こんなお店が欲しかった!どんなときも楽しい洗練の居酒屋【創和堂】東京・恵比寿
ときには仲のいい友人と。そしてときには大切な商談で。そしてときにはふらりと1人で。どんなときでも、おいしい料理とお酒と笑顔で優しく受け止めてくれる。そんな心の拠りどころにしたくなるお店がオープン。一度行ったら、また次に誰かを誘って行きたくなる、とっておきのお店をご紹介。
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入り口から、サプライズが始まる!
好きな人との距離がグッと縮まるシェアスタイル
あの名物も登場。ウキウキが止まらないメニュー
入り口から、サプライズが始まる!
渋谷の雑居ビルの2階に突如現れるシックなカウンター。吟味されて選ばれた日本酒と自然派ワイン。そして酒飲みの心をくすぐる料理の数々で瞬く間に人気になった【酒井商会】。その店主・酒井英彰さんが2020年7月に恵比寿に、自身2店目となる【創和堂】をオープンした。早くも食いしん坊の心を鷲掴みにしたその店は、すでに予約が取りにくい人気店となっている。
入り口に入ってすぐに登場する、隠れ家バー。バーだけの予約も可能
この【創和堂】、【酒井商会】と同様、大人がちょっとワクワクしてしまう「隠れ家感」に満ちている。
ひっそりと主張しない扉をあけると、まず目に入るのは、シックなバーカウンター。「あれ? 店を間違えた?」と不安に思うなかれ。実はここ、バーin レストランが店内にあるというなんとも洒落た仕立てなのだ。この秘密めいた、大人の雰囲気漂うバーを通り過ぎて奥の扉を開けると、広い活気のあるダイニングに到着する。この“静”と“動”のギャップにこれから始まる、おいしいひとときへの期待がより高まるだろう。
ちなみに、このバー、純粋にバーとしての利用ももちろんOK。けれど、それだけじゃもったいない! せっかくなら友人とここで待ち合わせをし、アペロを一杯飲んでからダイニングに向かう、というのがおすすめだ。
好きな人との距離がグッと縮まるシェアスタイル
大人のカップルがカウンターでゆっくり、つまみと酒を“おまかせ”で楽しむのが【酒井商会】だとしたら、【創和堂】は、開放的な空間に身を置き、仲間とアラカルトの料理を“シェア”して楽しむスタイル。料理はなんと、常時60種類近くオンメニュー。基本的にそれらの料理はすべて2人前が一皿に盛り込まれており、仲間で分け合うことで、楽しい時間がさらに楽しくなるイメージだ。
『わっぱ盛り合わせ・小鉢』1,800円。まずは酒のつまみにと頼む人が多いメニュー
とはいえ、“こうじゃなければいけない”という押し付けは一切なし。たとえば1人客にも優しいのがこの店のいいところ。相談すれば、料理の分量を1人用に調整し、魅力的なメニューを1人でも数品頼むことができるのは、なんとも嬉しい。
大勢のスタッフがきびきびと働き、炭鉢を中心に据えた劇場のようなキッチンを囲むカウンターは、人々のさざめきがいいBGM。どんなシチュエーションで訪れても、自然と店の風景に馴染んでしまう心地よさがある。
原始焼きを焼き上げる炭鉢。鉢は酒井さんが作陶家にお願いしてつくってもらったオリジナル
そんな【創和堂】で名物となっているのが、『原始焼き』だ。これは主に九州から直送で取り寄せた魚や野菜を、独特な形で組み上げた“炭鉢”でシンプルにゆっくり焼き上げたもの。
「炭を組み上げ、横から食材に当てる火は、日本で料理という概念が生まれてから最初の火の入れ方だと知りました。だから“原始焼き”と名付けています。ゆっくりじんわり距離をとって火を入れていくので、しっとりと、素材本来の味が引き出されますね」と酒井さん。この料理をしたくて、炭をいれる鉢を特注し、中心の炭をくべる鉄コイルは、金属加工工場を訪ね歩いて理想のものを探し抜いたそう。
【創和堂】名物・原始焼き。旬の魚や野菜をシンプルに塩焼きに。今日はさんま、のどぐろ、かます。1尾800円〜
基本的に、【酒井商会】も【創和堂】も、酒井さん出身の九州を中心とした食材でつくる料理と酒を楽しむスタイルはかわらない。けれど以前の店では炭火が使えなかったため、"炭火焼"は【創和堂】でしか食べられない。じっくりと炭火で焼き上げられた、旬の魚はシンプルに塩で。日本酒と合わせれば、これぞ極上の味わいだ。
通常3-4種類の魚が登場。丸ごと焼く魚は、大きすぎないものを選んでいるため、2人でも2種類注文して食べ比べするのも楽しい。季節を変えて訪れれば、その季節ごとの魚に出会え、日本の海の豊かさを知ることができる。
あの名物も登場。ウキウキが止まらないメニュー
そしてもう一つ。ぜひ頼んでほしいメニューが、【酒井商会】のファンなら一度は必ず食べたことがあるであろう、かの店の名物『雲仙ハムカツ』だ。
「前の店からの常連さんからも、リクエストをいただくことが多いので。喜んでいただけるのであればと、こちらの店でも出すことにしました」と酒井さんは笑う。惜しげもなく厚切りにした雲仙ハムカツは、ジューシーな肉汁をたたえた食べ応えのある一品。この日は徳島県のクラフトビール『KAMIKATZ』のIPAを合わせて楽しんだ。これが、これ以上最高の組み合わせがあるのだろうかと思うほど、ぴったりの組み合わせ!!
【酒井商会】で大人気メニューとなった『雲仙ハムカツ』はこちらでも食べられる
もちろん目当てにしたい料理は『原始焼き』や『雲仙ハムカツ』だけではない。なんといっても【創和堂】の魅力は、食材の旬とともに変わりゆく、食いしん坊なら思わず全制覇したいと願わずにはいられない料理の数々だろう。
例えば、初秋、『馬肉の生ハムと柿の白和え』や『鱧と夏野菜の南蛮漬け』など、夏の終わりと秋の始まりを感じるメニューを堪能したかと思えば、晩秋にまた訪れるたときには『すっぽんの茶碗蒸し』や『くえの出汁しゃぶ』など気に冬に向かって変化した料理を楽しめる。
店主の酒井英彰さん・35歳。福岡県出身
産直の食材を使い、それらを生かした料理にするからこそ、ゲストは訪れるたびに日本の細やかな季節を、たくさんの料理から感じることができるのだ。そうした刻々と変わりゆく季節を味わいに、ついまた訪れたくなってしまう。だからこそ、私が誰かと、おいしいものを食べてリラックスしたいと思うときに、真っ先に頭に浮かぶお店が【創和堂】なのかもしれない。
現に今。今度は、前回食べられなかった、『すっぽんの春巻き』食べにいかなくては。そんなことを思いながら、次はいつ行こうかとカレンダーとにらめっこしている。
撮影/岡本裕介、佐藤顕子 取材・文/山路美佐(ヒトサラ副編集長)
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