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更新日:2017.12.28食トレンド 健康美食 グルメラボ

驚くほどジューシー! 柑橘の女王「愛媛Queen(クィーン)スプラッシュ」を知っていますか?

日本は世界が誇る果物王国。なかでも地域の開発者が研究を重ねて生まれる高級果物は、老若男女誰もが大好きなもの。手土産や差し入れとして人気なのはもちろん、今や外国人旅行者の訪日目的にもなるほどです。今回は2年前に登場以来、ちまたの噂になっている愛媛県の高級柑橘「愛媛クイーンスプラッシュ」を取材しました。

驚くほどジューシー! 柑橘の女王「愛媛Queen(クィーン)スプラッシュ」を知っていますか?

愛媛が誇る高級ブランド柑橘「愛媛クイーンスプラッシュ」

冬になるとこたつでミカン、最高だよね!と思ってしまう世代のワタクシ。普段は普通のミカンを常備していますが、差し入れなどで高級柑橘をいただくと、それはそれはテンションが上がります。そんな話をしていたときに、話題になったのが1個1600円以上もするというブランド柑橘「愛媛クイーンスプラッシュ」。なんでも、驚くほど甘くてジューシーなのだそう。どんなにおいしい柑橘なのか想像はふくらむばかり。しかもほとんど都内には流通しない幻の柑橘なんて聞けばますます食べたくなるのが人の性(さが)。それなら現地へ行って取材しよう(そして食べてみよう)と愛媛県に飛びました。

その魅力を探りにいざ「みかん研究所」へ!

    宇和島市にある「みかん研究所」の所長・加美 豊さん(右)と、主任研究員の菊地毅洋さん(左)。

    宇和島市にある「みかん研究所」の所長・加美 豊さん(右)と、主任研究員の菊地毅洋さん(左)。

今回いろいろと教えてくれたのは、愛媛の柑橘類の研究開発を行っている「みかん研究所」の加美 豊所長と主任研究員の菊地毅洋さん。「みかん研究所」は愛媛県の柑橘類に関する栽培研究をし、新品種や新しい栽培技術を開発する機関。ここでは毎年なんと70の異なる組み合わせで品種をかけあわせ1000近くの柑橘を新しくつくっています。

「毎年それだけの品種をつくっていますが、成功するのはわずか1万分の1の確率。商品として新しく品種登録できるのは10年に1種の割合です」と加美所長。

え!? そんな膨大な時間が必要なのですか? と思わず聞き返すと、「味よし、器量よし、はもちろんですが、農家さんに必要なのは病気に強くトゲがなく収穫しやすいもの。収穫後もカビが生えづらくて傷みにくい果実なんです。すべてをクリアできる新種ができるのは本当に難しいのです」

    「みかん研究所」内にある「甘平」の果実。このなかから選抜されたものが「愛媛クィーンスプラッシュ」に。

    「みかん研究所」内にある「甘平」の果実。このなかから選抜されたものが「愛媛クィーンスプラッシュ」に。

「愛媛クイーンスプラッシュ」は厳しい品質基準をクリアし選ばれた特別な称号

なるほど。その奇跡ともいえる品種の一つが「愛媛クイーンスプラッシュ」なんですね・・・・・・。と、思いきや「愛媛クイーンスプラッシュ」はこうした努力でつくられた愛媛県のオリジナル品種「甘平(かんぺい)」の最高級品とのこと。

「甘平は“西之香”と“ポンカン”を掛け合わせてつくった愛媛県オリジナル品種です。皮が薄く、柑橘の中では一番糖度が高い種類といっていいでしょう。プチプチとした食感が魅力ですね」と加美さん。「『愛媛クイーンスプラッシュ』はこの甘平のなかでも、大きさが2Lから4L、糖度が13度以上、クエン酸1.2%未満、全体がむらなくオレンジ色をしており、丸くいびつでないものを選果したものにだけつけられる名称です」。

厳しい選考を経て「愛媛クイーンスプラッシュ」と名乗ることができるのは、「甘平」全体生産量のなんと0.3%の選抜果実のみ!(2016年度実績) そもそも「甘平」という品種自体も高級柑橘。そのサラブレッドの中からさらに厳しい基準をクリアし選ばれた果実は、まさにミス・ユニバースジャパンを勝ち抜き、世界大会へ出場する美女並みの才色兼備、いや美味色兼備の果物なのです。

