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SNSで話題沸騰中の寿司職人【照寿司】渡邉貴義氏 | 第3~4話

国内外から注目を集める一流シェフや料理人、食に精通するスペシャリストをゲストに招き、食のトレンドをお届けするインターネットラジオ番組『ヒトサラ シェフズテーブル』。Vol.27~28のゲストは、北九州より【照寿司】の渡邉貴義さんにお越しいただきました。

SNSで話題沸騰中の寿司職人【照寿司】渡邉貴義氏 | 第3~4話

 第1話では、独自のスタイルを確立した【照寿司】三代目の挑戦について、第2話では、大将が惚れ込んだ「放血神経締め」の魚をはじめ【照寿司】のメニューについてお話を伺いました。
 注目の後編では、名物、天然鰻を使った『鰻バーガー』や、豊前の海で獲れた特大の『赤貝』などの楽しみ方、今後のビジョンについてお伺いします。

第3話:食欲をそそる、極上のネタが揃い踏み

“鰻ハンター”との出会い

――天然鰻が、とにかくすごいんです。あれはどこから生まれたんでしょう?

渡邉:たまたま、お墓参りに大分県に行ったときに、“鰻ハンター”って言いますか、漁業権を持っている方に出会いまして、10㎏から30㎏くらい仕入れができるようなったんです。このご時世に、天然鰻を30kgですよ。もう全部買えるように努力しました。最初はつまみで出していたんですけど、ちょっと量が多いとか言われて。僕、ついつい出しちゃうじゃないですか(笑)。だから、何とか良い方法がないかなと思って考えましたね。

――なるほど。それで、ご飯ではなく、鰻でシャリを挟むと。

渡邉:はい。誰もやっていないことに魅力を感じるので、「鰻でシャリを挟んでやろう」と思ったのがきっかけですね。佐賀のすばらしい海苔も手に入ったので、鰻をサクサク、パリパリに焼いて、「ザクッ」と思いっきり堪能していただきますね。

個性的なことをやらなきゃいけなかった理由

――とにかくおいしいものを出すことにこだわっている渡邉さん。仕入れは先代から引き継いだルートなんですか?

渡邉:いえ、ほとんど新規でやらせてもらっていますね。自分で開拓していくのは本当に大変なことですが、とにかく最初は暇でしたから。色々試してみようと思い、SNSと携帯電話を使ってこちらから何かしらのアクションを起こして紹介してもらったり、出向いてお願いしたり。そのコミュニケーションでどんどん素敵な方々と出会えましたし、世界のいろんな料理人とも繋がれましたね。アクションを起こしたらまず「僕のFacebookみてよ」と。自分をわかってもらうには最適なツールだったんだと思います。

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第4話:時流をつかむ職人、渡邉氏の今後について

 SNS=プロフィールだという渡邉氏。“意外とマメで、面白いことが大好き”という彼のSNSを上手に使った仕入れ先ルートの構築や、先行きの不安な街場の寿司屋からの打破に至った経緯まで、余すことなく語ってくれました。あのパフォーマンスの誕生秘話から今後の【照寿司】、そして渡邉氏の目指す将来とは。

「生きること」=「寿司屋であること」

――三代目とはいえ、もともとお寿司屋さんを継ぐつもりはあったんですか?

渡邉:いや、ないですね。小学生の頃はフレンチのシェフに憧れたりもしましたが、中高時代は柔道に没頭してましたし、だからといって柔道家になりたい訳でもなかった。とにかく中途半端だったんです。

 でも、今は生きること事態が寿司屋だと思ってるので、全然意気込みが違いますよね。寿司というものを本気で意識したのは、正直ここ2~3年です。和食で3年、営業2年。先代にみっちりついて修業したとも言い難かった僕がこんな風になるなんて、本当に考えてもみませんでしたね。

地方から世界に向けて発信する、「これが照寿司のやり方」

――ご自分が広告塔になるという決意をされて、覚悟を決めての一念発起。その反響はいかがですか?

渡邉:今は本当にSNSの時代なので、世界中の、それこそ有名なシェフの方もご覧になるわけですよ。例えばアジアのべストレストラン50の1位に輝いた【ガガン】のガガン・アナンドさんみたいなトップシェフが、ものすごい興味を持って下さったんですよね。実際に来てくださって次回の予約まで。やっぱり戸畑っていう町が僕をこうさせたと思うんです。わざわざ僕の寿司を食べに来てくださる方のために何かできないか。旅行で地域が活性化すれば、自分はさらに食材が買える、すると地域の活性化に繋がる。その前例になれたのなら幸いですよね。みんながハッピーになれるんです。

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ゲストプロフィール

    決めポーズからのニッコリ笑顔がたまらない、渡邉氏のお茶目な魅力も【照寿司】の人気のひとつ。

    決めポーズからのニッコリ笑顔がたまらない、渡邉氏のお茶目な魅力も【照寿司】の人気のひとつ。

照寿司 渡邉 貴義 氏

1977年、福岡県生まれ。幼い頃はフレンチのシェフに憧れるも、大学を卒業して和食の道へ。3年の修業後、父が営む【照寿司】の営業部門で働くことに。しかし、人出が足りなくなり、板前へと転身。28歳という若さで三代目になると、店に変革をもたらす。扱う魚の質を上げ、価格を上げた結果、はじめは閑古鳥が鳴いたが、信念は曲げず。極上のネタで、創業50余年となる街場の寿司屋を、今や海外からも客を呼ぶ、寿司屋へと変えた。いまやSNSで話題の「#コレが照寿司のやり方」などパフォーマンスも定着し、わざわざ訪れる客が後を立たない、北九州の人気店となる。

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ヒトサラ編集部

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