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更新日:2021.01.12食トレンド

リ・カーリカの新店は、朝昼晩と立ち寄れる「街の食堂」|学芸大学【Ri.carica ランド】

【リ・カーリカ】や【カーリカ・リ】、【あつあつ リ・カーリカ】と繁盛店を手掛ける堤さんが、2020年11月に4店舗目となる【リ・カーリカ ランド】をオープン! 朝は「お粥」、昼は「カレー」、夜はワインと一品料理に加えてご飯やみそ汁も出る「バー」へと姿を変えます。さらに、店内にはショップやオフィスまであるというのです。一体どんなお店なのか、さっそく伺ってみました。

リカーリカランドの生ハム

朝・昼・晩と、気軽に立ち寄れる「街の食堂」

堤さんが新しいお店を立ち上げると聞き、どんなお店なのか尋ねてみると「朝昼夜とメニューを変えて出す飲食店にショップを併設。さらにオフィスやラボもあります」――、それってどんなお店なの?と、疑問は深まるばかり。

    学芸大学駅東口から徒歩8分。白くて大きな「Ri.caricaランド」の看板が目印

    学芸大学駅東口から徒歩8分。白くて大きな「Ri.caricaランド」の看板が目印

それなら、「1日中、お店で過ごしてみよう」と、とある日曜日、店舗の休憩時間を除く朝から晩まで滞在してみたところ、堤さんがなぜこのお店を立ち上げたのか、その想いが見えてきました。

【リ・カーリカ ランド】ってどんなところ?

自然光がたくさん入り込むガラス張りの店内は、とても明るく開放的。外から様子が見えるので一人でも立ち寄りやすく、夜はオレンジの光に包まれてしっとりと落ち着いた雰囲気に。ワイン片手に語らうことができる、まるで“おうちのダイニング”のようなお店です。

    お店の中央には、大きなテーブルを配置

    お店の中央には、大きなテーブルを配置

店内の併設ショップには、イタリアのナチュラルワインをはじめ、日頃から付き合いのある国内の生産者がつくった食材が並びます。この食材、実はお店で出されるメニューに使われているものばかりで、「このしいたけ、おいしい!」と思ったら買って帰ることができるのです。なので、食事が終わるとショップで食材を購入するお客さんも多いのだとか。

    ワインやパスタ麺、海苔などが置かれたショップ(物販スペース)。お店の休憩時間も入店可能で、終日食材を購入できます

    ワインやパスタ麺、海苔などが置かれたショップ(物販スペース)。お店の休憩時間も入店可能で、終日食材を購入できます

「近所の方が、朝・昼・晩と気軽に立ち寄れる食堂がつくれたらな、と思ったんです」。

オーナーの堤さんが話す通り、朝は「お粥屋」、昼は「カレー屋」、夜は「ワインバー」と3つの顔を持つ新店は、いままでのイタリアンのイメージにとどまらない、自由なメニュー構成が魅力的。

朝粥、発酵カレー、ワインやお酒に合う一品料理を提供

では、どんなお料理が食べられるのか、さっそくご紹介します!

モーニング(9:00~11:30)
『あなたの健康を守る朝粥』

    1,500円(税抜)※なくなり次第終了。玄米粥、生ハム、10種のお供にウーフのルイボスティつき。+500円でマッコリ『ホワイトマンデイ』も追加可能

    1,500円(税抜)※なくなり次第終了。玄米粥、生ハム、10種のお供にウーフのルイボスティつき。+500円でマッコリ『ホワイトマンデイ』も追加可能

まず、「あのリ・カーリカがお粥?!」という意外性に驚きます。

「このお店をつくる際、イタリアンという縛りは設けなかった」(堤さん)という通り、朝から重たいものを食べたくない、というスタッフの意見が合致し、「お粥」にしたそう。それでも、“らしさ”が垣間見えるのが、生ハムが添えられているところ。

「お粥が熱々のうちに、生ハムに巻いて食べて下さい」と、言われるがまま巻いてみると――

    生ハムのクラッタは、お粥が熱々のうちに巻いて食べるのがオススメ。食べるとその意味が分かります

    生ハムのクラッタは、お粥が熱々のうちに巻いて食べるのがオススメ。食べるとその意味が分かります

生ハムの脂が溶けて広がり、シンプルで優しい味わいの玄米粥に、ほどよい塩味と旨味を加えてくれます。なんて新鮮な味わいなのだろう。これは、フレッシュで極薄な生ハムだからこそ成せる業。家でやろうと思っても、こんなに極薄にカットされた上質な生ハムは手に入らないため、お店でしか味わえません。

    これがお粥のお供。「日本の発酵文化を大事にしたくて、いろんな食材を集めてみたらお粥が一番合わせやすかった」と堤さん

    これがお粥のお供。「日本の発酵文化を大事にしたくて、いろんな食材を集めてみたらお粥が一番合わせやすかった」と堤さん

さらに、“お供”の数にも驚きます。全国から集めたという10種の副菜は、「鮎のナレズシ」や「鮎うるか」、「いぶりがっこ」に「発酵水キムチ」など、免疫力をあげてくれる発酵食品が並びます。どれも奥深い旨味を感じられ、お粥のお供が充実しすぎて玄米粥が足りるか不安になるほど(汗)。

