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更新日:2019.01.27食トレンド 旅グルメ

日本でまだ知られていない「新台湾グルメ」|台湾の「三杯(サンベイ)」をご存知ですか?

「台湾グルメ」と聞いて思い浮かぶのは、小籠包や夜市の屋台、タピオカという方が多いのでは? まだ日本ではあまり知られていないのですが、台湾には昔から「三杯(サンベイ)」という“合わせ調味料”を使った料理が数多くあるのです。“サンベイ”とは一体何なのか? さっそく台湾を訪れてみました。

日本人の舌に合う料理がたくさん! 様々な食文化が交錯する「台湾」

 日本からわずか4時間弱。台北 101をはじめとする都会的な建物や、九份(きゅうふん)のようなノスタルジックな風景が混在し、観光地としても魅力的な台湾ですが、日本人が訪れる目的の上位に来るのが「台湾グルメ」なのです。

    台北の中心地からバスやタクシーなどで約1時間30分。九份は、提灯に灯りがともる夕方から夜に訪れるのがオススメです

 台湾は、歴史的・民族的経緯から上海、四川、北京、広東など様々なタイプの中華料理に加え、日本の食文化からの影響も強く受けています。そのため、味付けや食生活も似通ったところがあり、日本人の舌に合う料理が多いことが魅力なのでしょう。

  • 地下5階、地上101階建てのショッピングモール「台北101」

  • 屋台のB級グルメは観光客に大人気。夜遅くまで地元の方や観光客で賑わっています

“三杯”と書いて“サンベイ”と読む。日本人にも馴染みのある台湾独自の味つけ

「台湾グルメ」の中に、台湾内ではポピュラーなのに日本ではあまり知られていない「三杯」という合わせ調味料があります。これは、米酒・醤油・胡麻油を同割で合わせたタレに、九層塔(台湾バジル)や唐辛子を加えたもので、「三杯」で鶏を煮た『三杯鶏(サンベイドリ)』やイカを煮た『三杯中卷(サンベイナカマキ)』など、様々な食材に使われています。

    三杯料理の中で最もポピュラーなのが、鶏肉を使った『三杯鶏』

 気になるその味は、日本の“甘辛煮”を少しピリ辛にしたような感じ。米酒とほんのり甘みのある黒豆醤油で煮込まれた濃厚さと、胡麻油の香ばしさが立つ中にすーっと通るバジルの爽やかさが加わり、なんとも深みのある味わいなのです。

    エリンギを「三杯」で炒めた『三杯杏鮑菇(サンベイエリンギ)』。奥までしっかりと味が染み込んでいます

美味しさの秘訣は、「九層塔(台湾バジル)」と「黒豆醤油」にあり!

「三杯」の魅力は、バジルのもつ爽快感と黒豆醤油の濃厚な味わいにあります。

 台湾料理で頻繁に使われる「九層塔(台湾バジル)」は、西洋のスイートバジルと比べて葉が小さく、やや渋みがあり、香りも強め。三杯料理の他にも唐揚げの香りづけにも使用され、炒めたり油で揚げることで独特の香りを放ち、料理に風味を添えます。

  • 台中・雲林にあるバジル畑。実際に訪れてバジルを収穫。摘み立てのバジルは特に香りが濃くてフレッシュ

  • 収穫後は畑の真ん中でランチ。バジルの香りが漂う中でのランチはとっても贅沢な体験でした!!

 また、「三杯」で使用する醤油も日本のものとは異なります。

 日本の醤油は大豆ベースなのに対し、台湾は黒豆がベースの「黒豆醤油」。その醸造方法も異なります。日本は大豆と脱脂大豆などを蒸し、炒めた小麦を麹菌に入れて3日間かけて麹をつくりますが、「黒豆醤油」は小麦を使用せず、蒸した黒豆を麹と食塩の中に入れて、4〜6か月ほど醸造します。その味は、日本の醤油に比べて豆の香りが深く、甘くて濃厚で余韻が長く残るのが特徴です。

  • 台北・雲林県にある老舗醤油工場【丸荘(マルソウ)醤油】。百年の醸造技術と契約栽培の国産黒豆を、古法に従って180日間手作業で醸造します

  • 工場内で醸造中の醤油を一口。生の醤油は濃厚で、納豆のような香りが。通常の塩分濃度が16度に対し、こちらは18度とやや高め

 そんな台湾独自の食材を用いた「三杯」。日本の台湾料理店でも食べられるのですが、より身近に感じてもらうために「三杯」を使った料理のつくり方を教えてもらいました!

本場・台湾のシェフ直伝!!『三杯鶏』のレシピ

  • 材料(4〜5人分)
    鶏もも 500g
    黒豆醤油(大豆醤油も可) 100ml 
    米酒(料理酒) 100ml
    胡麻油 100ml
    ニンニク 1〜2玉
    ショウガ 10〜20スライス
    九層塔(西洋バジルも可) 1〜2掴み 
    長ネギ 1本
    唐辛子 4〜5片
    料理酒(下味用) 適宜

つくり方

まずは、食材の下準備をします。ニンニクは皮を剥き、生姜は薄く縦にスライス、長ネギは3cm幅にカットし、唐辛子はタネを取っておきます。

  • ❶鶏肉の下ごしらえをする
    鶏肉は二口大にカット。醤油や酒で下味をつけ、鶏肉の約4倍の量の油で揚げる。7割ほど火が通ったら、火から上げます

  • ❷鍋が温まったら、胡麻油を入れる

  • ❸生姜をじっくりと揚げる
    胡麻油に生姜を加え、香りが移るように弱火で飴色になるまでじっくりと揚げます

  • ❹ニンニクを加えて炒める

  • ❺鶏肉、醤油、料理酒を加える
    ❶の鶏肉を入れ、醤油と料理酒を加えてさらに炒めます

  • ❻唐辛子と長ネギを加える
    肉にソースが絡んできたら、唐辛子と長ネギを加え、さらに炒めます

  • ❼バジルを加えて蒸す
    ネギがしんなりしてきたらバジルを加え、蓋をして煮詰めます

  • ❽完成!
    写真のように焦げ目がつくくらいじっくりと煮詰めれば、より味わい深く仕上がります。

 この「三杯」は、胡麻油や醤油など、日本の家庭でも馴染みのある味に台湾バジルが加わることで、親しみやすい中にも台湾独特の個性が感じられるもの。それが鶏肉の他にもイカやエリンギ、白身魚、タケノコなど様々な食材に利用可能なので、日本の食材でも気軽につくれるのは魅力的ですよね。

 そんな、まだまだ日本では知られていない「三杯」。台湾へ行って食べるも良し、日本の台湾料理店で食べるも良し、家でつくってみても良し。新たな台湾グルメに是非触れてみてください!

取材協力:看見台湾基金会(iSee Taiwan Foundation)
公式HP:http://www.iseetaiwan.org/en/Index.aspx

この記事を作った人

取材・文/シマアキコ(ヒトサラ編集部)

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