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更新日:2018.05.19食トレンド グルメラボ 連載

独学で夢を掴んだ【レフェルヴェソンス】生江 史伸シェフ×【辻調理師専門学校】辻 芳樹校長の食談義 | 第1~2話

国内外から注目を集める一流シェフや料理人、食に精通するスペシャリストをゲストに招き、食のトレンドをお届けするインターネットラジオ番組『ヒトサラ シェフズテーブル』。ダイジェストVol.25~26のゲストは、【レフェルヴェソンス】生江史伸シェフと【辻調理師専門学校】辻芳樹校長の対談をお届けします。

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 国内最大の調理師学校の代表を務める辻 芳樹校長と、調理師学校に通わず独学で料理を学んだ【レフェルヴェソンス】の生江 史伸シェフとの対談が実現。食の世界に生きる二人の価値観、そして現代のフランス料理や日本料理について熱く語っていただきました。

第1話:日本の食の底力

生江シェフと辻校長の出会い

――お二人の出会いはどのような形でしたか。

生江:最初の出会いは、辻さんが僕の店に食べに来てくれたんですよ。

辻:知り合いからすごいレストランがあると聞いて、足を運んでみました。彼の料理を口にしてみると、料理から伝わるメッセージ性が強く、それでいてすごく繊細。これは何度も行かなくてはいけないと思い、行けば行くほど味わいがわかる彼の「哲学」を感じました。

 そして彼は、料理へのメッセージは伝えてくれますが、自分の料理を押し付けることがない。食事後、彼と話させてもらったら、ものの5分話しただけでとてつもない人間だと思い、その場で取材をお願いしたんですよ。それが一番最初の出会いですね。

独学で料理人の夢を掴む男

――生江シェフ自身は辻調理師専門学校出身ではないのですか。

生江:そうなんです。僕は調理師学校を出ていないので、ちょっとかっこいい言い方をしたら、独学で料理の勉強をしてきました(笑)。

――独学で料理人になるのは難しいと思いますが…。

生江:できるとは思いますが、他の人より時間もかかりますし、もちろん苦労もたくさんあります。もしかしたら失敗することもあります。僕はどちらかというと、ラッキーだったのかもしれません。周囲で関わりあった方々や選んだ本がたまたま良かったのかもしれないですね。

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第2話:料理人の社会参加「いただきますプロジェクト」

 料理人をはじめ農家、酪農家、業者、ワイン生産者、日本酒の蔵元……など料理に関わるあらゆる人々が集結し、お互いの夢や希望、課題や苦しみを共有するべく発足された「いただきますプロジェクト」に参加する生江シェフ。食べることが世界を変える糸口になると信じる彼らの、そこにある“おいしい”以上の価値とは。

「いただきプロジェクト」のはじまり

――生江シェフも参加している「いただきますプロジェクト」はどういう経緯で立ち上がりましたか。

生江:もともとはシェフを中心とした意見交流会みたいなところから始まったのですが、立ち上げメンバーが料理人、レストランのサービスの人、レストランにものを卸している業者や農家、酪農家、ワイン製造者、日本酒の蔵元などの様々な職種の方々でした。その方々と集まって、いまの夢や希望、あるいは逆に問題点や苦しみ、そういったものをお互いに表に出して、みんなで照らし合わせてみようというのが発端です。

生産者・流通・料理人・サービスマンの繋がり

――生江シェフはどういう想いで「いただきますプロジェクト」に参加されたのですか。

生江:料理人を始めた頃、築地の八百屋さんにファックスを流して野菜を発注すると、自動的に次の日に持ってきてくれました。私自身も北海道で働いていたころ、自分で野菜をつくっていたんですよ。そのときに初めて、つくる人の苦労を知り、それから生産者さんに興味をもち始めました。ただ味覚的に満足するからという理由ではなく、その先には生産者がいるということを意識していただきたいなと思ったんです。

 生産者、流通、料理人、サービスの人が繋がって、みんなの顔を見ながら意識を共有したいなと。そういう気持ちで自分は参加しています。

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ゲストプロフィール

    写真左:L'Effervescence 生江 史伸氏、写真右:学校法人辻料理学館理事長、辻調理師専門学校校長 辻 芳樹氏

L'Effervescence 生江 史伸 氏

1973年、神奈川県出身。1996年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、【アクアパッツァ】入社。フュージョン系のレストランなどを経て、2003年、【ミシェル・ブラス トーヤ・ジャポン】に入店し研鑽を積む。スーシェフを経験後、2008年にイギリスの三ツ星【ザ・ファット・ダック】入店、スーシェフ及びペストリー部門担当に就任。2009年、帰国。2010年に【レフェルヴェソンス】エグゼクティブ・シェフに就任。「ミシュランガイド東京2015」にて二ツ星を獲得。以来、毎年二ツ星に輝き続けるトップシェフ。近年では「アジアのベストレストラン50 2018」にて第20位に輝き、第1回アジアのサステナブル・レストラン賞を受賞するなど国内外からも注目を集めている。

学校法人辻料理学館 理事長、辻調理師専門学校 校長 辻 芳樹 氏

1964年、大阪府出身。1993年に、学校法人辻料理学館 理事長、辻調理師専門学校 校長に就任。2010年、アメリカで開催された国際料理会議では組織委員を務め、「日本料理における多様性~伝統と革新~」について基調講演を行うなど、国内外で活躍中。近著に、光文社刊『すごい! 日本の食の底力 新しい料理人像を訪ねて』など著書も多数。料理界を牽引する第一人者である。

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ヒトサラ編集部

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