<タイ・ローカルフード紀行 VOL.06>歯ごたえぷりっと「ワンタン麺」
タイの麺料理といえば、定番ではずれのない『バミー・ナーム』。麺やスープだけでなく、とくに具に力を入れるのがタイ風ですが、この店はワンタンとつみれがそれは見事なんです。
「バックパッカーの聖地」といわれるバンコクのカオサンロード。300メートルほどの通りに、数えきれないほどのゲストハウス、レストラン、オープンバー、旅行会社などが並び、世界各国からやってきた旅行者たちが行き交っています。
そしてタイのおみやげや服、アクセやチープなコスメ、食べものの屋台もびっしり密集。いまや安宿街というよりも、雑多なマーケット&夜遊びスポットとして進化してきたカオサンは、とってもインターナショナルで、楽しい場所なのです。簡単な英語がどこでも通じて、バックパッカーじゃなくても、旅慣れていなくても大丈夫。日本人女子の姿もよく目にします。
そんなカオサンなのですが、ごはんがいまひとつ……。ツーリスト向けの店は高いばかり、洋食ばかりで、タイ料理も外国人向けにアレンジされすぎてパンチを失っています。
そこで、カオサン通りを離れて北に歩いていきましょう。タイの母なる大河チャオプラヤーと、運河に囲まれた一角に出ますが、このあたりは古いたたずまいの民家を改造したレストランやパブが多く、外国人ではなく地元タイ人に人気のエリアなのです。
カオサンロードから歩いて10分ほどの距離にある【プア・キー】。簡素なレストランながら女子でも入りやすい様子の店内だ。外国人客も多いので英語メニューもある
さまざまな店が並んでいますが、日本人にも食べやすく、間違いない味なのは、この【プア・キー】でしょう。歴史を感じさせる重厚な木造の店内は、近所のおじさんたちのたまり場になっています。ごはんものもありますが、売りはなんといっても麺。とりわけ具材のおいしさで評判になって、地元の新聞でも紹介されたほどなんです。
『バミー・ナーム』には、ひと口サイズの絶品ワンタンが3つ。もっと食べたかったら追加で入れてもらうこともできる
麺にも種類はいろいろですが、ポピュラーなスープ入りの小麦麺『バミー・ナーム』がおすすめでしょう。具はルークチン(つみれ)と、そしてなによりギヤオ(ワンタン)を頼んでください。
こちらのワンタンには大ぶりのエビがそのまま入っていて、皮がはちきれそうなほど、見た目からしてもうぷりっぷり。ほおばってみれば、押し返すような歯ごたえとともに、エビの甘みが口いっぱいに広がるんです。思わず感じる幸せ。鶏出汁がしっかり効いたスープは、コシのある小麦麺の味を引き立たせます。つみれは、ほのかな塩の香りと、やっぱり‟ぷりむち”な食感。
タイのレストランには必ずある調味料セット。左下から時計回りに唐辛子の酢漬け、ナンプラー、砂糖、唐辛子。これで自分好みの味にしていく
足りなかったら米麺クイッティオを追加してもいいでしょう。これももっちりしていていけます。ビーフンみたいな細麺(センミー)、普通サイズの中細麺(センレック)、きしめん状の太麺(センヤイ)から選べます。どれも一杯55~65バーツ(約180~215円)と手ごろです。
バミーは優しい味わいなので、辛さが苦手な人でも食べられるタイ料理だ
バミーやクイッティオは日本だと「タイラーメン」と呼ばれることもありますが、実際には日本のラーメンとはだいぶ違って、もっとあっさりさっぱり、軽食や朝食の感覚です。量もそう多くないし、タイの街角ではどこでも見かけるので、散策に疲れたときや小腹が空いたときに、さくっとすするといいでしょう。
【Pua Kee Resataurant(プア・キー)】
住所:28-30 Phra Sumen Rd, Phra Nakhon, Bangkon
電話:02-281-4673
営業:9:00~17:00
休日:無休
この記事を作った人
取材・文/室橋裕和(フリーライター)
タイに10年在住し、現地日本語情報誌を中心に活動。帰国後は雑誌や書籍、ウェブなどの執筆・編集にあたり「アジアのいま」を発信している。タイ料理ではラープ・ペット(アヒル肉とハーブのサラダ)をカオニャオ(もち米)と一緒に食べるのが大好き。
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