こんなにたくさんの発酵食品を食べる機会は滅多にないので、まるで“極上の精進料理”を食べているかのよう。身も心も洗われ、清らかな気持ちになりました。

ランチ(12:00~14:30)
『発酵スパイスカレー』

    1,500円(税抜)※なくなり次第終了。こちらもベースは「発酵」。どこまでも我々の体を労わってくれます

    1,500円(税抜)※なくなり次第終了。こちらもベースは「発酵」。どこまでも我々の体を労わってくれます

12時からはガラッと変わり、カレー屋に変身!
カレーのベースは、モッツァレラチーズのホエーで漬けた水キムチの“乳酸発酵汁”。それにネパール系のスパイスや豆鼓で辛味を加えます。さらに上からドライ納豆や海苔、辛子高菜、アラビアータソースをインド寄りにした「グンドゥチリトマトソース」、それにペコリーノチーズなどをのせていきます。

    最初はそれぞれの箇所の味を楽しみ、最後に全体を混ぜて食べると、スパイスの辛味の中にまろやかさが生まれます

    最初はそれぞれの箇所の味を楽しみ、最後に全体を混ぜて食べると、スパイスの辛味の中にまろやかさが生まれます

一言でどんなカレー?と問われても、なかなか言い表すことが難しい。ベースに酸があるので最初に酸味を感じるのですが、「食材に6つの国が混ざってます」(堤さん)という通り、食べる場所によって全く印象が異なります。さまざまな国が頭をよぎる、“多国籍カレー”といったところでしょうか。

こちらも健康を考え抜かれたカレーなので、食べた後はなんだか体がすっきりと爽快でした。

バータイム(18:00~23:00)
「タベレルBAR」

    ブルスケッタ。上から『アモールポレンタとピーマンとサラミ』、『カカオトーストとイチジクバター』、『塩漬しらうおとバターのブルスケッタ』各500円(税抜)

    ブルスケッタ。上から『アモールポレンタとピーマンとサラミ』、『カカオトーストとイチジクバター』、『塩漬しらうおとバターのブルスケッタ』各500円(税抜)

ディナータイムは、“タベレルBAR”に姿を変えます。その名の通り、食も楽しめるバーです。

『お通しの茶わん蒸し』からはじまり、お酒に合う“小粋な小皿”料理が選べます。気軽に手でつまめるブルスケッタや、イタリア産のクラッタと、パンチェッタコットやプロシュートコットなどの「生ハムの盛り合わせ」が楽しめます。

    絶対に食べるべき1皿、『極薄クラッタとハムの盛り合わせ』1人前 1,200円(税抜)

    絶対に食べるべき1皿、『極薄クラッタとハムの盛り合わせ』1人前 1,200円(税抜)

「タベレルBARを訪れたら、まずは『極薄クラッタとハムの盛り合わせ』からぜひ! ワインは、ドライでナチュラルなランブルスコを合わせてみてください」とのこと。

  • ベルケル社のスライサーで生ハムを極薄にスライス

    ベルケル社のスライサーで生ハムを極薄にスライス

  • ワインだけでなく、多彩なお酒を提供しています

    ワインだけでなく、多彩なお酒を提供しています

もちろん、お酒も充実。イタリアのナチュラルワインをはじめ、グラッパやマッコリ、クラフトジンなどもあり、ジンは約20種の中から好みの味や香り、飲み方を選べます。ドリンクリストから選ぶのもいいですが、スタッフさんはお酒にとても詳しいので、好みを伝えておまかせするのもあり!

ショップ
9:00〜22:00

  • 生産者についてや味わい、調理方法などが描かれたポップ

    生産者についてや味わい、調理方法などが描かれたポップ

  • 左の卵を使った『春夏秋冬のオムレツとバルサミコ』800円(税抜)

    左の卵を使った『春夏秋冬のオムレツとバルサミコ』800円(税抜)

お店の料理に使われている食材が購入できるのって、嬉しくないですか?「この美味しい料理を家族や大切な人にも食べさせたい」と思っても、子育てなどで外食が難しい場合もありますし、家で食べるにしてもその食材を手に入れることが難しい。それが帰りに購入出来て、家でも食べられる。おいしさや楽しさが家まで続くなんて素敵!

