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更新日:2017.11.07グルメラボ

香港の活気あふれる食堂をイメージした空間で、本場の味を楽しめる神戸【施記 (しいき) 】

三宮で人気の中華料理店【施家菜】の2号店として、2016年6月にオープン。「大排档(ダイパイドン)」と呼ばれる、香港版バルレストランをイメージした活気ある雰囲気のなか、本格的な現地の味を気軽に楽しめるのが魅力です。

香港の活気あふれる食堂をイメージした空間で、本場の味を楽しめる神戸【施記 (しいき) 】

神戸の中国料理の伝統を継ぎ、本場のスタイルを発信

    活気あふれる現地の庶民的な食堂「大排档(ダイパイドン)」をイメージした店内

    活気あふれる現地の庶民的な食堂「大排档(ダイパイドン)」をイメージした店内

 神戸の広東料理の老舗【群愛飯店】創業者を父に持ち、4年半前に開店した香港スタイルの【施家菜】でも本場の味を発信し続ける店主の施蓮宗さん。同じビルにオープンした【施記】は、施さんにとっても待望の姉妹店です。

「本店は中華鍋で作る料理と点心だけで、焼臘(しゅうろ)料理がなかった。現地では3つがあって初めて本当の香港式レストランと呼べるので、ようやく揃いましたね」と施さん。

 焼臘料理とは、底が深い焼き物専用の窯で焼く叉焼などの肉の焼き物や、干し肉といった料理の総称。現地では専門の職人がいるほどの名物料理で。店内には種々の肉塊が下がり、見るだに食欲を刺激されます。

肉の旨味がギュッと凝縮した絶品の焼臘料理

    『特製前菜盛り合わせ』。写真は名物のイベリコ豚の叉焼とスペアリブ、広東アヒルの醤油焼、土日限定の神戸ポークの皮付き焼豚

    『特製前菜盛り合わせ』。写真は名物のイベリコ豚の叉焼とスペアリブ、広東アヒルの醤油焼、土日限定の神戸ポークの皮付き焼豚

 自慢の香港式の焼臘料理は、本場では専門の厨師が手がける、香港料理の要の一つ。カウンターから焼臘での調理の様子を見られることもあります。特に肉をタレに漬け込み、麦芽糖のタレを塗って照りと甘みを加え、2日がかりで仕上げる焼き物は、手間ひまかけた名物です。

 見た目に比してあっさりとした味わいは、窯に秘密が。筒形の窯の中に素材を吊るして下から直火で熱を通す肉は、宙に浮いているので脂落ちがよく、旨みを凝縮させます。

 つややかに照り映える盛合せは、期待に違わぬ逸品揃い。窯に釣って余分な脂を落とすため、ぐっと凝縮した肉の滋味が噛みしめるほどに滲み出してきます。

 中でも、名物のイベリコ豚の叉焼とスペアリブは、香港で“食神”として名を馳せる名焼臘師のレシピを再現。他にも、カリカリの香ばしい皮の食感がクセになる神戸ポークの皮付き焼豚、広東アヒルの醤油焼梅肉ソースなど、多彩な味わいで食べ飽きることがありません。

現地の家庭の味も充実した食堂感覚の一軒

  • 点心師が腕を振るう、本場の多彩な点心も楽しみの一つ

    点心師が腕を振るう、本場の多彩な点心も楽しみの一つ

  • 胡椒の香味がエビの甘味を引き立てる『エビと野菜の黒胡椒炒め』

    胡椒の香味がエビの甘味を引き立てる『エビと野菜の黒胡椒炒め』

 香港の食堂をイメージした店だけに、「本場の家庭料理も楽しんでもらえれば」と、気取らぬ一品も充実。気取らない本場の家庭料理も楽しみの一つです。ローメンや炒飯など定番の一品も、焼臘で焼いた叉焼が入ることでぐっと味わいが深まります。施さんも子供の頃に親しんだという現地の家庭的なメニューもあり、神戸に居ながらにして香港気分に。

  • 張りのある香港の平麺を使った叉焼ローメンは〆に人気

    張りのある香港の平麺を使った叉焼ローメンは〆に人気

  • イベリコ叉焼の香ばしい風味が際立つエビと叉焼の炒飯

    イベリコ叉焼の香ばしい風味が際立つエビと叉焼の炒飯

 また上階にある【施家菜】自慢の旬の鮮魚料理や点心もオーダー可能なのもうれしいポイント。同じビル内に2016年末に新たに登場した【施家菜別館】では、日本初上陸となる、香港で流行中の雲南蒸し鍋も楽しめます。

 香港の伝統の味から最先端の人気メニューまで体感できるここは、神戸中華の新境地を開く施さんの面目躍如たる集大成の一軒です。

【施記(しいき)】
電話:078-291-8086
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通2-10-21 伸野第2ビル 1F

※営業状況は店舗までお問い合わせください。

この記事を作った人

取材・文/田中慶一(フリーライター)

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