台湾発【フージンツリー】が日本橋にオープン。台湾料理とシャンパンで非日常を味わう
2019年9月にオープンした商業施設・コレド室町テラスのなかでも、台湾発の【誠品生活】が出店した2階は台湾好きを中心に大勢の人が訪れているフロアです。そして食事どきになると向かうのが台湾料理店の【富錦樹台菜香檳(フージンツリー)】。台湾料理の新しい面が見られるメニューをご紹介します。
新しい台湾料理の草分け
【フージンツリー】はもともと、台北の富錦街(フージンジェ)でカフェやセレクトショップを営むフージンツリーグループの創業者ジェイ・ウーさんによって、同地で2014年にオープンしました。
ジェイさんが台北で海外からのお客さんを迎えるときに、「世界基準にアレンジした台湾料理を、洗練された空間でお酒とともにゆっくり味わってもらいたい」と考えたのが始まりだったといいます。
オーナーのジェイさんの出身である台南料理を提供する
コレド室町テラスの店舗が海外初出店となり、日本での店舗もジェイさんがプロデュースしています。広い店内にはさまざまな人数に対応できるテーブル席が並び、その中央にはオープンキッチン。ジャズなど落ち着いた音楽が流れる店内は、夕方になると照明が落とされムーディーな雰囲気に。
台湾料理と言われて想像しがちな台湾ローカルな雰囲気とはひと味違い、ジェイさんらしい世界観が感じられます。
広々とした店内の中央はオープンキッチンになっている
店内奥には6人で利用できる個室も。使用料はかからない
テラス席は屋根があるので雨が降っても安心だ。20人ほどの貸し切りも可能
台北出身のアーティスト、リー・チーさんが手掛けたアート作品。本人が来日して設営したという
台湾食材を楽しむ台南料理
それでは、肝心の料理をご紹介しましょう。【フージンツリー】では、ジェイさんの出身である台南の家庭料理を中心に提供しています。メニューとしては昔からある定番でありながら、現代風の洗練さが加えられています。
まずは『水蓮菜と木の実の炒め』を。1,480円(税抜)
台湾の南部に位置する台南は海に面しており、牧場が多く、野菜もふんだんにとれ、食材が豊富なことで知られます。【フージンツリー】ではそんな台湾らしい食材に出会うことができます。
とくに日本では滅多に食べられないのが、『水蓮菜と木の実の炒め』の水蓮菜(すいれんさい)という台湾の野菜です。塩ベースで炒められた水蓮菜は苦みがなく、シャキシャキとした歯ごたえは今までに味わったことのない感覚かもしれません。一緒に炒めているのは、豚肉と破布子(ハブシ)と呼ばれる木の実。台南独特の食材で、漬物のようなしょっぱさが感じられ、味のアクセントとなっています。
プリっとした牡蠣とサクサクの揚げパンが合わさった『カキと揚げパンのニンニクソース』1,880円(税抜)
ベビーオイスターをオイスターソースで炒め、ニンニクソースで引き立てた『カキと揚げパンのニンニクソース』は、ご飯が進む一皿。台湾では大きな牡蠣より小ぶりなベビーオイスターのほうが一般的で、日本の店舗では広島県産の濃厚な味わいの牡蠣を使っています。
最後にサクサクの揚げパンに、炒めた牡蠣をソースごとかけて完成。ソースが染み込んだあとのパンもぜひ味わってみてください。
『花ニラとピータン 豚挽肉のピリ辛炒め』1,680円(税抜)
花ニラの香りと豚肉とピータンの旨味が合わさる『花ニラとピータン 豚挽肉のピリ辛炒め』は、ほとんどのテーブルで注文される定番メニューです。花ニラは日本で一般的に食べるニラよりシャキっとした歯ごたえで、ほどよい苦みが感じられます。塩みを利かせるのに一役買っているピータンはあまりクセがなく、ピータンが嫌いな人にもすすめられるメニューです。
実際の台南料理は油を多く使うそうですが、【フージンツリー】では控えめにしているので、ヘルシーにいただくことができます。どれも運ばれてきた瞬間に食欲をそそられる香り…!お酒とご飯が進むことは間違いありません。
台湾料理とシャンパンという提案
台北で同店をオープンする際、ジェイさんがつくりたかったのは台湾料理とともにお酒をゆっくり楽しめる空間でした。
そこで台湾料理とのマリアージュに選んだのは、シャンパン。台湾料理は肉料理、魚料理で単純に分けられないことが多く、赤ワイン・白ワインで選ぶよりも、非日常感を感じさせつつ何にでも合うのがシャンパンだと考えたそうです。
お店のオススメは、国内ではあまりお目にかかれない『ベルナール・トルネイ』。オーナーのジェイさん自らワイナリーまで行ったそう
料理はどれも味付けがしっかりしているので、シャンパンは甘さ控えめですっきりしたタイプをラインナップしています。「この料理にはこれ」という決め方はしていないとのことなので、好みを伝えて相談してみましょう。
2019年11月8日までは1日100食限定で試食セットもありますが、基本はアラカルトの大皿メニューをシェアして食べるかたちです。友人や恋人と2人で行くのもよいですが、一皿のボリュームがあるので、数人でいろいろな種類をシェアして食べるのもオススメです。
目安はランチがドリンク別で1人1,800円~、ディナーが4,000円~。シャンパンはボトル7,500円~、グラス1,280円(税別)。17時以降は別途サービス料が10パーセントとなります。
落ち着いた大人の街で台湾料理とシャンパンを。非日常の時間が味わえる場所となりそうです。
取材・文/泉友果子 撮影/冨樫実和
メディアに勤務後、フリーランスの編集者、ライターに。街や食、旅といったテーマに携わる。
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