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SNSで話題沸騰中の寿司職人【照寿司】渡邉貴義氏 | 第1~2話

国内外から注目を集める一流シェフや料理人、食に精通するスペシャリストをゲストに招き、食のトレンドをお届けするインターネットラジオ番組『ヒトサラ シェフズテーブル』。Vol.27~28のゲストは、北九州より【照寿司】の渡邉貴義さんにお越しいただきました。

SNSで話題沸騰中の寿司職人【照寿司】渡邉貴義氏 | 第1~2話

 今回のゲストは、北九州の戸畑にある【照寿司】三代目店主の渡邉貴義氏。SNSでは照寿司ポーズ「#これが照寿司のやり方」が話題になり、どこかで目にした方も多いのでは?

 28歳という若さで三代目になり、扱う魚の質を上げ価格を上げたにも関わらず、連日、世界中からお客様が訪れる、創業50余年となる街場の寿司屋のサクセスストーリーに迫ります。

第1話:唯一無二の寿司劇場。北九州【照寿司】とは

独自のスタイルを確立した、寿司屋三代目の挑戦

――ビジュアルインパクト、すごいんです(笑)。いつごろからですか、このスタイルをやり始めたのは。

渡邉:4年前くらいですね。本当にうちは普通の田舎の大衆店だったんです。たまたまヒノキの300年物の一枚板、出物がありましてカウンターを変えたんです。それまではカウンターにネタケースがあるような、田舎ならではの寿司屋だったんですよ。まあ、今もド田舎ですけど(笑)。

それに店を継いでから十数年も経つと、やっぱり「もっとやってやりたい」っていう想いが出てきたんですよね。目の前で、逃げも隠れもしないぞっていう感じの丸見えのカウンターにしたわけです。それで、大きな包丁を作って「ワッ!」と驚く何かをしたいなと。プラス、この誰でもできるポーズ。簡単に真似できるし「あ、照寿司だ」って面白がってくれた方がより拡散してくれるかなと。

地方から発信する時代に

――いま、地方が元気だと思うんですよね、東京よりも。その、“地方”って言い方があんまり好きじゃないんですけど。地元で発信している方が沢山いらっしゃって、で、良いお店がいっぱいある。今回も【照寿司】さんのことを紹介してくれた方がいて、色々面白いことがあるぞっていう事で、実際に北九州に行ってみたら、やっぱり良いんですよね。非常に個性的なお店が多くて、物凄くオリジナリティーを持っていらっしゃる。

渡邉:ありがたいです。【とびうめ】の田代さんなんかは、ほぼ毎日連絡を取っていますね。お互い苦労した時期を知っているからこそ、注目され、そんな彼と一緒に色々と挑戦できるのは、本当に嬉しいことです。

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第2話:ある日の照寿司のメニューから(産地、仕入れ業者、仕事など)

 2017年の冬。ヒトサラ編集長が【照寿司】を訪れたときのこと。代表的な冬の食材から、豊前の海で獲れた新鮮な魚介に加え、地元の良い土壌でとれた野菜など、ここでしか食べられない、素材を堪能しました。当時のメニューをはじめ、産地や仕入れ、職人仕事について詳しくインタビュー。【照寿司】の人気の秘密に迫ります。

渡邉氏が惚れ込んだ、「放血神経締め」の魚たち

――「熟成ではなく、寝かせている」という魚。これはどういったものなんですか?

渡邉:たまたまFacebookで見つけたんです。一度送ってもらったら、もうこれに惚れ込んじゃって。「放血神経締め」っていう技が施された魚というのは、血液を生きているうちに全部抜くんですよね。魚の生臭さっていうのは、魚の血がそうさせているので、それをもう根本から抜いてあげることで、腐敗にもつながらない。香りも色もとっても美しいままなんです。身が真っ白できれいなんですよね。これを届けてくれる五島列島の井手口さんには本当にお世話になっています。

鮑、鰆、鮪に紫雲丹。素晴らしい食材を活かす力とは

――渡邉さんも大きい方だけど、包丁も大きければ、ネタも大きいし、大振り系でバーンといくんですよね。

渡邉:そうですね。そういった意味では非常に男性的かもしれない。地元北九州っていうと、鮑の一大産地で、うちはもう500g以上、600、700gで毎日数キロずつ蒸しているんですけど、本当に素晴らしい漁場で。シンプルに蒸してお出しするんですけど、もう1個を4~5人前で切っちゃう。それを、肝ソースと合わせます。肝の脂分と味付けの塩味。それからシャリのお酢。全部混ぜたらマヨネーズになっちゃうくらい(笑)。この肝の香りがたった濃厚なマヨネーズをシャリで召し上がっていただくという。

――贅沢ですよね。聞いてるだけでもおいしそうでしょ?

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ゲストプロフィール

    決めポーズからのニッコリ笑顔がたまらない、渡邉氏のお茶目な魅力も【照寿司】の人気のひとつ。

    決めポーズからのニッコリ笑顔がたまらない、渡邉氏のお茶目な魅力も【照寿司】の人気のひとつ。

照寿司 渡邉 貴義 氏

1977年、福岡県生まれ。幼い頃はフレンチのシェフに憧れるも、大学を卒業して和食の道へ。3年の修業後、父が営む【照寿司】の営業部門で働くことに。しかし、人出が足りなくなり、板前へと転身。28歳という若さで三代目になると、店に変革をもたらす。扱う魚の質を上げ、価格を上げた結果、はじめは閑古鳥が鳴いたが、信念は曲げず。極上のネタで、創業50余年となる街場の寿司屋を、今や海外からも客を呼ぶ、寿司屋へと変えた。いまやSNSで話題の「#コレが照寿司のやり方」などパフォーマンスも定着し、わざわざ訪れる客が後を立たない、北九州の人気店となる。

この記事を作った人

ヒトサラ編集部

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