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更新日:2020.06.05グルメラボ

料理人の愛読書をご紹介「シェフの本棚」|【ELEZO】佐々木章太さん

料理人の方々がどんな本を読み、どんな学びを得ているのか――、そんな料理人の愛読書をご紹介する「シェフの本棚」。幼い頃から「物事の本質」に興味を抱き、レシピ本を読むにしてもハウツーの要素よりシェフの考えに触れることに喜びを覚えたという【ELEZO(エレゾ)】佐々木章太さん。そんな彼が料理人として、そして経営者として成長するために必要としてきた本とは。

【ELEZO】佐々木章太さんの愛読書

~愛読書をご紹介してくださるのは~
【ELEZO】佐々木章太さん
  • 【ELEZO】佐々木章太さん

  • 1981年生まれ。北海道出身。プロのアイスホッケー選手を目指すも、家業を継ぐために飲食業界に転身。料理専門学校を卒業し、【ビストロ・ド・ラ・シテ】などで修業した後、野生肉処理許可を獲得し、2005年にジビエ肉の狩猟、流通、加工、飲食業を営むELEZO社を創業。

本質を突いた本は自分ごとに活用できる

スタープレーヤーを目指すか。チームワークを重んじるか。
 
長らくアイスホッケーをやっていた僕は、料理の世界に入って会社を興すにあたり、後者を選択しました。そして、思ったのです。どうせなら「強い組織」をつくろうと。ただし、そのためにはまず僕自身が己を磨かなければいけません。高い志を掲げたところで実力が伴わなければ意味がありませんからね。

そこで手にしたのがドラッカーの著書でした。組織のメンバーがてんでばらばらな目的に向かって走るのではなく、皆がひとつのお題に集中する。と、意見を戦わせられるし、一人一人の視野も広がる。ひいては多くのお客様を喜ばせることになる。十勝豊頃町でスタッフが集団生活を送るのは、この発想がヒントになっています。

    『経営者の条件』P.F.ドラッカー/ダイヤモンド社

    『経営者の条件』P.F.ドラッカー/ダイヤモンド社

さて、経営者である一方、僕は料理人でもあります。後輩が壁にぶつかったときにアドバイスできるように矢面に立ち、職人としての背中を見せるのも大事です。
 
その点、斉須政雄シェフの『調理場という戦場』は僕に指針を与えてくれました。たとえば人はとかく交友関係を広げたがりますが、自分のキャパシティを超えてしまうと振り回されかねません。分をわきまえて行動するのは意外と難しいものですが、その本を読んで、まずは足元を固めることだと強く意識するようになりました。

    『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』斉須政雄/幻冬舎

    『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』斉須政雄/幻冬舎

それから、堀江貴文さんの本も傍らに置いておきたい一冊。堀江さんについてはとかく断片的な発言や言葉じりをあげつらわれることが多いように感じますが、よくよく咀嚼すると「要点」を的確に捉えている人であるとわかります。本書では物事の本質がしっかり語られているので、テーマが仮に経済であったとしても、食材をどう選ぶか、料理をどう提供するかなど、料理の世界に置き換えても読むことができる。普遍性を宿しているのです。

    『多動力』堀江貴文/幻冬舎

    『多動力』堀江貴文/幻冬舎

~佐々木さんの愛読書3選~ 『経営者の条件』
  • 『経営者の条件』P.F.ドラッカー/ダイヤモンド社

  • 『経営者の条件』P.F.ドラッカー/ダイヤモンド社
    経営者のみならず、成長したいあらゆる人の自己管理に役立つ不朽の名著。成果をあげるためには、己を知り、なすべきこととなさざるべきことを知る。セルフマネジメントの方法が示されている。

『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』
  • 『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』斉須政雄/幻冬舎

  • 『調理場という戦場「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』斉須政雄/幻冬舎
    日本を代表するフレンチの巨匠であり、名門【コート・ドール】のオーナーシェフを務める斉須シェフの仕事論、リーダー論、人生論を明瞭に綴ったロングセラー。心に響く言葉
    の数々を噛み締めたい。

『多動力』
  • 『多動力』堀江貴文/幻冬舎

  • 『多動力』堀江貴文/幻冬舎
    ひとつの仕事をコツコツやる時代は終わり、今までネガティブに捉えられていた「多動力」こそがあらゆる業界の壁を軽やかに飛び越える。未来の日本人に必要なスキルと説くホリエモンのビジネス書。

この記事を作った人

撮影/佐藤顕子(書影) 取材・文/甘利美緒

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