    露地栽培の柑橘を美しく育てるために、どうしたらいいかという研究も日々なされている。

    露地栽培の柑橘を美しく育てるために、どうしたらいいかという研究も日々なされている。

その”美味色兼備”の美女柑橘を育てるには、やはり一筋縄ではいきません。農家の方たちも手間をかけて育てなければならないのです。そこで少しでも効率よく、良質な果実が育てられるよう、ここでの様々な日々の研究が実地に役立てられています。「みかん研究所」の敷地内に育てられている「甘平」に様々な色の紙袋がかけられているのもそのひとつ。

「これは、一度色づいた皮の退色をいかに減少させるかという研究です。露地もののミカンはやはり気象条件に左右されやすい。商品価値を高めるための施策をこのように研究し、農家の方に伝えるのも我々の役割です」。

宇和島市近辺のみかん農家のほとんどは海沿いの急斜面を利用した露地栽培が多くを占めます。日光が良くあたり、海風が吹き抜けるこの土地の特性こそがおいしい柑橘類を育てる条件なのです。この恵まれた気候風土に加え、開発者の方や、農家の方の”人”の努力が高級柑橘誕生の秘訣。主任研究員の菊地さんのお話を聞きながら畑を歩いてみて、そう強く実感しました。

    右は普通の温州ミカン。左が「愛媛クイーンスプラッシュ」。普通のみかんと比べると、その大きさが一目瞭然。

    右は普通の温州ミカン。左が「愛媛クイーンスプラッシュ」。普通のみかんと比べると、その大きさが一目瞭然。

はじける果汁、フレッシュで濃厚な甘さは女王の名にふさわしい味わい

さて、いよいよ「愛媛クイーンスプラッシュ」を実食です。もぎたての果実を包丁で半分に割ると、果肉の一粒一粒が宝石のようにキラキラと輝きます。そのジューシーさは見ただけで伝わるほど。そしてひと房口に含めば、果汁がスプラッシュ! 通常のみかんよりも一粒一粒が立って軽い歯ごたえがあり、プチプチとはじけます。フレッシュな果汁が口にあふれる食感はほかにはないもの。そして甘い! 1つを二人で食べても十分満足できる貫禄ある大きさといい、清冽なみずみずしさといい、まさに“女王”の名にふさわしい柑橘です。

しかも、外皮は薄くて簡単に手で剥くことが可能。どんな場所でも食べられるので差し入れなどにもぴったりでしょう。

    見よ!このキラキラと輝く一粒一粒を。噛むとこの一粒から果汁がはじける。

    見よ!このキラキラと輝く一粒一粒を。噛むとこの一粒から果汁がはじける。

しかしながら残念なのは、生産量が少なくてなかなか手に入らないこと。「2016年から市場への流通を始めましたがなかなか全国各地に流通ができない柑橘です。2018年は一部の百貨店や果物専門店では取り扱いを増やしていく予定です」と菊地さん。

旬を迎えるのは1月から2月。この希少な「愛媛クイーンスプラッシュ」を食べてみたい、そう思ったそこのあなたに朗報です。なんと2018年の新年早々に「愛媛クイーンスプラッシュ」の試食販売会を開催します。なかなか流通しない柑橘の女王に会えるチャンス。ぜひこの機会に愛媛の農家さんが大切に育てたとびきりの箱入り娘「愛媛クイーンスプラッシュ」を味わってみてください。

「愛媛クイーンスプラッシュ販売会」

会場:日本橋三越本店 本館B1F【室町万弥】、新館B2F【サン・フルーツ】
住所:東京都中央区日本橋室町1丁目4-1
期間:2018年1月26日(金)~2018年1月28日(日)
営業:10:30~19:30
問い合わせ:【室町万弥】電話:03-3274-8496(*上記営業時間内)

*試食もございます(数に限りがありますので、予めご了承ください)

この記事を作った人

撮影・取材・文/山路美佐(ヒトサラ編集部)

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