国料理店ではじめて三つ星に輝いたレストランとしても知られ、その星の輝きを9年連続で保ち続けているのですから、まさしく名店中の名店といえるでしょう。
 この店を名店たらしめる所以は、何と言っても陳恩徳シェフの手腕にあります。かつては「リージェント香港(現ホテルインターコンチネンタル香港)」の【麗晶軒】で腕をふるっていた陳氏。一度は引退しましたが、【龍景軒】のオープン時にホテル側からのシェフ就任の強い要望に、再び現場復帰。そして、三つ星まで獲得してしまうのですから、その腕前はまさしく超一流といえます。しかも、フォーシーズンズグループという一流ホテルのレストランでありながら、「美しさを競い合うのではなく、温かいものを少しでも早くお客様のもとへ」という考えから、過度な飾り付けは排除。料理の隅々に息づくそんな哲学に、三つ星の実力の片鱗を垣間見ることができるレストランです。

    一流ホテルの人気レストラン。週末ともなれば、3ヶ月待ちの予約という盛況ぶりだ

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香港中の広東料理店が真似するも、誰も到達し得ない唯一無二の味

 となると、気になるのが実際の味わい。しかし、この店の実力は、『まるごと鮑と若鶏のパイ包み焼き』を味わっただけで推し量れることでしょう。実は、この料理、香港の結婚式などで振舞われる菓子「鮑パイ」を、シェフが本物の鮑を使ってアレンジした、2008年の創業時からの名物。雲南ハムやポークリブ、鶏肉などのスープで8時間かけてじっくりと味を含ませながら炊いた鮑をパイにのせ、その上に鶏肉と上品な餡をかけた一品。味わえば、パイのほのかな甘さに上品な餡、スープの旨みをたっぷりと吸った鮑が合わさり、得も言われぬ幸せが口中をかけめぐるのです。今となっては、香港中の広東料理店がこぞって真似をする料理ですが、どの店も陳氏がつくるその味のレベルには到達できていない逸品なのです。一事が万事といえば容易いですが、これが香港一といっていい広東料理店の味わい。他の料理も味わえば、その実力をまざまざと思い知らされることになります。

    創業当時からのシグネチャー『まるごと鮑と若鶏のパイ包み焼き』

    創業当時からのシグネチャー『まるごと鮑と若鶏のパイ包み焼き』

陳恩徳氏

13歳で歩み始め、ひとつの頂点を極めた広東料理のスターシェフ

     13歳から料理の世界へ飛び込み、【福臨門】などの名店で研鑽を重ねる。出張料理のシェフなどを経て、リージェント香港(現ホテルインターコンチネンタル香港)の【麗晶軒】へ。その後、諸事情がありシェフを引退したが、【龍景軒】のオープンの際、「フォーシーズンズホテル香港」の強い要望もあって現場復帰。2008年に中国料理店で初となるミシュランの三つ星を獲得。以来、9年連続その輝きを保ち続けている。

     13歳から料理の世界へ飛び込み、【福臨門】などの名店で研鑽を重ねる。出張料理のシェフなどを経て、リージェント香港(現ホテルインターコンチネンタル香港)の【麗晶軒】へ。その後、諸事情がありシェフを引退したが、【龍景軒】のオープンの際、「フォーシーズンズホテル香港」の強い要望もあって現場復帰。2008年に中国料理店で初となるミシュランの三つ星を獲得。以来、9年連続その輝きを保ち続けている。

【龍景軒】

ロンケイヒン
☎+852 3196 8880
住所:4/F, Four Seasons Hotel Hong Kong, 8 Finance St, Central, Hong Kong
営業:12:00~14:30/18:00~L.O.22:30、日曜・祝日11:00~15:00/18:00~L.O.22:30
休日:無休

この記事を作った人

撮影/鈴木拓也 取材・文/吉田慎治

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