女性が帰れる場所がほしかった――、堤さんの新たな挑戦に秘められた想いとは

なぜ、飲食店とオフィスが一緒になったお店を出すことになったのか。また、今までとは異なるメニュー構成にしたのか。オーナーである堤さんに伺ってみました。

    タバッキ代表・堤 亮輔さん

    タバッキ代表・堤 亮輔さん

――【リ・カーリカ ランド】は、「飲食店」だけでなく、「ショップ」や「オフィス」、試作品をつくる「ラボ」も兼ね備えているんですよね。

堤さん

堤さん

はい。実はこのお店をつくった一番の目的は「ラボ」と「オフィス」なんです。いままで3店舗(【リ・カーリカ】【カーリカ・リ】【あつあつ リ・カーリカ】)をやってきて、店舗経営に関することは一通り学べたのですが、それだけじゃダメだなと。スタッフの働きやすさや、僕らがやっていることで地域や周りのみなさんが少しでも幸せになってもらえたら、と思うようになったんです。そのために「ラボ」と「オフィス」が必要でした。

    こちらはオフィス。スタッフはみな料理人として入社。調理もでき、運営もできるエキスパート

    こちらはオフィス。スタッフはみな料理人として入社。調理もでき、運営もできるエキスパート

堤さん

堤さん

今は総料理長として3店舗全体をチェックしているのですが、だんだんと「各店舗のみんなが集まって、語りあえる場所が欲しい」と思うようになったのです。ちょうどそのタイミングで、出産を終えて帰ってくるスタッフがいて、僕自身もオフィスが欲しかったのでここをつくることにしました。

――朝から営業する=お子さんがいらっしゃる方にとって朝から働けるのは嬉しいですよね

堤さん

堤さん

そうですね。朝の営業をすることで、女性も長く働ける場所をつくりたかったんです。「サステナブル=持続可能な社会」って、環境や食材のことだけじゃないと思うんです。「自分ができるサステナブルって何だろう」と考えたとき、“飲食店で人が長く働ける環境をつくること”かな、と。それに、体によいものだけを提供することで、お客さんが明日も食べたくなるような、食べ続けることで健康になれる食堂もつくりたかったんです。

    ランチ終わりの14時からディナー前の17時までの間、店内はラボに変わり、試作品の話し合いが行われます

    ランチ終わりの14時からディナー前の17時までの間、店内はラボに変わり、試作品の話し合いが行われます

――オフィスやラボってだけでも珍しいのに、飲食店とショップもあって、さらに朝昼晩とメニューも変わる。一言で言い表せないお店ですね。

堤さん

堤さん

このお店には様々なテーマや想いが詰まっているので言葉に表すのがとても難しいんです。あえてテーマを言うなら、「土からつながる仲間」と「街に開けた食堂」です。

――「土からつながる仲間」?

堤さん

堤さん

今までつながってきた「国内の生産者さんたち」のことです。仲間(生産者)の多くは少量生産にこだわり飲食店に卸していたのですが、コロナによって飲食店の営業がストップしてしまい、食材を卸す場所がなくなってしまったんです。そこで、僕らに何かできないだろうかと考えたとき、エンドユーザーまでつながる道筋としてショップを立ち上げました。

  • 物販スペースには、イタリアのナチュラルワインが並びます

    物販スペースには、イタリアのナチュラルワインが並びます

  • 「佐賀のり香味干し」と福田農園の「干しの王様しいたけ」を個人的に購入

    「佐賀のり香味干し」と福田農園の「干しの王様しいたけ」を個人的に購入

堤さん

堤さん

今までも、「このワインおいしいね。家で奥さんにも飲ませたいな」というお客さんも多かったんです。酒屋をやろうとは全く思ってないのですが、このコロナによって、期限付きではあるのですが酒販の資格が取れたので、販売させていただいてます。これからも中食は増えると思うので、なかなか外食できないご家族にもおいしいワインを飲んでほしい。そんな「幸せの連鎖」が増えるといいなと思っています。

――もう1つの「街に開けた食堂」とは、まさに自宅で食事をするようなメニュー構成ですもんね

堤さん

堤さん

ずっとこの近辺でお店をやらせていただいていて、街に恩返しがしたいと思っていたんです。僕らにできることはなんだろうと思ったときに、近所の方が朝・昼・晩と気軽に立ち寄れる食堂がつくれたらと思ったんです。朝ごはんや昼ごはんがあって、夜はバーなんですけどご飯とみそ汁や漬物があるような――。全体を通して“家のダイニング”のように使ってほしくて、健康を第一に考えたメニュー構成にしています。

    メニュ―表には、それぞれの料理の食材が事細かに記載されています。この多さとこだわりからも愛情が伝わります

    メニュ―表には、それぞれの料理の食材が事細かに記載されています。この多さとこだわりからも愛情が伝わります

スタッフにも、街の人にも、客にも、「みんなが幸せになってほしい」と願う堤さんの想いが、お店づくりや料理に表れている【リ・カーリカ ランド】。最初にお店を訪れたとき、朝粥の“お供”の多さに母親を思い出しました。「あれもこれも、体にいいから食べて!」ってたくさん盛られているような(笑)。でもそれって、食べる人の体を思ってのことだと思うから、なんだか嬉しくなってしまいました。

そんな愛情あふれる食事をリラックスして食べられる、とても居心地の良い空間でした。きっと堤さんからたくさんの愛を受け取ったスタッフさんたちが、愛情のおすそ分けを料理と空間という形で我々に与えてくださるからだと思います。一人でも気軽に入れるので、近くに行く際はぜひ立ち寄ってみてください。お店を出るとき、ほっこりした気持ちになれますから。

この記事を作った人

撮影/今井裕治 取材・文/嶋亜希子(ヒトサラ編集部)

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