更新日:2021.07.08食トレンド
昼飲みとしっとりディナー。両方の気分を一度に味わう食事【神泉 遠藤利三郎商店】|シェフがオススメするお店に行ってみよう
こんにちは。毎週木曜に、〈シェフがオススメするお店に行ってみよう〉をお届けしている、編集部の郡司です!
今回、渋谷・神泉にあるワインバーにうかがったところ、2時間の食事のなかで、明るい光に包まれた昼飲みの気分と、日が落ち切ってしっとりと大人っぽいディナーの気分の、両方を味わってきました。この時期だからこその体験と満足感。それが伝わればいいなぁ、と思います。
さて、今回も「シェフがオススメするお店」サイトからピックアップした、お店と料理をご紹介!
ご紹介するのは、神泉にある【遠藤利三郎商店】。じつはこの【遠藤利三郎商店】、本店は押上にあり、ワイン好きなシェフたちが口々にオススメしているワインバーなのです。
まん延防止対策のため、現在の営業は19時に料理がラストオーダー、20時閉店ということだったので、しっかり楽しむためにも、今回は18時にはお店に着くように、うかがってまいりました。
神泉駅から歩いて5分ほど。渋谷の喧騒を離れて、大人っぽい気の利いたお店が点在するエリアにあります
夏至を超えたばかりでまだまだ陽が長い日が続いているので、この時間でもまだまだ明るい。しかも、ファサードがガラス張りになっているので店内も明るく、まるで昼飲みしてるかのような感覚。羽が伸びてゆくような思いです。
……というわけでスパークリングから乾杯です!
乾杯のスパークリングワインとアミューズ。左の『ウフ・ブルイエ』は、ウニとコンソメジュレがのったなめらかなスクランブルエッグ。右は、ラタトゥイユに輪切りの甘唐をのせて
お店に入ってまず驚いたのが、その壁面。吹き抜けで天井が高いつくりになっているのですが、その壁の一面はびっしりとワインが並んでいます。
よく、古い図書館で壁一面が本で埋め尽くされ、ハシゴを使って高い場所に本を取りに行くようなシーンを、映画で見かけることがありますが、それのワイン版といった感じ。実際に高い場所のワインを取るためのハシゴも、ちゃんと用意されています。
ワインが好きな方ならば、きっとこの光景を目の当たりにするだけでも「この店好き!」と思ってしまうかもしれません。
さてさて、その豊富に揃うワインと一緒に楽しむ料理として、今回いただいたなかでいちばん、ご紹介したいのが『利三郎特製!オードヴル盛り合わせ』です。
『利三郎商店特製!オードヴル盛り合わせ』。写真は2人分で1800円、1人分追加するごとに800円プラス
右下から時計回りに、豚肉のリエット、鶏白レバーのムース(スプーンで蜂蜜をかけて)、パテ、大山鶏のハム、パルマ産生ハム、ピクルス、キャロットラペ、そしてバケット、という充実ぶり。
メニューの前菜欄に書いてある14品の料理のうち、なんと6品が楽しめます。なんなら『大山鶏のハム』は、前菜欄には書いてないメニューです。はたしてこの一皿だけでワインが何杯飲めてしまうんだろう。
また来たいと思える店に出会うと、「次は、前と違う料理を注文しよう」という気持ちになるものですが、このオードヴル盛り合わせは、きっと次回訪れたときも注文してしまいますね。
……アミューズとともにいただいたスパークリングは、とうになくなり、白ワインとともにこのオードヴルたちを楽しむことにしました。
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『ブラータチーズと白桃のカプレーゼ』1,100円。さっぱりした甘みと、ブラータチーズの軽やかなコクに夏らしい涼しさを感じる前菜
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『マダイと水ナスのカルパッチョ カラスミがけ』1,500円。マダイの淡白な身、ゴロっと大きめの水ナス。さらっと口の中を通って、すぐワインを追いかけたくなる
オードヴルの量がしっかりめだったので、カプレーゼ、カルパッチョが登場する頃には白ワインは空になり、赤ワインを追加でオーダーします。
そしてその頃には、日も落ち切って、辺りはすっかり夏の夜。
さっきまでは、外の光がお店を照らしていましたが、今度はこの店が発する賑わうような明かりが、逆に店前の道をぼんやりと照らすように明るくします。
メインの肉料理は『福島県産 川俣シャモのロースト ジュのソース』3,300円。トウモロコシのピューレとともに
水分を保ったまま火が通ったシャモの、しっとりとした食感。噛めば噛むほど、肉の旨みと香りがにじむ
ワインは“白”から“赤”へ、料理は“軽い”から“重い”へ、光は“明るい”から“暗い”へ。
時間の経過とともに、色と味わいをグラデーションのように楽しんだ気分。ただおいしい料理に出会ったのとは違う、不思議な満足感が体を包みます。
おいしかった……! ごちそうさまでした。
軽快な昼飲みの気分と、しっとりとしたワインバーでのディナー。両方の気分が一度の食事で味わえるのはきっと、いまの時期だけの贅沢ですね。
外に出てから改めて写真を撮影。夜はいっそう「大人の空間」といった趣きが包む
ヒトサラ編集部・郡司
旅行ガイドブックの編集者だったが、外食・居酒屋好きが昂じてヒトサラへ。居酒屋文化とシューマイ、痺れる麻婆豆腐が大好き。
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